オーストラリアの市場を席巻!「ストロングゼロ」

オーストラリア

日本で人気のストロング系チューハイ「サントリー ストロングゼロ」。リカーショップではビールとワインが売場の多くを占めるオーストラリアで、今「ストロングゼロ」のオーストラリア版「-196」が堂々陳列されています。2021年5月の発売開始以来、同ジャンル商品の中で過去5年間の販売本数第1位と驚異的な売上を見せています。市場の状況とサントリー「196℃ ストロングゼロ」の人気の理由を見ていきましょう。

オーストラリアの市場を席巻!「ストロングゼロ」

   著者:オーストラリアgramフェロー 平澤 歩
公開日:2023年1月16日

世界で拡大するRTD市場

-196℃ DOUBLE LEMON(ダブルレモン)SUNBTORY

缶チューハイや缶カクテル、ハイボール缶などそのまますぐ飲めるアルコール飲料を指す「RTD(Ready to Drinkの略)」。世界のRTD市場は数年前から毎年約20%ずつ成長し続けており、2030年には2020年比で約2倍の市場規模に拡大すると予測されています。

オーストラリアのRTD市場も例にもれず、現在ではアメリカ・日本に次ぐ世界第3位のRTDの成長市場となっています。

市場が盛り上がりを見せる中、サントリーは2021年5月「-196 ダブルレモン味」をオーストラリアの一部リカーショップで販売開始。限られた店舗数での販売であったにもかかわらず、過去5年間のRTD商品の販売本数第1位を収める快挙となりました。その反響を受けて2022年10月にはダブルグレープ味を発売。また、販売店舗もオーストラリア全国の主要なリカーショップに拡大しました。この頃、「-196」のラッピングトラムが街中を走っていたり、バス停の待合室に広告が出ていたりと、かなり大々的にプロモーションされているのを見かけました。

オーストラリアで人気の理由

オーストラリア国内でRTD市場が拡大する中で、高アルコールRTD飲料のニーズが高まっています。加えて元々、オーストラリア人をはじめ、訪日した外国人観光客から「ストロングゼロ」は「アルコール9%と強めの度数で手軽に酔えるうえ、1缶100~200円と安い!」と人気を博していたこともあり、発売直後からオーストラリアのRTD市場を席巻することとなったのです(なお、オーストラリアで販売されている「-196」は、肝臓への負担を考慮し、アルコール6%となっています)。

低カロリーで健康的

また、日本では「高アルコールで中毒性がある」と、健康的なイメージは抱かれていませんが、オーストラリアでは「糖質0gでカロリーも1缶112kcalと低い」と、健康を気にしつつもお酒を飲みたい人々から支持を得ています。オーストラリア人はビールの年間消費量が日本人の約2倍、昼から大きめのグラスでビールを飲む人も多いので、糖質・プリン体・カロリーなどを気にしつつも、お酒を飲みたい人にウケているのかもしれません。

お酒の嗜好性にマッチした

現代のオーストラリア人のお酒の嗜好性にマッチし、成功を収めている「-196」。今、日本からオーストラリアへのお酒の輸出は急拡大しており、日本酒のみならず、「ストロングゼロ」のようなRTD飲料、焼酎なども注目を集めています。お酒の嗜好性が多様化しているオーストラリアを引き続き注視することで、日本産のお酒の販路拡大を図ることができるかもしれません。

引用

◇サントリーホールディングス株式会社:
https://www.suntory.co.jp/recruit/fresh/project/rtd/
◇FOOD & BEVERAGE INDUSTRY NEWS:
https://www.foodmag.com.au/minus-196-doubles-down-in-australia-with-new-flavour/

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