ビジネスでは絶対に外せない:米国のミレニアル世代とZ世代の特徴

アメリカ

米国のミレニアル世代とZ世代の特徴には、いくつかの共通点があります。環境に優しくサステナブルで、オーガニックやナチュラルで健康に良いもの、環境に良いものを好みます。人権や多様性を尊重すること、クリーンであることを企業に望んでいます。
これからの海外ビジネスにおいて、おざなりにできないミレニアル世代とZ世代の特徴を今回は、解説いたします。

ビジネスでは絶対に外せない:米国のミレニアル世代とZ世代の特徴

    著者:シアトルgram fellow 土師 恵
公開日:2022年5月9日

ミレニアル世代とは?

前回は、Z世代にフォーカスして書いたので、Z世代がどういったものかはそちらの記事を読んでいただけたらと思います。(これから市場を動かすのはスマホ世代のZ世代!米国Z世代の生活スタイル、購買行動の傾向と対策 https://global-biz.net/n_america/usa/genz-2022/
今回はミレニアル世代をちょっと詳しく見ていきましょう。

米国では、ミレニアル世代は色々な定義がある

ロイターや米国労働統計局などの信用できるソースや多くのアメリカの文献では、1981年〜1996年の間に生まれた人達と定義されています。
この定義でいくと、2022年現在、下は26歳から、上は41歳までの人がミレニアル世代に該当します。
人口はベビーブーマー世代(1946 年〜1964年生まれ)を抜きました。
労働力人口に占める割合も最大です。
ミレニアル世代の労働力人口比率は現在35%で2030年までに175%に達すると予想されています。
教育水準が最も高い年齢層でもあります。
大学卒業以上の学歴比率は上の世代と比較しても格段に高いです。
さらに、ミレニアル世代は莫大な資産をベビーブーマー世代以上の親から相続すると予想されています。
あるデータでは2030年までにアメリカ全体で約68兆円もの相続があるといわれています。

つまり、ミレニアル世代は、その人口規模、労働力、高い教育水準、巨額な相続資産により、今後長年にわたりアメリカ経済の中心に存在しうる世代なのです。

ミレニアル世代とZ世代の共通点と相違点

ミレニアル世代とZ世代は、購買行動に関して、お金に関して、仕事に関して、テクノロジーに関して、多くの共通点を持っています。今回は購買行動に関してを見ていきましょう。
Z世代は成長し続けているとはいえ、多くのメンバーはまだかなり若いです。
ミレニアル世代は当たり前ですが現在も経済の真ん中にいます。
この2つの世代は共にデジタルに慣れ親しんだ世代です。
これらの世代間の違いは、来年や再来年のような近い未来には見られないかもしれません。
ただ、ソーシャルメディアがZ世代の考えや行動のベースをつくり続けるにつれて、ミレニアル世代との違いは拡大していく可能性があります。

アメリカで出されているデータをいくつか紹介します。

Z世代の71%、ミレニアル世代の76%がナチュラルまたはオーガニックの材料や素材が重要と答えています。

Z世代の72%、ミレニアル世代の78%がリサイクルをサポートする製品の購入を重要視していると答えています。

Z世代の79%、ミレニアル世代の80%が製品には健康とウェルネスへ利点があることが重要であると答えています。

Z世代の75%、ミレニアル世代の81%が「クリーンな」製品の購入が重要であると答えています。

※「クリーン」にはサステナブルや環境に優しいもの、
その会社の信念が人道的に支持できるなど色々な意味を含んでいるようです

Z世代の33%、ミレニアル世代の31%が、仮想プライベートネットワーク(VPN)を使用していると答えています。

Z世代の53%、ミレニアル世代の66%がカスタマーエクスペリエンスの基準がこれまでになく高くなっていると答えています。

つまり、ミレニアル世代もZ世代もオーガニックや自然なものを好み、環境に優しいものやサステナブルなものを支持し、健康やウェルネスに効果のあるものを望み、その商品を販売している会社自体にもクリーンさを求めています。

仮想空間のネットワークも両世代ともにあるようです。
ミレニアル世代はやはり自由に使えるお金が沢山あるので、値段が高くても品質の良いものを購入するでしょうし、Z世代は商品選定の目がシビアです。
この両世代は購入した製品の品質はもちろんのこと、使い勝手、それを使って生活がどう変わるか、またそれを買った時の店員さんのホスピタリティはどうだったか、オンラインで買ったとすればそのサイトは使いやすかったかなど、おのずとカスタマーエクスペリエンスの基準も高くなるのでしょう。

少し意外な意見も

Z世代の55%が実店舗でホリデーショッピングを計画していると答えたのに対し、ミレニアル世代の32%は携帯電話でホリデーショッピングを計画していると答えました。

アメリカではZ世代はスマホ世代でありますが、Brick-and-mortar shoppingと呼ばれる実地店での買い物もするようです。
それは特に新しいものを買う時や上記のようなホリデーショッピングの時です。
アメリカではホリデーはサンクスギビングからクリスマスまで、11月の後半から12月の後半辺りを指します。
確かにこの時期は驚くような割引がどのお店でもあり、筆者もアメリカに来たのが丁度ホリデーショッピングの時期で、80インチのソニーのテレビを999ドルで買えたのは衝撃的な経験でした。
そしてZ世代は実地店にもお得を望んでいて、お店にはサンプル(試供品)や何かしらのリワード(オマケ)があることを望んでいるそうです。

まとめ

Z世代の6,700万人のメンバーは、今後数年間、アメリカの文化、経済、社会を再形成し続けるでしょう。この世代は、前の世代よりも人種的に多様で、しかも多くの人が高いレベルの教育を受けており、ソーシャルメディアを使ったハイパーコネクションにより、アイデアを世代間で容易に広めることができます。
Z世代へのマーケティングを検討している企業様やブランド様は、彼らの信念、興味、欲求を鋭敏に認識する必要があります。
幸いなことに、彼らの購買行動や購買の動機は、今の経済の中核となっているミレニアル世代と現時点ではそんなに変わらないようです。
環境に優しくサステナブルで、オーガニックやナチュラルで健康に良いもの、環境に良いものを好みます。
人権や多様性を尊重すること、クリーンであることを企業に望んでいます。
この記事が御社のアメリカビジネスにとって少しでもお役に立てたら幸いです。

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