シンガポール:チャンギ空港が世界空港ランクキングで3年ぶり首位
先日発表された2023年の世界空港ランキングで、シンガポールのチャンギ空港が3年ぶりに首位に返り咲きました。チャンギ空港が首位になったのは今回で12回目です。コロナもほぼ終わりを迎えてさまざまな規制もほぼ解除され、シンガポールを訪れる旅行客も以前のように戻りつつあります。
そこで今回の記事では、以前も紹介しましたが、シンガポールのチャンギ空港について再び紹介しようと思います。
シンガポール:チャンギ空港が世界空港ランクキングで3年ぶり首位
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年4月14日
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他部門でも首位獲得
チャンギ空港は、総合ランキングだけではなく「空港の食事」と「空港のレジャー設備」部門でもランキング1位を獲得しました。 総合ランキング2位はカタールのドーハのハマド国際空港で、3位は羽田空港がランクインしました。
2020年まではチャンギ空港が8年連続で総合ランキング首位でしたが、2021~22年は3位でした。
約70%まで回復
コロナ禍で大きな打撃を受け旅行者が減少して、チャンギ空港ターミナルの売上は大きな打撃を受けました。中でも第4ターミナルは2年以上運営を停止していましたが、2022年12月の旅客数が2019年のレベルの約72%まで回復しており、今回の結果はチャンギ空港の変わらぬ評判の高さを示しています。
チャンギ空港グループの発表によると、2022年の売上は合計11億シンガポールドル(約1100億円)を記録しており、これは2019年の約37%になります。
隣接商業施設も復調
以前この記事でも紹介しました、世界最大級といわれる高さ40メートルの屋内の人工の滝がある、2019年4月開業の商業施設「ジュエル」も、パンデミック以前には毎日約30万人の来客がありましたが、パンデミックの影響を受け地元の買い物客の足も遠のいてしまったため、この2年間は売上が低迷していました。
2021年と比較して2022年のジュエルの入場者数は2倍以上に戻っており、2022年のクリスマスには34万5,000人がを訪れ、パンデミック以来最高の数字を記録しています。さらに2022年12月の小売の売上は、最も好調だった2019年12月より8%高い売り上げを記録しています。
ジュエルはモールの4階にウェルネスセンターを設け、フィットネスや健康診断などが提供されます。ジュエルが開業5年目を迎える2024年には大々的なキャンペーンを予定しています。中国などが渡航制限を緩和し始めているため回復にさらに勢いがつき、明るい見通しを予感させるとCEOも述べています。
手数料の徴収
チャンギ空港を出発する乗客は、以前は、乗客サービス・セキュリティ料や航空徴収金などで52.30シンガポールドル(約5,323円)の出発料金を支払っていました。2022年11月に59.20シンガポールドル(約6,027円)に値上げされ、今年の4月からは62.20シンガポールドル(約6,400円)となり、さらに2024年4月から65.20シンガポールドル(約6,700円)に再値上げされます。
国際航空運送協会(IATA)のアジア太平洋地域副会長は、「チャンギ空港の値上げのタイミングは理想的とは言えず、値上げを見送ることが理想的であり、航空業界のコロナからの回復の初期段階に大きな影響を及ぼす」と懸念を示していました。
シンガポール経済とは切り離せない
5万人以上の雇用を生みだしていたチャンギ空港は、人口540万人のシンガポールの経済とは切り離せない関係にあります。
着陸料を低く抑えて航空会社の負担を減らすことによって、世界中の航空会社の呼び込みに成功したチャンギ空港ですが、やや曲がり角を迎えているようです。
ただ、お伝えしたジュエルのように、チャンギ空港には娯楽施設、ショッピング、レストランなどの施設が他の空港と比べてはるかに充実しており、その魅力により空港滞在人数が増えて、そこでお金を使う人が増えれば、さらに発展していきそうです。