アジア人女優初の快挙!マレーシアの女優ミシェル・ヨーがアカデミー主演女優賞を受賞

マレーシア

マレーシア出身の女優ミシェル・ヨーが、アカデミー主演女優賞を受賞したことで話題になっています。彼女はアジア系女優として初めてこの栄冠を手にしました。ポリス・ストーリー3でジャッキー・チェンとの共演や、007映画『トゥモロー・ネバー・ダイ』などへ出演し活躍してきました。
マレーシア国王から最高勲章である「タンスリ(Tan Sri)」を授与され、国民的女優としての地位を確立し、彼女は自らの挑戦で「アジア人女優」という型を打ち破ったことが成功の秘訣と語り、オスカー受賞スピーチでは母親や女性にエールを送りました。
そこで今回の記事では、「ミシェル・ヨー」について紹介したいと思います。

アジア人女優初の快挙!マレーシアの女優ミシェル・ヨーがアカデミー主演女優賞を受賞   

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年4月7日

「カンフースター」

ミシェル・ヨーを「カンフー映画界のトップスター」としてご存じの方も多いのではないでしょうか。

彼女と同年代の私は、サモ・ハン・キンポーが監督と主演を務めた映画での姿を覚えています。

彼女を有名にしたのは、ジャッキー・チェンと共演した「ポリス・ストーリー3」でしょう。ジャッキーにも負けない、走行中の貨物列車の屋根にオートバイから飛び乗るという凄まじいアクションで、日本の映画ファンにも鮮烈な印象を与えました。そして、女性カンフースターとしての地位を不動のものにしました。

ハリウッド進出

1997年には『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』でハリウッドへ進出しました。ジェームズ・ボンド以上のアクションで「戦うボンドガール」として注目を集めました。このとき名前を「ミシェル・ヨー」に変えています。

彼女の演じた「ボンドガール」は今までの007にはなかったタイプで、ボンド映画好きの私は衝撃を受けると同時に、どこか共感も感じていました。

その後はコメディ映画やSF映画にも出演して、キャリアを重ねていきます。

「タンスリ」に

2013年、マレーシア国王から、マレーシアの最高勲章で民間人として最高位の称号である「タンスリ(Tan Sri)」を授与され、マレーシアの「国民的女優」という立場を確実なものとしました。

「慣例を打ち破れ!」

彼女がインタビューなどでよく口にするのが「慣例を打ち破れ」という言葉です。

「慣例とは範例であり、ものさしであり、自由を制限し人の可能性を閉じ込めるものである」とも述べています。彼女の女優としての大成功も、「アジア人女優」という世間が彼女に当てはめた型を、自らの挑戦で打ち破ったことにカギがあると思います。

感動的なアカデミー賞でのスピーチ

彼女はオスカーの受賞のスピーチで「この授賞式を見ている、私のような見た目の少年少女たち。このオスカー像は希望の証。夢を大きく持てば、必ず叶うという証です。そして女性のみなさん、全盛期が過ぎたなんて誰にも言わせてはいけません。ネバー・ギブアップ!」と話し、ガッツポーズを見せ、会場から喝采を受けました。

また続けて「世界中の母親に捧げます。彼女たちこそが本物のスーパーヒーローだ。彼女たちがいなければ、皆さんもいなかったはず。私の母は84歳です。このオスカー像を母の元に持ち帰ります。今ごろマレーシアで、家族や友人と一緒に中継を見ていることでしょう。みんな愛してる」と母への愛を語りました。

ステレオタイプにとらわれない

彼女を見ていると、その美しさにも魅かれますが、映画の世界ではマイノリティーであり、役柄もステレオタイプに縛られたものが多いアジア系の人々に、強く発信を続けている強さも魅力的で、あこがれを感じます。

ついつい自ら天井を設けてそれを言い訳にすることが多くなりますが、彼女を見ていると「壁は自らが打ち破るもの」だと再認識させられます。

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