2026年3600万人突破?マレーシア観光戦略

マレーシア

グローバル観光市場で急成長を遂げるマレーシア。2023年の観光収入は前年比32.5%増の約2兆9,000億円に達し、2024年第1四半期の観光客数は前年同期比32.5%増の580万人を記録しました。なぜマレーシアは世界の観光地ランキング14位に躍進したのでしょうか?多様な文化、豊かな自然、そして政府の積極的な観光戦略がその鍵を握っています。
今回は、この記事をもとにマレーシアが観光地として人気がある理由について紹介します。

「世界の人気観光地ランキング」で14位に  

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2024年9月12日

観光客数が回復

マレーシアがコロナによるロックダウンの入国禁止措置を経て、海外からの観光客の受け入れを再開してから2年がたちました。
2020年から2022年にかけての国境閉鎖で、観光部門は非常に大きな打撃を受けていて、いまだに完全には回復していません。

しかし海外からの観光客数が、2022年の1,007万人から2023年には2,014万人に倍増するなど、観光産業は回復の兆しを見せ続けています。

観光収入も増加傾向

マレーシア観光局の統計によると、2023年の国内の観光客数は前年比22.9%増の2億1090万人で、観光収入も32.5%増えて849億リンギ(約2兆9,000億円)でした。

コロナ禍前の2019年の水準をいずれも下回っており、2019年比で観光客数は11.8%の減少で、観光収入は17.7%の減少でした。ただ、明るい兆しが見え始めています。

2024年も好調に推移

シン観光・芸術文化相の発表によると、マレーシアへの観光客数は増加しており、2024年の第1四半期(1~3月)には、約580万人の観光客が訪れています。前年同期よりも32.5%の増加を示しています。

この増加は中国とインドの観光客に対して30日間のビザの免除が実施された影響と見られています。現在も、中国、インド、さらには西アジアや韓国との直行便フライトを増やすさまざまな取り組みが進められています。

「ビジット・マレーシア2026」

マレーシア政府は「Visit Malaysia 2026」キャンペーンを開始し、年間約3600万人のインバウンド客の来訪を目標としています。

マレーシアへの入国ビザの手続きの簡素化、フライトの接続性とアクセスの向上で目標達成を目指しており、観光産業がマレーシアの重要な経済の推進力となること重点に置いています。

観光地としてのマレーシアの魅力

マレーシアが観光地として評価が高く、人気がある理由にはいくつかの要因が考えられます。

➀ 多様な文化と歴史
マレーシアは多民族国家で、マレー系、中国系、インド系などの多様な文化が見事に共存していて、訪れる観光客はさまざまな文化を楽しむことができます。

例えば、 ペナン州のジョージタウンやマラッカの歴史地区はユネスコの世界遺産に登録されており、歴史的建造物が観光客を魅了しています。

② 食文化
多民族国家であるマレーシアは多様な民族の影響を受け、食文化も非常に豊かです。
ストリートフードから高級レストランまで、さまざまな料理が楽しめます。

クアラルンプールのジャラン・アローは、夜になるときらびやかな屋台が立ち並び多くの観光客が訪れ、ナシレマやサテなどのローカルフードが大人気です。

③ 美しい自然とリゾート
豊かな自然にも恵まれており、美しいビーチや熱帯雨林が観光客を魅了しています。
サバ州にあるキナバル山は登山者に人気で、世界自然遺産にも登録されています。

また、ランカウイ島やティオマン島は、世界中のダイバーにとって憧れの地になっています。

安全性とホスピタリティ

マレーシアは比較的安全な国で、治安は他のアジア諸国と比べても良好です。

ホスピタリティが高く、温厚で親切な地元の人々が観光客を温かく迎え入れます。英語も通じるので、観光客も不安を感じることはありません。

これらのいくつかの要因が組み合わさって、マレーシアの観光地としての評価や人気は上昇し、アジアで最も高い評価を受けています。

Malay Dragon

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マレーシア・シンガポール在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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