6月はLGBTQ+Pride month

アメリカ

アメリカには様々な人種の人達が生活し、様々な価値観、考え方の人がいます。
多様性や新しい考え方への理解なしには、アメリカに住み、ビジネスをするにあたって難しいと感じる局面が出てくるかも知れません。
今回は日本でも理解が深まりつつあるLGBTQ+のお話をしたいと思います。

6月はLGBTQ+Pride month

    著者:シアトルgram fellow 土師 恵
公開日:2022年6月xx日

LGBTQ+とは?

LGBTQ+はLがレズビアン、Gがゲイ、Bがバイセクシャル、Tがトランスジェンダー、Qがクエスチョン、+がその他という風に、それぞれの頭文字を合わせた言葉です。
色々な定義があるのですが、大まかにいうと、レズビアンとゲイはそれぞれ同性同士を恋愛対象にする人を指します。
バイセクシャルは両性を恋愛対象とする人のことです。
トランスジェンダーは自身の身体と心が異なる性を持っている人、例えば、身体は女性だけど心は男性やその逆の人。
クエスチョンはご自身の性を自問中の人、+はそれ以外の性を持つ人を指します。
性的マイノリティと呼ばれたりしますが、実は左利きの方と同じくらいの割合で存在すると言われています。
LGBTQやLGBTsやLGBTなど様々な表現があるのですが、アメリカの最近の報道ではLGBTQ+という言葉をよく聞きます。
アメリカではLGBTQ+に関する日がいくつもあるのですが、その中でも6月はLGBTQ+pride monthという、LGBTQ+とは?人権とは?を問いかける1か月です。

アメリカは日本よりもLGBTQ+の人たちが生きやすい?

セサミストーリートでお母さんが2人いる家もある旨の歌詞と2人のお母さん

LGBTQ+の人たちに寄り添った考えを持つ人やお店は一目でわかるようになっていて、虹色の旗をお店に飾ったり、虹色のステッカーを車に貼ったりしています。
アメリカの人は意思表示が非常にはっきりしています。
筆者の肌感としてアメリカはLGBTQ+の人たちが日本よりも住みやすい国だと感じます。
例えば服屋さんやコスメのお店に行くと、綺麗にメイクした男性の方がいらっしゃって、筆者のよく利用するスーパーマーケットでは2mくらいの身長の男性が豹柄の坊主頭にネイルやメイクと、いつも綺麗にされていてとても素敵だなぁ、と筆者は思います。
メディアでもLGBTQ+は個性であって異常ではない旨を伝えており、CMでも同性カップルが出てくるものが沢山あります。
また、子供から大人まで大人気のMARVEL映画のエターナルズでは、同性婚をしているファストスという発明家のヒーローが出てきますし、劇中で同性のパートナーとキスをするシーンがあります。
アメリカではそのシーンに涙した人も少なくありません。
その一方中東の某国では、宗教上の理由で、そのシーンがある為にエターナルズが上映中止になったというニュースを耳にしました。
芸能人、ダンサー、シンガー、モデル、ニュースキャスターや政治家等様々な職業の人たちが、自身がゲイであったり、バイセクシャルであったり、レズビアンであることを公表しています。
また、大人気子供番組のセサミストリートでは『いろんな家族がいる』という趣旨の歌の中で『ある家族はお母さんが1人いて、ある家族はお母さんが2人いる』といった歌詞があります。
アメリカでは養子縁組が非常に頻繁に行われているので、同性婚をしたカップルが養子をもらって幸せな家庭を育んでいるのをテレビでもよくみます。筆者の知り合いでも、何組かの家族が養子をもらって幸せに過ごしています。

この時期は街にたくさんの虹色の旗があがり、このご時世らしく虹色のマスクをしたり、LGBTQ+に共感や関心や尊重の意を表す人が都会では多いです。
ヨガスタジオがLGBTQ+の普及や差別防止のチャリティイベントクラスを行ったり、LGBTQ+に理解のある企業はパッケージを虹色にして商品を出したりしています。
日系スーパーで、日本酒会社の大関の虹色のパッケージを見つけた時には、驚いたのもありますが、多様性を感じられて嬉しくなりました。

LGBTQ+が受け入れられない人達は?

アメリカは広い国であり、都会と田舎がはっきり分かれています。
実のところ田舎の方が多いです。
アメリカでは若い人は柔軟な考え方を持つ傾向があって、年配の人は保守的な傾向にあります。
そして、アメリカはキリスト教の国で、国民の65%〜75%が何かしらのクリスチャンです。
宗派にもよると思うのですが、多くのクリスチャンの人たちが同性愛をよく思っていないというデータがあります。
田舎の年配のクリスチャンの方はLGBTQ+を受け入れない傾向が強いようです。
この記事をずっと読んでくださってる方はお気づきかも知れませんが、この特徴、何かの特徴に似ていませんか?
そうです。共和党支持者の方です。
すべての人が当てはまるわけではありませんが、どうやら共和党支持者の年配の田舎の方はLGBTQ+に寄り添うということが難しいようです。

まとめ

ホテルや商業施設にレインボーの旗

アメリカでは、多様性を支持するジェネレーションZの6人に1人がLGBTQ+であるとされ、将来的に更に増えるとの予想がでています。
そしてこれからはジェネレーションZが市場の中心に入って来るともいわれています。
人口ボーナスのあるそのジェネレーションZ層向けにビジネスをするのであれば、LGBTQ+への理解を持ち、さらに共感や尊重の意思表示ができるのであれば、それを積極的にアピールした方がビジネスがうまくいくと考えられています。
ジェネレーションZは、人権や多様性に共感しない会社からはものを買おうとしないといったデータもあります。
この記事が御社のビジネスのヒントになれば幸いです。

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