中国ラッキンコーヒー マレーシア首都圏で3店舗開業

中国の新興コーヒーチェーンである「ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)」が、商業施設「サンウエー・ピラミッド」や「ブキビンタン・シティーセンター(BBCC)」などマレーシアの首都圏に3店舗開業しました。
この記事では、最新のマレーシアのコーヒー市場状況とともに、「ラッキンコーヒー」の戦略についても解説します。

中国ラッキンコーヒー マレーシア首都圏で3店舗開業
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年7月4日
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3年間で200店舗

マレーシアで「ラッキンコーヒー」のフランチャイズを獲得したリム最高経営責任者は、クアラルンプールを中心に店舗を増やしていき、首都圏外へも今年の7~9月を目標に出店を計画していると述べています。
また、今後はモールだけではなく、バスターミナルや大学などにも出店していく計画で、今後3年間で200店舗に店舗を拡大していく計画です。
マレーシアのコーヒー市場
多文化社会の影響を受け、多様なコーヒー文化がマレーシアでは共存しています。
古くからある伝統的な「コピティアム(Kopitiam)」の存在は、マレーシアのコーヒー文化を語る上で欠かせません。
伝統的なコピティアムは、カジュアルな雰囲気で、地元の人々が集まりコーヒーや軽食を楽しむ社交の場として機能しています。
地元のカフェやコーヒーショップ、「Old Town Whie Coffee」のようなチェーン店も増加傾向にあり、それぞれ地元消費者の支持を得ています。
海外からの積極的な進出も見られます。 「スターバックス」はもちろん、「The Coffee Bean & Tea Leaf」や、カナダ発祥の「Tim Hortons」などの国際的なコーヒーチェーンがマレーシア市場に参入しています。
ZUS Coffee
そんな中で、以前紹介した「ZUS Coffee」は、2019年末にクアラルンプールに初出店して以来、「贅沢品ではなく必需品」をコンセプトに急速に成長を遂げています。2024年末時点で、マレーシア国内にすでに700店舗以上を展開しており、総額2億5,000万リンギットの投資を受けて、国内外での事業拡大や上場も予定されています。
「ZUS Coffee」はある意味、マレーシアのコーヒー市場の「ゲームチェンジャー」となっています。
ラッキンコーヒー(Luckin Coffee)の強み
ラッキンコーヒー(Luckin Coffee)は、わずか1年1カ月で1万店を新規開設するという驚異的なスピードで中国市場において急速な成長を遂げた、中国国内最大のコーヒーチェーンです。2024年9月末時点で総店舗数は21,343店に達し、スターバックスを上回っていて、2023年の年間売上高も約5,198億円で、スターバックスを凌駕していました。
ラッキンコーヒーの成功要因として、手頃な価格設定、多様な商品ラインアップ、そして「Grab-and-Go(持ち帰り)」形式の店舗展開が挙げられます。
これらの戦略により、消費者のニーズに迅速に応え、市場での地位を確立しました。
デジタル技術の活用
ラッキンコーヒーは、モバイルアプリを中心としたオンラインとオフラインを融合する戦略を採用し、効率的なオペレーションと顧客体験の向上を図っています。顧客はアプリで注文・支払いを行い、店舗での受け取りやデリバリーを選択できます。
急拡大している「ZUS Coffee」と同様の強みと戦略で、マレーシア市場やアジアでの拡大を目論んでいます。
コーヒー市場競争過熱
これらの動向から、マレーシアのコーヒー市場は引き続き成長が期待されており、国内外のブランドが競争力を高めるために、独自の戦略やサービスを展開して、競争が過熱しています。
私たち消費者にとっては、選択肢の増加によりさらに多様なコーヒー体験が可能となります。
ラッキンコーヒーの進出が、市場全体の品質向上やサービスの多様化を促進し、独特なマレーシアのコーヒー文化のさらなる発展につながることが期待されています。