アニメの「聖地」がマニラに上陸!?アニメイト初出店に見るフィリピン・ポップカルチャー市場の熱狂(前編)

フィリピンの街を歩いていると、アニメキャラクターのTシャツを着た若者を見かけない日はありません。モールの一角には必ずと言っていいほどアニメグッズの売り場があり、週末には親子連れやカップルで賑わっています。トライシクルの車体に描かれた悟空やナルト、店先から聞こえてくるアニメソング——フィリピンで暮らしていると、「この国のアニメ愛は本物だ」と実感する場面ばかりです。
そんなフィリピンに、ついに「本丸」がやって来ます。日本最大級のアニメグッズ専門店「アニメイト」が、フィリピン1号店をマニラ首都圏マカティ市に出店すると発表したのです。今回は、アニメイトのフィリピン進出の詳細と、その背景にあるフィリピンのアニメ市場の熱狂、そして日本企業にとってのビジネスチャンスについてご紹介します。
アニメの「聖地」がマニラに上陸!?アニメイト初出店に見るフィリピン・ポップカルチャー市場の熱狂(前編)
著者:フィリピンgramフェロー たこ坊
公開日:2026年 10月23日
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世界最大のアニメショップ「アニメイト」がついにフィリピンへ
2026年5月、アニメイトはフィリピン初の直営店「Animate Manila」を、マカティ市の大型複合商業施設「One Ayala(ワン・アヤラ)」3階にオープンすると発表しました。正式な開店日は本稿執筆時点(2026年7月)では未発表ですが、2026年中の開業が予定されています。
アニメイトと聞いて、「ああ、池袋の」とピンと来る方も多いのではないでしょうか。アニメイトは日本全国47都道府県に126店舗(2026年4月時点)を展開する国内最大級のアニメ・コミック・ゲーム専門店チェーンで、旗艦店のアニメイト池袋本店は売場面積8,554平方メートルを誇り、2024年3月に「世界最大のアニメショップ」としてギネス世界記録に認定されています。2023年時点の報道によれば、年間売上高は約650億円規模とされています。
海外展開も加速しており、中国本土・香港・台湾・タイ・韓国・米国などに直営店を構え、2025年10月にはマレーシア・クアラルンプールのポップアップストアが常設店に転換、同年12月には香港店もオープンしたばかり。マニラ店はこの海外展開の最新ピースであり、現地報道によればアジアで14番目の店舗、東南アジアでは4店舗目(タイ・マレーシアに続く3カ国目)の進出となります。
出店先のOne Ayalaは、マニラ首都圏の大動脈EDSA通りとアヤラ通りの交差点に位置し、MRT(首都圏鉄道)アヤラ駅に直結、さらにバスターミナルまで併設された交通の要衝です。マカティのオフィスワーカーから地方からのバス利用者まで幅広く取り込める、これ以上ない一等地と言えるでしょう。
(引用元:ORICON NEWS(英語版) │ Animate Expands to the Philippines with First Manila Store
https://us.oricon-group.com/news/8652/)
(引用元:Anime News Network │ Animate Opens Manila Store This Year
https://www.animenewsnetwork.com/news/2026-05-18/animate-opens-manila-store-this-year/.237481)
(引用元:PinoyGamer │ One Ayala announces opening of Animate’s first-ever Philippine store
https://pinoygamer.ph/articles/one-ayala-announces-opening-of-animates-first-ever-philippine-store.27664/)
(引用元:株式会社アニメイト │ 世界最大のアニメショップとして「アニメイト池袋本店」がギネス世界記録™に認定!
https://www.animate.co.jp/news/1253/)
(引用元:アニメーションビジネス・ジャーナル │ 世界最大のアニメショップ 「アニメイト池袋本店」、23年3月16日グランドオープン
http://animationbusiness.info/archives/13782)
フィリピン人のアニメ愛は日本人以上!?

「そもそも、フィリピンでアニメってそんなに人気なの?」と思われるかもしれません。筆者の体感では、答えは「日本人が想像する以上」です。
フィリピンのアニメ文化の原点は1990年代に遡ります。『幽☆遊☆白書』が『Ghost Fighter』というタイトルでタガログ語吹き替え放送され、国民的人気を博しました。フィリピンの30〜40代に『Ghost Fighter』と言えば、ほぼ確実に会話が盛り上がります(筆者も現地の友人と何度この話で盛り上がったか分かりません)。2000年代にはHero TV、AXN、Animaxといった専門チャンネルが普及し、『NARUTO』や『ガンダム』シリーズが次世代のファンを育てました。つまり現在のフィリピンでは、親子2世代がアニメで育っているのです。
その熱量を象徴するのが、毎年開催されるフィリピン最大級のコスプレイベント「Cosplay Mania」です。主催者によれば、2024年大会は初の3日間開催となり、来場者は約15,000〜20,000人と、前年の約12,000人から大幅に増加しました。主催団体Cosplay.phは2025年に設立25周年を迎えており、四半世紀にわたってファンコミュニティが育まれてきたことが分かります。
(引用元:Modern Parenting │ Animate Debuts First Philippine Branch at One Ayala
https://modernparenting-onemega.com/animate-debuts-first-philippine-branch-at-one-ayala/)
(引用元:Manila Bulletin │ Cosplay PH announces exciting events for 2024 and 2025
https://mb.com.ph/2024/10/19/cosplay-ph-announces-exciting-events-for-2024-and-2025)
数字で見るフィリピンのアニメ市場
読者の皆様が気になるのは、「で、市場としてはどうなの?」という点ではないでしょうか。
市場調査会社Grand View Researchの推計によれば、2024年時点でフィリピンは世界のアニメ市場の1.9%を占めています。「たった1.9%?」と思われるかもしれませんが、人口1億人超、国民の平均年齢が25歳前後と言われる若い国が、日本・米国・中国といった巨大市場に混じってこの存在感を示していること自体が注目に値します。
また、市場調査会社Ken Researchは、フィリピンのアニメ関連グッズ(マーチャンダイジング)市場を約1.4億米ドル規模と推計し、15〜30歳の若年層の過半数が「自分はアニメファン」と認識しているとの調査結果を紹介しています。調査会社による推計値のため幅を持って見る必要はありますが、若年人口の厚いフィリピンでこの浸透率は、市場の将来性を物語っていると言えるでしょう。
(引用元:Grand View Research │ Philippines Anime Market Size & Outlook, 2024-2030
https://www.grandviewresearch.com/horizon/outlook/anime-market/philippines)
(引用元:Ken Research │ Philippines Anime Merch Market | 2019 – 2030
https://www.kenresearch.com/philippines-anime-merchandising-market)
後編へ続く























