シンガポール、世界競争力ランキングで2年ぶり首位に

6月18日、スイスの国際経営開発研究所(IMD)が、2026年版の世界競争力ランキングを発表しました。70の国と地域を対象としたこの調査で、シンガポールが2年ぶりに1位に戻りました。2024年に1位、2025年に2位でしたから、ちょうど1年での返り咲きです。
今回の記事では、あらためてシンガポールの「強み」について見直してみようと思います。
(引用元:Singapore regains top spot in 2026 IMD World Competitiveness Ranking | The Star
https://www.thestar.com.my/aseanplus/aseanplus-news/2026/06/18/singapore-regains-top-spot-in-2026-imd-world-competitiveness-ranking)
シンガポール、世界競争力ランキングで2年ぶり首位に
著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon
公開日:2026年 09月18日
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「1位」と聞いて、私が思い出したこと

私はシンガポールに12年住んでいました。ですから見出しの「1位」という文字を見たとき、頭に浮かんだのは統計の数字ではなく、あの街の空気のほうでした。
着いたのは1990年代の終わりです。チャンギ空港を出た瞬間、湿った熱気が体にまとわりついてきたのに、街のほうはやけに整っている。その落差を今でも覚えています。信号は守られ、地下鉄は時刻表どおりに来ました。役所の窓口で書類が一度で通ったとき、隣にいた同僚が「ここではこれが普通だよ」と笑っていました。あのときは大げさだなと思ったのですが、今になると、あの「普通」の積み重ねこそがランキングの中身なのだろうと思います。
評価されたのは「効率」でした
今回の躍進をけん引したのは、ビジネスの効率性でした。経済の動き、政府の働き、インフラ。残りの三つも高い水準でそろっていて、どこか一つが突き抜けているというより、全体がきれいにそろっている。それがこの国らしさだと感じます。
決めると早い国
IMDは、機敏な経済はこんなに早く勢いを取り戻せるのか、という言い方でこの結果を評していました。私はこの部分を読んで、思わずうなずいてしまいました。
シンガポールにいたころ、ある朝、職場のビルの一階に新しい食堂街ができていたことがあります。ずっと空き店舗だと思っていた区画が、数週間のうちに人の流れまで変えてしまった。また、街の一方通行が、ある日突然逆方向になっていたりしたこともありました。決めてから動くまでが、とにかく早いのです。走りながら直していくようなところが、シンガポールにはありました。
隣の国から眺めてみると
私はそのあとマレーシアに移って、もう15年以上になります。橋一本でつながった隣から眺めると、二つの国の性格の違いがよく見えてきます。シンガポールが効率と速さで前に進む国だとすれば、マレーシアは多様さとおおらかさで包み込む国です。どちらが上という話ではなくて、ただ性格が違うのだと思います。
それから、シンガポールの強さを支えているのはやはり「人」だということも、書いておきたいのです。私が日本語を教えていた現地のスタッフたちは、英語も中国語もマレー語も自在に使い分けながら、そのうえ日本語まで覚えようとしていました。いくつもの言葉のあいだを行き来できる柔らかい頭こそ、この国の競争力のもとだったのだと、今になって実感しています。
では、日本は
同じランキングで、日本は30位でした。前年の35位から五つ上げて、2019年以来の位置に戻っています。回復のきざしではあるのでしょう。ただ、企業の生産性や動きの速さといったところは、相変わらず課題として残っているようです。
順位の上下に一喜一憂することもないと思います。それでも海の外から日本を見ていると、「決めるまでに時間がかかる」という一点が、競争力という言葉と背中合わせになっているように感じることがあります。
シンガポール独特の強み
シンガポールが1位に戻ったのは、規模でも資源でもなく、立ち止まらずに動き続けるその身軽さのおかげだったのだろうと思います。30年アジアで暮らしてきた者として、この小さな島国の身のこなしには、今でも教えられることがたくさんあります。隣の国の活気を肌で感じながら、私はそんなことを考えています。






















