PAGCORから学ぶフィリピンIRビジネスによる経済効果は?
近年日本で可決されたカジノ法案は、大阪夢洲を拠点に日本の経済復興のカギとなると期待されています。そこで今回は、既にカジノを誘致し、IRビジネスで成功を納めるフィリピンで、どのような経済効果が生まれているのか言及していきます。
PAGCORから学ぶフィリピンIRビジネスによる経済効果は?
著者:フィリピンgramフェロー アルト
公開日:2023年 11月13日
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IR企業について
カジノをはじめ、MICE(国際会議場)、映画館、水族館、劇場、ホテル、ショッピングモールなど観光施設や娯楽施設を集約しており、2011年第一号のIR以降、マニラの数十万人単位の雇用促進や首都の観光産業に大きな功績を残しています。
マニラIRの今後の見通し
フィリピンの不動産王(Manuel Villar Jr.)マヌエル・ビジャール・ジュニアは、フィリピンの首都ラス・ピニャス市に10億ドル(1,500億円)規模の統合型リゾートを開発する計画を立てており、また香港に本拠を置くインターナショナル・エンターテインメント・コーポレーション(International Entertainment Corporation)企業もまた、最大12億ドル(1,800億円)を投資すると発表しています。
1. Okada Manila(オカダマニラ)
2. Solaire Resort & Casino(ソレアリゾート&カジノ)
3. City of Dreams Manila(シティオブドリームズ マニラ)
4. Resort World Manila(リゾートワールド マニラ)
以降、第5の統合型リゾートとカジノがPAGCOR のエンターテイメントシティ内に続々と建設される予定で、2024年以降もフィリピン・アミューズメント・ゲーミング・コーポレーション(PAGCOR)と、新しいカジノリゾートに関する新たなライセンス契約が締結されると発表されています。
(参照元:Eaquine https://www.esquiremag.ph/money/industry/hong-kong-company-building-new-integrated-resort-casino-manila-a00289-20230929)
大統領直属のカジノ会社:PAGCOR (Philippine Amusement and Gaming Corporation)について
フィリピンでは1977年にマルコス大統領により、カジノを国営化し、その収益も国が取得することを前提に、大統領直属の国営会社PAGCOR{ (Philippine Amusement and Gaming Corporation) フィリピン・アミューズメント・アンド・ゲーミング・コーポレーション}が設立されました。カジノ独占権を政府や大統領直々に運営することで、「非合法カジノ撤廃」や「国家予算の財源取得」などが可能となり、莫大な経済効果を生み出す政策で大きな成功を納めています。
PAGCORがもたらす経済効果は?
PAGCOR会長兼最高経営責任者(CEO)のアレハンドロ・テンコ氏は、2023年の総収益は 2,727 億 4,000 万ペソ(6818億4,000万円)に達すると予想しています。過去のデータによると、PAGCORは財務局への直接送金とその他の義務付けられた寄付を通じて、収益の 70% 近くを政府に直接寄付しており、国の発展に対する貢献は前年同期の152億3000万ペソ(380億7,000万円)と比較して226億2000万ペソ(565億5,000万円)に達したとされています。
その他にも、総額80億ペソ(200億円)が国民皆保険給付を支援するためにフィリピン健康保険公社に送金されました。そのうち政府が開始したさまざまな社会市民プログラムに36億1,000万ペソ(90億2,000万円)、フィリピンスポーツ委員会(PSC)に8億1,047万ペソ(20億2,000万円)、PAGCORのカジノ支店を有する都市には 2億 2,586 万ペソ(5億6,250万円)が割り当てられました。
この産出額よりPAGCORがもたらす経済効果が絶大なものであると理解できます。
(参照元:Manila Bulletin https://mb.com.ph/2023/7/19/pagcor-to-hit-pre-pandemic-income-this-year)
まとめ
現在PAGCORは、IRによる将来の成長と存続可能性を確保することを目的とし、純粋な規制機関への移行を進めています。会長兼最高経営責任者アレハンドロ・テンコ氏は、国営カジノの民営化計画は2025年以内に完了すると述べています。またカジノの規制・運営・ライセンス認可絵を通じて、フィリピン経済の更なる振興を担っていくとされています。今後のフィリピンIRビジネスにもより一層の注目が集まります。