ダイソー、マレーシアに約333億円の物流センターを建設 – 東南アジアの物流拠点として注目
ダイソーが、マレーシアにおいて10億リンギット(約333億円)を投資し、約12万平方メートルの広域配送型の物流センターを建設することを発表しました。この物流センターは2027年1月に稼働予定で、東南アジアから中東にかけての22か国約600店舗への供給を担うハブとなる予定です。
ダイソーは、価格を均一化する独自のビジネスモデルと強力な流通網を武器に、年間10億人以上の顧客を抱える世界的な大手ディスカウントチェーンに成長しています。今回の物流センター建設は、東南アジアでの事業拡大を後押しする重要な投資となるでしょう。
また、研究開発やマーケティングにも力を入れ、消費者のニーズにきめ細かく応えるブランドイメージを築いている同社の戦略にも注目が集まります。
今回は、このニュースを中心にダイソーの戦略について解説します。
ダイソー 新しいグローバル物流センター
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2024年8月2日
10 億リンギットの投資
ダイソーは今回の物流センターの建設に10億リンギット(約333億円)の投資を行います。この物流センターは2027年1月に稼働を開始する予定で、稼働後は、東南アジアを中心に中東などを含めた22の国の約600店への輸送を担う、国際物流のハブとして機能します。
ダイソー・マレーシア会長のラーマン氏は、「この物流センターは、マレーシア国内や周辺地域で成長を続けている事業をサポートし、マレーシア国内での雇用を創出し、世界中の顧客のニーズを満たすことに、重要な役割を果たすだろう」と述べています。
加えて「物流センターの建設エリアは、近くのクラン港がコンテナ取り扱い能力を倍増する計画があり、物流プロセスのリードタイムの大幅な短縮が見込まれる」と述べています。
世界初のビジネスモデル
ダイソーは、商品カテゴリーではなく価格を均一にして店舗展開を図るという世界初のビジネスモデルを確立し、成長を続けています。
現在世界26の国や地域で約5,000店舗を運営していて、毎年世界中で 10 億人以上の人々がダイソーで買い物をしています。
マーケティング戦略
低価格で、お客様の期待を越える高品質な商品の提供を徹底しています。
これにより顧客に価値をもたらし、同時に素晴らしい体験も提供しています。
この戦略を徹底することで、顧客を繰り返し来店させることに成功し、顧客との関係を構築し、ロイヤリティーを構築しています。
日本国内や海外でも、ほとんどテレビCMを打つこともなく、ブランドイメージを確立しています。
海外では、「ジャパンブランド」というセールスポイントを積極的に強調して成功しています。
流通ネットワーク
ダイソーは世界的に流通ネットワークを構築し、これを駆使することで大きく成長しました。
流通ネットワークは重要なマーケティング戦略のひとつであり、最終段階の購入者に商品を確実に提供することが必須です。
近年、ロジスティクスはビジネスにおいて非常に重要な役割を果たしていて、事業拡大の要にもなっています。
ダイソーは、製造から流通、小売店、そして最終的に消費者に届けるまで、効率的なプロセスシステムを確立しています。
今回のマレーシアの物流センターも、ダイソーの事業拡大に大きく寄与するでしょう。
イノベーションと研究開発
ダイソーのマーケティング戦略が優れているもう 1 つの理由は、消費者からのフィードバックを参考にして、一貫した品質の商品を提供するために研究開発に多額の投資を行っている点です。
ダイソーの品揃えは70,000点を越えますが、毎月1,000点近い新商品が開発され、しかも雑貨はほぼ全て自社開発なのです。
この際立ったイノベーション力こそがダイソーの強みなのです。
欠かせないブランド
マレーシアの家庭では、ダイソーの収納ボックスやキッチンツールが頻繁に使用されていますし、学校やオフィスで使われる文房具類もダイソーで揃えられています。
また、ハリラヤや中国正月などの重要なイベントにはダイソーのデコレーション用品やギフト包装アイテムが人気で、イベントを華やかに彩るために利用されています。
ダイソーはマレーシアの日常生活に欠かせないブランドとしての地位を確立しています。