日本式のお風呂が恋しい在米日本人

アメリカ

筆者の住んでいるワシントン州は、カナダ寄りのアメリカです。緯度が北海道よりも上にあるので、夏を除いて一年を通して比較的気温が低いです。日本にいる時は半身浴などをしながら長い時間お風呂に浸かる事が大好きだったので、こちらでの住まいを探す時も湯船があることが譲れない条件の一つでした。
そういうアメリカ在住日本人は多いと聞きますし、海沿いの州は日本人も割と多く住んでいるので、最近の新しい住宅では日本的な深い浴槽のお風呂もあります。筆者の家にも一つだけ日本式の深いお風呂を作ってもらいました。

大量消費の国アメリカ、他の製造物はどんどん作ってどんどん捨てるのですが、何故か建物だけは古くても住むという風潮があります。古いアパートメントや一軒家は、やはりお風呂無しでシャワーブースがあるだけ。あるいは、お風呂とは呼べない位の浅い受け皿的な何かがシャワールームに鎮座しています。

日本式のお風呂が恋しい在米日本人

    著者:シアトルgram fellow 土師 恵
公開日:2022年3月24日

アメリカのお風呂浅すぎ問題

海外在住日本人やその家族の方は勿論日本的なお風呂の存在を知っていますし、最近の健康ブームやスパブームで湯船に浸かった事があるアメリカ人も多いです。

アメリカ人は日本人よりも身長が高い方も体格が大きい方も多いのですが、バスタブはそれには比例せず、膝下位の深さしかありません。深さ30cm位です。筆者は身長170cm位なのですが、そのバスタブの中に座ると肩がしっかり出ます。このまま肩までお湯に浸かることは物理的に不可能なので、一生懸命寝そべります。これはアメリカの皆さんがバスタブを中に浸かる目的では置いておらず、シャワーを浴びる際、まわりに水がはねたり流れたりしない様にするための受け皿として使っているという用途の違いにあると思います。

アメリカ人にとって湯船に浸かる事は娯楽!?

まず第一に、日本以外の国は湯船に浸かる文化が全くないか、もしくは少ないです。しかも、毎日湯船に浸かることはしない人の方が多いかもしれません。ちょっとお金持ちのお友達の家に行くと、家の中ではなく、外に大きなプールの様なジャグジーがあって、バーベキューの時などみんなで水着着用で娯楽としてジャグジーに入ります。

湯船に浸かるという事が生活のルーティンに組み込まれてない人の方が多い印象です。
もし毎晩湯船に浸かるなら、バスタブを屋根のない庭には置かず、家の中に置きますよね?

それでも深い湯船に入りたい!

深い湯船に入りたいけど、家の構造との兼ね合いで工事は不可能、あるいは経済的に改築まではちょっと、というようなお風呂大好きな方にジワジワ人気なのがポータブルバスタブです。価格帯は60ドルから200ドル位のリーズナブルなものです。改築するよりだいぶコストが抑えられます。

これはかなり面白い商品で、テントの様に支柱で支える式のものや、ビニールプールの様に空気を入れるタイプのものと、プラスチックパネルの折り畳み式のものがあります。アメリカのバスルームは8畳位と広い場合が多いので、バスルームの床に置いたり、バスタブの中に入れて使ったりする方もいらっしゃるようです。また、庭に置いて使っていらっしゃる方もいるそうです。

支柱で支えるタイプ

折り畳みタイプ

空気入れタイプ

追い焚きや保温のシステムは夢のまた夢

筆者がアメリカで初めてお風呂に入った時、追い焚きや保温ボタンをバスルームで探しましたが見つかりませんでした。それもそのはず、この追い焚き・保温機能は日本の誇るべき技術で、海外ではほぼ見かけません。セレブの方のお家にはあるかもしれませんが、一般家庭では見た事がありません。アメリカではお風呂は1way(使い切り方式)です。つまり、一度入れたお風呂のお湯の温度はどんどん下がっていきます。お風呂に注ぐお湯も、熱すぎるお湯と水を自分で良い感じにブレンドし注ぎます。つまり、温度調節機能がありません。日本のお風呂だったら42℃と決めたら42℃のお湯が勝手に出てきてくれますよね?それがアメリカではありません。しかもお湯が大量には使えません。それにはアメリカの給湯システムとの兼ね合いもあると思います。日本とはかなり異なります。

アメリカでは、1.5mくらいの大きな円柱のタンクに予めお湯を作って貯めておくタイプが主流で、そのタンクの中のお湯がなくなれば、お湯を使いたくても水になってしまうシステムが未だに多いです。
ホームステイやシェアハウスなど複数人で住むお家で暮らしていた時の事です。よく「お湯残しておいてって言ったじゃない!」と喧嘩をするシーンを見かけました。たしかに、寒い北米でのぬるいシャワーは心地の良いものではありません。立て続けにシャワーを浴びた場合、最後の人は可哀想です。
日本の様に給湯器があっていつでも瞬時にお湯が出たり、いつまでも温かいお風呂を楽しめる保温や足し湯、追い焚き機能があったりするなんてことはありません。夢のまた夢です。

日本式のお風呂に改築する人も

ところが最近、なんと温度調整ができるお風呂をご自宅に導入した方がいて、ちょっと日本のお風呂の様でした。追い焚き、足し湯、保温機能はないのですが、予め温度を決めておいてボタンを押して蛇口を捻ればお風呂にお湯を注ぐことができます。そしてひとしきりお湯を張ったら勝手に止まってくれるというものです。日本みたい!!と感激しました(笑)。
そしてその給湯器は、なんと日本のリンナイ製でした。日本の給湯器メーカーは世界でも存在感があり、このリンナイは世界で46.7%のシェアを誇っていますし、パロマはなんと世界で80%のシェアを占めており、アメリカでは50%のシェアを持っています。

シャワーでも癒されたい

バスタブにお湯を張って入浴剤をいれて楽しみたい、が叶うのがポーダブルバスタブですが、バスタブがないお家でもシャワーで手っ取り早く芳香浴を楽しめる商品もあります。シャワータブレットと呼ばれるもので、小さなバブとイメージしてみてください。シャワーを浴びる際にバスボムの様なものを足元に置き、シャワーのお湯がかかって溶けて、良い匂いがして癒されるというものです。

まとめ

北米の浴室付属品の市場規模は、2021年から2027年にかけて、7.8%の成長が予想されています。
同市場の成長を後押しする主な要因には、アメリカでのスマートホームのトレンドの増加によるスマートバスルームの採用、新型コロナウイルスの影響による人々の衛生意識の高まりなどが挙げられます。

この記事が御社のビジネスのヒントになりましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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