日本式カレーの「モンスターカレー」 ジャカルタに1号店
トリドールホールディングスが展開している日本式カレーの店「モンスターカレー」が、インドネシアのジャカルタに1号店を開店しました。
同社の発表によると、シンガポールで「モンスターカレー」を運営している、同社の提携先のMCグループが、フランチャイズでの展開を始めたものです。
今回の記事では、このニュースを中心にトリドールの海外戦略について紹介します。
日本式カレーの「モンスターカレー」 ジャカルタに1号店
著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon
公開日:2024年 1月12日
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シンガポール発日本式カレー
トリドールホールディングスは、シンガポールで人気があったカレー店の「モンスターカレー」を展開していた現地企業であるMCグループに2018年に出資し、子会社化しています。この時点で「モンスターカレー」は、シンガポール国内で12店舗展開していました。
店舗拡大と海外展開を視野
同社は、「モンスターカレー」を25年までにシンガポール国内で20店舗まで増やし(現在は15店舗を展開)、その後、東南アジアや香港などの中華圏への展開も視野に入れており、今回のジャカルタ1号店で、東南アジア展開の緒に就いた形です。
トリドールの海外戦略
トリドールは、海外展開を超高速で推し進めています。
その理由は、 人口が減少し続け、日本の国内市場が急速に縮小する中で、同社は海外展開の推進は最重要の経営テーマとしてとらえているからです。
また、この”超高速”展開の秘訣として海外パートナーとの密接な連携をあげており、信頼のおけるローカルバディの存在により、スピーディーな海外展開を実現しています。
トリドールホールディングスは国内外に18の外食ブランドをもっており、2028年3月までにグループ全体で海外4,000店舗、全世界で5,500店舗を展開するという目標打ち出しています。
同社は「日本初の、日本発No.1グローバルフードカンパニー」の実現というビジョンを掲げており、急速な海外展開で実現を目指しています。
過去の失敗を活かし
トリドールは、2020年の7月にフランチャイズ契約を解除したタイの提携先に対して、貸金返還請求訴訟を起こしています。これは、ブランド維持をめぐり、両社の間で意見が一致しなかったことが原因と見られています。
同社の幹部も「海外展開に前のめりになるあまり、調査不足のまま、方向性が一致しないフランチャイジーと契約してしまった」と失敗の原因を語っています。
シンガポールではこの失敗を活かし、展開を進めています。
「ローカルバディ」
トリドールの海外展開では、まず「ローカルバディ」と呼ばれるフランチャイズをマネジメントするローカルのパートナーを作ります。
ローカルバディとは、単にチェーン店の運営能力を持つというだけでなく「食の感動体験を世界に広げる」という同社の基本的な考え方に共感した相手に、バディになってもらうというものです。
このローカルバディが各地域でブランドを運営します。最初の業務は、成功モデルとフランチャイズ獲得の2点あり、まず成功モデルを作りそれを踏まえフランチャイズを獲得し、その後同社が支援をする体系を整えています。
海外でも人気の日本式カレー
ヨーロッパの体験型旅行サイトで、世界中のグルメ情報を掲載する「Taste Atlas」が2022年12月に公開した世界の伝統料理ランキングで、世界1位に選ばれたのが、なんと日本のカレーでした。
日本式カレーはインドカレーなどと比べて辛さが控えめで、小麦粉を使っているためにとろみがあり、まろやかな味わいで食べやすいと大人気で、世界中から注目されています。
日本には独特の食の歴史に基づいたさまざまな美味しい料理があり、こうした日本の食や、日本発の世界的なフードカンパニーが続出していくことを期待しています。