イタリアで拡大するディスカウントスーパー市場

イタリア

イタリアでは近年、食品価格の上昇を背景にディスカウントスーパーの存在感が高まっています。食品小売市場におけるディスカウント業態のシェアは2024年に23.8%に達し、2010年からほぼ倍増しました。

日本では価格重視のイメージが強いディスカウントスーパーですが、イタリアでは品質や利便性も評価されています。北イタリアで暮らす筆者が現地で感じる人気の背景を紹介します。

イタリアで拡大するディスカウントスーパー市場

著者:イタリアgram fellow たなかさき
公開日:2026年09月02日

物価高を背景に成長するディスカウントスーパー

出典:https://www.lidl.it/c/punti-vendita-e-orari/s10019838

イタリアでも近年の物価高は家計に大きな影響を与えています。食品価格の上昇が続くなか、少しでも食費を抑えたいと考える家庭は少なくありません。

市場シェアの拡大からも分かるように、ディスカウントスーパーは今やイタリアの小売市場において欠かせない存在になっています。

幅広い世代に支持されるLidl

私が暮らすピエモンテ州周辺にも、LidlやPENNY、iN’sなど複数のディスカウントスーパーがあります。

友人からも「安いからよく利用する」という声を聞きます。店内は若者から高齢者まで多くの人で賑わっており、幅広い世代に利用されている印象です。

NielsenIQの調査によると、Lidl Italiaの市場シェアは2025年に6%へ到達しました。ディスカウントスーパーの成長を象徴する存在のひとつといえるでしょう。

Lidlは価格の安さで知られていますが、実際に利用してみるとその魅力は安さだけではありません。食品の品揃えが豊富で、日常生活に必要なものを一度で揃えやすいと感じます。

さらに特徴的なのは、食品以外の商品も販売していることです。園芸用品や収納用品、キッチングッズ、作業着、子ども向けのおもちゃなどが並ぶことも珍しくありません。スーパーでありながらホームセンターのような役割も果たしており、その利便性も支持される理由のひとつだと感じています。

「安いのにおいしい」と評判のPENNY

私の周りでは、PENNYを利用している友人も多いです。特に印象的だったのは、「安いのにおいしい」という声です。イタリア人の友人はPENNYの生ハムがお気に入りだと話していました。

イタリア人は食へのこだわりが強いことで知られています。私の夫もそのひとりで、料理が好きなだけでなく食材選びにもなかなか厳しいタイプです。

食材選びにこだわるイタリア人からこうした評価を聞くと、PENNYが価格だけでなく品質の面でも支持されていることが伝わってきます。

ディスカウントスーパーに求められるもの

同じディスカウントスーパーでも、店舗ごとに特徴は異なります。例えば、筆者が住んでいる地域にあるiN’sは比較的小規模な店舗です。少量の買い物を済ませたい人には便利ですが、私自身は品揃えがやや少ないと感じることもありました。

一方で、Lidlのように大型店舗で幅広い商品を扱うスーパーもあります。ディスカウントスーパーと一括りにされることが多いものの、実際には店舗ごとに特色があり、消費者は自分のニーズに合わせて利用しています。

変化するイタリア人の消費行動

美食の国として知られるイタリアですが、現地で暮らしていると消費者の価値観にも変化が見られます。

品質には妥協したくない一方で、家計への負担も抑えたい。その結果、価格と品質のバランスに優れたディスカウントスーパーが支持を集めているのです。

現地で暮らしていると、ディスカウントスーパーは安いからというだけで利用する場所ではなくなっているように感じます。価格と品質のバランスを重視する消費者の増加は、イタリア人の買い物事情の変化を映し出しているのかもしれません。

【参考】
◇GUIDA NIELSENIQ LARGO CONSUMO: LIDL RAGGIUNGE IL 6% DEL MERCATO GDO ITALIA – Lidl Italia:
https://corporate.lidl.it/media-center/comunicati-stampa/guida-nielseniq-largo-consumo-lidl-raggiunge-il-6-del-mercato-gdo-italia

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