海外マーケティング 匠への道 vol.7 (DL資料)

ビジネスコラム

2020年は、みなさまが当初思い描いていたものとは全く違う展開で進んでいるかと思います。近年日本で著しい伸びを見せていた訪日外国人に関わる事業では、特にギャップが大きいと思われます。
2018、2019年と2年連続で訪日外国人は3000万人を超え、東京オリンピックの開催が予定されていたこともあって、初の訪日外国人4000万人超えが期待されておりました。しかし現実は、期待から大きく異なる展開をします。

今こそ、地方の魅力を海外へ

著者:gramマネージャー 坂井 聡佑 
公開日:2020年11月18日

激減した訪日外国人需要

2020年2月頃より、新型コロナウイルスが世界中で蔓延し、人々の移動が制限されてきました。その結果、2020年4月以降は訪日外国人数が前年同月比で99%以上減るという異常事態に陥りました。
当然ながら、訪日外国人需要の恩恵を受けてきた業界、企業・組織は大きな打撃を受けます。その中の1つに地方自治体があります。
地方自治体では、地域内の人口減少を発端とする社会課題が以前から散見されており、その解決策として、訪日外国人を活用した施策は重要なカギとなっておりました。頼みの綱であった訪日外国人の減少は、地方自治体に重くのしかかり、収益減という形で窮状が露骨に現れ始めました。

地方自治体の新たな収益源の確保は急務

政府も訪日外国人激減による地方自治体の収益減に危機感を持っており、新型コロナウイルス感染症対策の臨時交付金を合計で3兆円投入しました。

リンク:新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(内閣府地方創生推進事務局)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/rinjikoufukin/index.html

この臨時交付金の活用事例は100以上に及び、医療面のサポートから経済面に至るまで多岐にわたる項目をカバーしています。その中の1つに「食品産業等の輸出力強化事業」があります。この事業は、食品をグローバルに輸出することで収益を上げ、訪日外国人減少による損失分を穴埋めしようという取り組みです。アウトバウンドで食品を輸出することは収益確保に繋がるだけでなく、地域をブランディングすることに繋がります。食によるブランディングを行うことで、コロナ後に人を呼びこむ際のコンテンツとしても期待されます。
(下記画像: 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金 活用事例より抜粋)

食品を海外へ輸出する際の課題

食品を海外に輸出する際に共通してみられる課題としては、主に下記3点があります。どれか1つにおいてもつまずいてしまうと、なかなか収益を上げるまで持っていくことが難しいというのが実情です。

① 産品選定
海外に食品を輸出するうえで、どのようなモノを輸出するべきでしょうか。
「地域で一番有名な食品」、「地域内でブランドができている食品」など様々な回答があるかと思います。
一番重要な要素は「海外でも戦える(売れる)食品」です。いくら日本国内で有名で、ブランドが確立されていても、海外で売れない食品を輸出してしまっては本末転倒です。主観的な目線にならずに、客観的な目利きを行い、売れる食品を選定することが非常に重要なポイントです。

② 価値訴求
海外に食品を輸出する際によくある困りごとが、現地でどのように価値訴求を図るかという点です。好みの味というのは当然国によって変わり、さらには輸出する食品が原材料品の場合は、実際にどのように使うべきか分からないという点が課題に上がります。
そこに対しては、該当食材を使い、ローカルに好意的に受け止められるレシピを開発するなど、価値訴求部分からコミットする必要があります。

③  流通体制構築
食品を海外に輸出するにあたっては、生産者とバイヤー(消費者)を直接マッチングするだけでは不十分です。そこには流通に関わる数多くの企業が介在してきます。日本国内の物流業者・輸出業者、ローカルの荷受業者、卸売業者など、それぞれのレイヤーごとに多くの企業が関わってきます。食品が滞りなく海外へ輸出されるためには、これらの業者を適切に選定し、安定してモノが運ばれる流通スキームを構築する必要があります。

むすびに

ニューノーマルの時代を迎えるにあたり、アウトバウンド的に海外市場を攻めることは以前にも増して重要です。実際に、弊社に寄せられる新規相談を見ても、海外市場の販路拡大はトレンドになっております。新型コロナウイルスの影響で、既存の体制が大きく変わっているこのタイミングこそ、攻めの姿勢でビジネスを進める動きが大事なのではないでしょうか。

海外マーケティング 匠への道 vol.7「今こそ、地方の魅力を海外へ」関連DL資料

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坂井 聡佑

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gram 部長 1991年愛知県生まれ。一橋大学卒業後、2015年4月、株式会社クロス・マーケティングに入社。主に大手自動車メーカーや情報システム会社を中心...

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