フィリピンで最も評価の高いデジタル銀行「MariBank」とは?

フィリピン

今回は、フィリピン人の金融ライフを支える電子決済アプリGCashに並んで、フィリピンのデジタル金融シーンで急速に存在感を高めているMariBankを取り上げます。2026年4月に発表されたForbes「World’s Best Banks 2026」において、フィリピン国内第1位を獲得したMariBank。その人気の秘密と、ビジネスへの活用可能性についてご紹介いたします。

フィリピンで最も評価の高いデジタル銀行「MariBank」とは?

   著者:フィリピンgramフェロー たこ坊
公開日:2026年 07月13日

MariBankとは?

MariBankは、東南アジア最大のEコマースプラットフォームShopeeを運営するSea Limitedを親会社とするデジタルバンクです。もともとはSeaBank Philippinesとして展開していましたが、2025年4月にバンコ・セントラル・ング・ピリピナス(BSP)の承認を経て正式にMariBank Philippines, Inc.へと改称されました。

その歴史を辿ると、1965年創業のBanco Laguna, Inc.(ルーラルバンク)を前身とし、Sea Limitedによる買収・再編を経て現在の姿に至っています。BSPの監督下にある正規の農村銀行であり、預金はPDIC(フィリピン預金保険公社)により1預金者あたり最大100万ペソ(約280万円)まで保護される安心感も大きな特徴です。

2026年5月現在、600万人以上のフィリピン人が利用しており、Shopeeのアカウントと連携して口座開設ができる手軽さから、特に若年層を中心に急速にユーザー数を拡大しています。

(引用元:MariBank公式サイト
https://www.maribank.ph/

(引用元:Shopee PH ヘルプセンター │ What is MariBank?
https://help.shopee.ph/4/article/89824-[MariBank]-What-is-MariBank

(引用元:NoypiGeeks │ SeaBank officially renamed to MariBank Philippines
https://www.noypigeeks.com/?p=253349

Forbes「フィリピン第1位」の銀行になった理由

2026年4月、Forbes誌とStatista社が54,000人以上を対象に実施したグローバル調査「World’s Best Banks 2026」において、MariBankはフィリピン国内の全銀行中1位を獲得しました。同ランキングでは信頼性、デジタルサービス、カスタマーサービス、利用規約・条件、金融アドバイスの質の5項目が評価基準とされており、MariBankはデジタル利便性と信頼性の両立が高く評価されました。

上位5行のうち3行がデジタルバンク(MariBank、GoTyme、Maya)という結果は、フィリピン消費者の銀行選びが物理的な店舗からスマートフォンの使いやすさへと急速に移行していることを示しています。フィリピンでは銀行口座保有率が成人の56%程度にとどまっており、口座維持費を用意できないという背景があります。そうした中で「口座維持費ゼロ・最低預金額ゼロ」を掲げるMariBankは、まさに誰でも使える銀行として多くのフィリピン人の心を掴んでいます。

(引用元:Philstar.com │ Digital banks dominate Forbes’ best Philippines banks
https://www.philstar.com/business/2026/04/17/2521436/digital-banks-dominate-forbes-best-philippines-banks

(引用元:Manila Bulletin │ Digital banks top Forbes ranking, but giants still most trusted
https://mb.com.ph/2026/04/17/digital-banks-top-forbes-ranking-but-giants-still-most-trusted

(引用元:IBS Intelligence │ Digital banks lead Philippines in Forbes 2026 rankings
https://ibsintelligence.com/ibsi-news/digital-banks-lead-philippines-in-forbes-2026-rankings/

MariBankの主な機能・特徴

MariBankが多くのフィリピン人に選ばれる理由は、使い勝手の良さと手厚いメリットにあります。主な機能をご紹介します。

高金利の普通預金(毎日利息が付く)
年利3.25%(残高100万ペソ以下)〜3.75%(100万ペソ超)の利息が毎日深夜に口座へ付与されます。日本のメガバンクの普通預金金利が0.001%程度であることと比較すると、その差は歴然です。ロックアップ期間なし・手数料なしで、いつでも引き出せる流動性の高さも魅力です。

