中国でインスタントラーメン離れ 人気が高まっている「代餐(置き換え食品)」とは

中国

中国では、経済の急成長に伴う食生活の変化が1つの要因となり、肥満人口の割合が増加。中国居民营养与慢性病状况報告(2020年)によると、成人の肥満の割合は50%を超え、6〜17歳の世代は20%近く、 6歳未満の子どもは10%に達した。
健康志向の関心の高まりから、中国ではインスタントラーメン離れが進んでいる。そして、「代餐(置き換え食品)」が数年前から大ブームとなっている。
ここでは、今もなお市場を拡大している「代餐」についてご紹介する。

中国でインスタントラーメン離れ 人気が高まっている「代餐(置き換え食品)」とは

   著者:上海gramフェロー 米久 熊代
公開日:2022年4月15日

インスタントラーメン大国の中国で今起きていること

筆者の住んでいる上海市では、コロナ感染者が急速に増加したことにより、3月28日より事実上のロックダウンとなった。
突然の封鎖の知らせでスーパーの外まで長蛇の列。やっと中に入れたと思っても、スーパーの中は我先にと食材を買い求める人で溢れかえり、出遅れると野菜は1つも残っていない。やっとの思いで食材を手に入れ、レジへ並ぶと会計をするまで2時間待ちの状態であった。

レジを待つ行列。上海市の日系スーパーAPITAにて


上海市民は5日間の隔離、場合によってはそれ以上隔離される。筆者の住んでいるマンションではプラス7日間の隔離が決定となり、その間は原則として部屋から一歩も出ることができないため、日持ちのする非常食がマストだ。長期保存が可能で、手軽に食べられる物と言えばインスタントラーメンを思い浮かべる日本人は多いのではないだろうか。中国でも野菜や肉コーナーほどの混乱はなかったが、隔離生活に欠かせない物の1つとしてインスタントラーメンを買い物カゴに入れている人は多い印象だった。

実際、中国はインスタントラーメン大国と言われ、年間で約463億食(日本の7倍以上)が消費されている
(引用:エンタメウィーク https://ent.smt.docomo.ne.jp/article/13005976 )。

中国のSNSで「神仙泡面」や「泡面神仙吃法」と検索すると、日本でお馴染みのインスタントラーメンが神ラーメンとして紹介されているなど、ラーメン好きの中国人は多い。

(出典:小红书 https://www.xiaohongshu.com/mobile/question/805142

しかし今、中国ではテイクアウト事業が拡大したことや、冒頭でも書いた通り健康志向の高い人が増加したことなどが要因となり、若者のインスタントラーメン離れが進んでいる。

2021年の中間業績報告によると、中国国内大手の康師傅(Tingyi)のインスタントラーメンの収益は前年比で14.6%減少。同じく大手である統一企業の食品事業の収益は前年比で5億元(約92億6440万円)近く減少した
(引用:CNS https://www.afpbb.com/articles/-/3394947 )。

そして中国では、数年前から若者を中心に「代餐」の人気が高まっており、現在もなお市場は拡大中である。

中国の若者に人気の「代餐」

「代餐」とは、食事の代わりに食べたり飲んだりする「置き換え食品」のこと。アリババグループが運営する中国最大のECサイト「淘宝」や小売り(B2C)ECサイト「天猫」で「代餐」と検索すると、低カロリーのパンや麺、飲み物、スティックタイプのお菓子のような物など、代餐(置き換え食品)の形は様々である。

(出典:淘宝 https://world.taobao.com/

2020年の中国の代餐市場規模は472億6,000万元に達し、2021年は924.3億元、2022年には1200億元まで成長すると予測されている。
(引用①:21财经 https://m.21jingji.com/article/20210326/herald/aaeeb9a596005cfc8155f0bc52f35209.html
引用②:广州进口食品展 http://www.food2chinaexpo.com/Industrynews/765.html

なぜこんなにも「代餐」が人気となったのか、その理由は2つある。
1.健康的な食事の需要が高まった
代餐食品が世間に出る前から中国にはダイエットミールのようなものが存在したが、決して美味しい物ではなく、空腹を満たせるものでもなかった。しかし、最近の代餐(置き換え食品)は低カロリーなだけではなく、味と栄養バランスの問題も昔と比べて大幅に改善され、徐々に若者のニーズに応えることができ、需要が高まった。

2.利便性とスピード
中国では996(午前9~午後9時、週6日勤務)の労働者が増加。残業や運動不足が気になっていても、普段食べている食事を低カロリーな代餐(置き換え食品)にすることで罪悪感が減り、作る手間と時間をも節約することができる。手軽に栄養補給ができて低カロリーである代餐(置き換え食品)は、忙しい現代人には最適な食事方法なのだ(引用:新浪网 http://finance.sina.com.cn/tech/csj/2021-01-03/doc-iiznctke9894235.shtml )。

中国市場を牽引しつつあるZ世代と言われる若者たちの美意識が高まっており、特にダイエットをすることで得られる健康や痩身に注目が集まっている。現地のネットニュースでは低脂肪、低カロリー、満腹感を強く得られる、この3つのキーワードを兼ね備えた食品が、消費者から高く評価されているということは既に述べた通りである。

まとめ

「代餐(置き換え食品)」は体を鍛えてタンパク質を欲する人たちや、ダイエットをする若者、時間がない忙しい現代人や、栄養バランスを考えた食事を好む健康志向の人たちなど幅広い層を網羅することのできる市場と言えるかもしれない。
代餐市場は拡大しているが、信憑性の低い誤った宣伝は依然として存在し、消費者を混乱させている。
根拠のある安全性は業界の課題として今後も続くと予測する。

 

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