インフラと成長|マレーシアが示す成功の鍵
マレーシアの高速道路網は、日本の高速道路システムを手本にした驚くべきものです。右ハンドルの「Myvy」が左車線を駆け抜けるのは、日本人にとって快適な運転環境を提供しています。入口の標識は見逃すことがありませんし、料金所も効率的です。高速道路は110km/hで走行し、サービスエリアではフルーツショップも楽しめます。マレーシアのインフラ整備は、経済成長と持続可能な未来への鍵となっており、その成功は日本にも示唆を与えています。
今回の記事では、マレーシアの高速道路システムについて紹介したいと思います。
インフラと成長|マレーシアが示す成功の鍵
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年9月7日
日本を模範に
国民車である「Myvy」は日本車と同じ右ハンドル、車線も日本と同じ左車線なので、混乱することもなく非常に運転しやすい環境であるのは日本人には助かります。
また、マレーシアの高速道路は日本の高速道路システムを模範に作られているので、非常に運転しやすいです。
高速の使い方
まず高速道路への入り方ですが、入口の標識は道路沿いに数多く設けられていて、看板の色も緑色に統一されているので、見落とす心配がありません。
料金所のゲートは、Tunai(現金)、ECカードのTouch & GoとETCのSmart TAGの3つに分かれています。ECカードの使用がほとんどで、ETCシステムの場合には事前に機械を購入し、車にセットしておく必要があります。
車線は多くのところは片側2車線(都市部では3車線)で、日本同様に左側が走行車線、右側が追い越し車線、最高速度は110km/hとなっていますが、オービスの設置もあまりないためすごいスピードで飛ばしていきます。
途中にはサービスエリアがあり、トイレやファーストフード店、レストラン、お土産屋、ガソリンスタンド、礼拝所もしっかりと設置されています。
マレーシアらしいのは、必ずフルーツショプがあることで、キロ売りからカットフルーツまで揃っていて多くの人々が利用します。
計画的なインフラ整備
インフラの整備は1980年代のマハティール政権の下で積極的・計画的に進められ、特に高速道路整備が発展のカギとなるとし、外資導入により整備を推進しました。そのおかげで、他の東南アジア諸国と比べても早い段階でインフラ整備が始まり、計画的に順次進めたために先進的な経済発展を遂げることに成功しています。
「スパゲティ高速道路」
首都圏で工事が進められていた全長20.1 kmのDASH高速道路が2022年10月に開通しました。全高架の高速道路で、建設費は42億リンギット(約1,280億円)。この道路の完成によって、ダマンサラからシャーアラム間という、セランゴール州とクアラルンプール周辺の地域で切望されていた交通分散が実現されそうです。
ダマンサラインターチェンジは非常に複雑なことから「タコ足高速道路」と呼ばれていました。この新しい高速道路の開通で、より複雑に高架化されたインターチェンジと絡み合っていて「スパゲッティ高速道路」と呼ばれています。開通後の無料期間に実際に利用してみましたが、1度の利用ではとても道順は覚えられませんでした…。
成長の鍵
インフラ計画と整備の加速が、アジア諸国の持続的な成長の鍵であり続けることは間違いないでしょう。インフラ整備は経済成長を促進させるだけでなく、貧困の削減や、生活水準の上昇や地域社会・経済の自立的発展に貢献します。また、日本やマレーシアでの整備の歴史を学んでみると、自国に対する自信の大きな源にもなっていることは間違いないと思います。
官民の連携により、しっかりと未来を見据えた持続的な成長のための基盤作り、老朽化への対策と強靭化に、さらに注力していくことが重要だと思います。