ブータンでも大ヒット!象印お弁当箱が愛される理由とは?

ブータン

ブータンでは家族で自炊が主流で、お昼はお弁当文化が根付いている。日本の象印のお弁当箱が多くの人に利用されている理由は、保温性、漏れない丈夫な作り、持ち運びやすさ、ブランド力などが挙げられる。ブータンの食生活は近代化が進み、欧米食が人気を集める一方、自炊やお弁当文化も根強く残っている。今後も食生活の変化が見られるが、日本製品の高い機能性は海外でも人気があるということがわかる。

ブータンでも大ヒット!象印お弁当箱が愛される理由とは?

   著者:ブータンgramフェロー よう 
公開日:2023年3月30日

ブータンのお昼ご飯

南アジアにあるブータンは、人口約78万人が暮らす山の上にある小さい国だ。アジアではタイや台湾をはじめ外食が主流な国もあるが、ブータンの人々は基本的に自炊する。コンビニエンスストアや屋台がなく外食するにはレストランに行くしかない。

最近は少しずつテイクアウトできるお店や配達サービスも増えてきているが、まだ利用者は多くない。仕事中のお昼ご飯は、安価で簡単に済ますことができるCanteen(食堂)を利用する人もいるが、Canteenがない場合も多い。

そのため、ブータン人のお昼ご飯は基本的にお弁当である。ブータン料理のおかずは塩辛いものが多く、エマダツィ(唐辛子を野菜としてチーズで煮込んだ料理)がその代表である。基本的に味が濃いためたくさんのお米と一緒に食べる。

お弁当も同様でお米とエマダツィのようなおかずを持ってくる。また、ブータンではシェアランチが基本となっていて、おかずを1〜2品持ち寄り仲間内で分けながら食べるのが一般的である。

みんな持っている象印

学生は給食がない限り100%お弁当だ。学校終わりの学生たちとすれ違うと、ほぼ全員がグレーのランチバッグを持っていることに気づく。これは日本の象印のお弁当箱だ。

もちろん学生だけでなく大人も象印のお弁当バッグを持っている。象印のお弁当箱は筆者自身も学生時代に利用していた。保温できるためお昼に食べるときも温かいご飯が食べられる。日本でも約3500円程度する象印のお弁当箱。ブータンでは約4000Nu。1Nu=1.66円(2023年3月9日現在)で計算すると6600円以上する。ブータンの人にとって決して安くない。それでも購入する理由を聞くと、保温性の他に、漏れない丈夫な作りであること、バッグがセットで持ち運びやすいこと、何より多くの人が持っておりブランド力があることが挙げられた。やはり日本製品の高い機能性は海外でも人気である。

変わりゆく食生活

首都ティンプーを中心にブータンでは徐々に近代化が進んでいる。ブータン料理以外のレストランも増え、若者中心に人気を集めている。人気があるのはやはりハンバーガーやチキン、ピザといった欧米食である。

ちなみにブータンでは外国チェーンのお店が出店することは基本的に禁止されているため、チキン屋さんはK F Cに似せたのかC F CやB F Cという名前である。欧米食は比較的安価で提供され、人々は日常的に利用している。韓国料理やタイ料理、日本食レストランもあり人気だが、ブータン料理に比べると高価なこともあり利用頻度は少ないようだ。

ブータンでは最近海外に働きに行く人が増加しており、外国の食文化に触れる人も多い。そのため今後ブータン料理以外のレストラン需要が増加することが考えられ、ブータン人の食生活も徐々に変化していくことが予想される。

お弁当の中身もそれに伴い変化するのではないだろうか。

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