無料送金(InstaPay・PESONet)
毎週15回まで他行への送金が無料(16回目以降は1回15ペソの手数料が発生、毎週月曜日にリセット)。フィリピンでは家族への仕送り(送金)が日常的な文化であり、送金手数料が無料という点は特に地方出身者や海外在住フィリピン人にとって大変重宝されています。

デビットカード(番号なしカード)
Mastercardブランドのデビットカードを発行可能で、海外の実店舗でのカード決済手数料が0%(ただし海外オンライン取引には2025年3月以降2%の手数料が適用)。カード番号が券面に印字されない「ナンバーレスカード」を採用しており、スキミング対策としてセキュリティ面でも優れています。海外ATMでの引き出し手数料もMariBank側は無料です。(※現地ATM側の手数料は別途発生する場合あり)

Shopeeとの連携
Shopeeのアカウントを使って5分で口座開設が可能。Shopeeでの買い物の支払いにMariBank残高を使ったり、専用キャッシュバック特典を受けたりできます。フィリピンでShopeeは最もよく使われるEコマースプラットフォームのひとつであり、すでにShopeeユーザーであるフィリピン人にとって口座開設のハードルが非常に低い点が強みとなっています。

(引用元:The Investing Engineer │ 7 Best High-Interest Digital Banks in the Philippines 2026
https://investingengineer.com/7-best-high-interest-digital-banks-in-the-philippines-2026-earn-4-6-on-your-money-proven-rankings/

GCashとMariBankの違い

GCashとMariBankは、どちらもスマートフォン完結の金融サービスですが、性質が異なります。GCashはQRコード決済・送金・ローン・投資など電子ウォレットとしての側面が強く、フィリピンでは公共料金の支払いやコンビニ代わりのサリサリストアでも使える圧倒的な普及率を誇ります。

一方のMariBankは正規の銀行口座として高金利の預金が魅力です。PDIC保護額が最大100万ペソと手厚いことも、資産を貯めたいユーザーに選ばれている理由の一つです。日常の決済はGCash、貯金はMariBankという使い分けをしているフィリピン人も多く、両者は競合というよりも補完関係にあるとも言えます。

(引用元:Philstar.com │ Filipino adults with bank accounts jump to 56%
https://www.philstar.com/business/2022/08/24/2204606/filipino-adults-bank-accounts-jump-56

ビジネスへの活用可能性

フィリピン市場への参入・展開を検討している企業にとって、MariBankの存在は無視できません。特に注目すべきは、MariBankがShopeeと一体化しているという点です。フィリピン国内のShopeeユーザー基盤はそのままMariBankの潜在ユーザー基盤でもあり、Shopeeへの出店やShopee広告の活用がMariBank経由の購買促進にも繋がる可能性があります。

また、フィリピン在住日本人や日系企業は、MariBank口座を通じた現地送金・資金管理の選択肢としても活用できます。口座維持費ゼロ・毎日利息が付くという特性は、フィリピンで給与を受け取るビジネスパーソン、現地スタッフへの給与支払いを効率化したい企業にとっても有益な手段となり得ます。

(引用元:Agrixion hives │ MariBank Rises as SeaBank Philippines Rebrands to MariBank Philippines, Inc.
https://www.farmerofgod.com/2025/10/maribank-rises-as-seabank-philippines.html

まとめ

Shopeeという強力なプラットフォームを背景に、手数料ゼロ・高金利・毎日利息という使いやすさで急成長を遂げるMariBank。Forbesフィリピン第1位という評価はその信頼性の証明とも言えます。銀行口座の普及率が低いフィリピンにおいて、スマートフォンひとつで手軽に口座開設ができるデジタルバンクの台頭は、今後のフィリピン金融市場を大きく塗り替えていくことでしょう。

GCashとともにMariBankへの対応を検討しておくことで、増加するフィリピン人ユーザーへのリーチ拡大が期待できます。フィリピン市場への参入を考えている方は、こうしたデジタル金融インフラの変化にもアンテナを張っておくことをお勧めします。

今回ご紹介した情報が何かのご参考になりましたら幸いです。

たこ坊

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フィリピン在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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