日本食材の需要が拡大中|スペイン

日本食ブームの継続と健康志向・異文化料理への関心の高まりを背景に、スペインで日本野菜や日本食材の需要が着実に拡大している。ミシュラン掲載店のような高級レストランだけでなく、地元のバルやカフェでも、紫蘇、枝豆、味噌、根菜類などの日本食材を使った和×地中海のフュージョン料理などが増えつつある。実際に生活する中でも、数年前には見かけなかった日本食材を使ったメニューが日常的に目に留まるようになり、その広がりを肌で感じる場面が増えた。
実際、小売市場でも変化が進んでおり、従来はアジア系スーパーに限られていた味噌、海苔、ワカメ、しめじやひらたけなどのキノコ類、梅加工品などが、一般スーパーや健康志向スーパーでも取り扱われるようになってきた。
本記事では、こうしたスペインでの日本食材の浸透がどのように進んでいるのか、その背景と市場の実態をお伝えする。
日本食材の需要が拡大中|スペイン
著者:スペインgramフェロー 北田ミヤ
公開日:2026年06月19日
外食産業が日本食材普及のきっかけに
スペインにおける日本の野菜をはじめとする和食材の普及は、外食産業から始まったと考えられる。日本食レストランはスペイン人の間でも人気が高く、JETROマドリード事務所が 2023 年に行った市場説明では、国内の日本食レストランの数は約940 店と推計されている。一方で、寿司を提供する多国籍店やデリバリー専業のバーチャル店舗まで含めると、2026年時点で4,000店近くに達するというデータもあり、日本食の存在感が外食市場全体に広がっていることがうかがえる。また、スペイン人の45%が「月に 1 回以上寿司を食べる」と回答した調査結果もあり、日本食はすでに“ブーム”を超えて日常的な選択肢として定着しつつある。
こうした日本食人気を背景に、創作系レストランやホテル内の高級レストランでも、日本の野菜や調味料が新しい食材として積極的に取り入れられている。特に食の専門性や革新性を追求するガストロノミーの世界では、日本の食材や技法への関心が高く、スペイン最大級の料理学会マドリード・フュージョンでも、ワサビ、ユズ、黒ニンニクなどの日本食材が早くから注目されてきた。3 年前には、スペインのパティシエ Noelia Tomoshige が、すだちを使ったデザート “Furusato” を発表し、新人パティシエ賞を受賞している。
このように、外食産業が日本食材の魅力をスペイン人に伝える“入口”となり、そこから一般家庭や小売市場へと需要が広がっていったと考えられる。


幅広い用途で活用
日本の野菜や食材は日本料理の枠を超え、スペイン料理やフュージョン料理の一部としても使われはじめている。香り、食感、見た目といった特徴が評価され、肉料理・前菜・ベジタリアンメニューなど幅広い用途で活用されている点が特徴的だ。
特に、紫蘇や柚子、味噌、黒ニンニクといった日本由来の食材は、スペインのシェフたちにとって“料理のアクセントを生む素材”として注目されている。例えば、紫蘇はサラダや魚介のカルパッチョに爽やかな香りを添えるために使われ、味噌は肉料理のマリネやソースに深みを与える調味料として採用されるケースが増えているという。先日は地元のカフェで味噌のサンドイッチなるものを美味しくいただいたが、日本人とはまた違った視点での活用方法も非常に興味深い。枝豆や大根、かぼちゃなどの日本野菜は、ベジタリアンや健康志向のメニューに自然に組み込まれ、スペインの食文化の中に溶け込みつつあるようだ。
最近ではユズを使ったデザートや、飲み物、ソースなども頻繁に目にする。日本食材はスペインの料理シーンにおいて、味・香り・見た目の三拍子で評価され、用途の幅を広げながら確実に存在感を高めている。


一般消費への普及
日本食材の多くは低カロリー・高栄養・植物性中心という特徴を持ち、スペインで高まるヘルシー志向やナチュラル志向と非常に相性が良い。こうした背景から、まず外食で日本食材に触れたスペイン人が、家庭でも同じ食材を使いたいと考えるようになり、家庭内での日本食材需要が拡大している。GlobalDataの調査によると、スペインでは日本食レストランが全レストランの約6%を占めるまでに増加しており、寿司や和風メニューを通じて日本食材に触れる機会が急速に広がっている。このような外食体験が、一般消費者の味噌・海苔・ワカメ・枝豆・きのこ類などの購入拡大につながっていると考えられる。
さらに、バルセロナやマドリードの日本食材店 TOKYO-YAでは、JETROのインタビューで「顧客の約9割がスペイン人」と語られており、日本食材が一般消費者に広く浸透していることがわかる。一般的なスーパーでも“アジア食材コーナー”が拡大しており、これは家庭料理として日本食材を取り入れる人が増えていることの裏付けといえるだろう。



まとめ
スペインにおける日本食材市場は、まずレストランを通じて認知が広がり、その後一般消費へと波及する形で成長してきた。今後は現地生産や流通体制の整備が進むことで、日本食材がより身近で一般的な食材として定着していく可能性が高い。現地在住の日本人の間でもこの流れは大歓迎されており、「みょうが、三つ葉や山椒なども手に入るようになれば」という声も少なくない。かつては“エキゾチックなアジア食材”と捉えられていた日本食材が、今後は“選ばれる食材”としてさらに普及していくことが期待される。
【参考】
◇List of Japanese restaurants in Spain in 2026:
https://www.poidata.io/report/japanese-restaurant/spain
◇Japanese cuisine menu analysis: Latest Market Share & Price Trends,Madrid Fusión, with record numbers and a Japanese touch – CEJE:
https://www.verdictfoodservice.com/data-insights/japanese-cuisine-price-trends-spain/?utm_source=copilot.com
◇Sushi: trucos, consejos y recetas sobre la comida que ha cautivado el mundo:
https://www.lavanguardia.com/comer/20210718/7605849/sushi-trucos-recetas-consejos-comida-cautivado-paladar-mundo-entero-esi.html
◇Alimentacion japonesa, productos de japon – TOKYO-YA – Líder en Alimentación Japonesa al por Mayor y Menor:
https://www.tokyo-ya.es/
◇Fruta Fresca:
https://www.yuzu.es/fresh-fruit
◇Recetas japonesas, platos de una gastronomía única – ALDI:
https://www.aldi.es/inspirate/ideas/recetas-japonesas-platos-gastronomia-unica.html
◇Buy Fresh Green Shiso Leaves Online – Frutas Charito Madrid ™:
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◇TOKYO-YA(マドリード/スペイン):丁寧な活動で市場拡大を続けるスペイン大手の小売店 | 日本産食材サポーター店インタビュー – 海外における日本産食材サポーター店認定制度 – 農林水産物・食品の輸出支援ポータル – ジェトロ:
https://www.jetro.go.jp/agriportal/supporter/interview/tokyo-ya.html?utm_source=copilot.com























