海外マーケティング 匠への道 vol.5

ビジネスコラム

海外進出における事前リサーチをテーマに執筆してまいりました。事前リサーチの締めくくりとして、企業調査について学んでいきます。企業調査とは文字通り、企業を対象に実態を明らかにする調査を意味します。
企業調査は、自社の顧客になりうる企業、代理店などパートナーになりうる企業、競合になりうる企業を対象に行うことが通例です。

企業調査とは!?

著者:gramマネージャー 坂井 聡佑 
公開日:2020年09月11日

新興国のデータは嘘だらけ

企業調査を行う意義についてですが、競合調査に代表されるように、日本でビジネスを行っていても、その重要性を感じるシーンは多いと思います。海外市場、特に新興国における企業調査にはさらに大きな意義があります。前提として押さえておくべきポイントは、「新興国のデータは嘘だらけ」ということです。新興国データの信憑性の低さを示す有名な例として、ミャンマーの人口があげられます。

▶︎ミャンマー人口「実は5000万人」 1000万人下方修正 国勢調査で判明

ミャンマーでは、内戦の影響で長らく国勢調査が厳密にできておらず、31年ぶりに行った国勢調査(2014)では、人口がそれまでの推計値から1,000万人下方修正されました。人口が従来の発表値から20%近くも下回るということは、先進国ではまず起こりえませんが、新興国では実際に起こっているのです。酷いケースでは、会社がそもそも存在しないというケースもあります。新興国の公開データは、データ自体が古かったり、実態と乖離があったりするので、正しいアプローチで蓋然性の高いデータを取ることが非常に重要です。

企業調査はすべての調査の根幹にある

また、企業調査は、これまでご紹介した様々な事前リサーチの根底にあります。規制調査を行う場合も、産業調査を行う場合も、個別企業の動向や企業同士の関連性を明らかにするところから全体像を見ていきます。「事前リサーチのすべての道は企業調査から始まる」といえるほど、企業調査は根幹にあり、重要であるといえます。

むすびに

「海外マーケティング匠への道」において、5回にわたり事前リサーチについて記載いたしました。繰り返しになりますが、海外進出における事前リサーチは、会社の規模に関わらず、事業成功の打率を上げるために不可欠なステップだといえます。しかし、どれほどの期間やコストを費やして実施するかは、会社が置かれている状況によって大きく変わります。最終的に重要なのは、経営層が客観的な視点を持ちつつ、確固たるビジョンを持って意思決定することです。調査はその意思決定を支える有効な手段であるという視点が大事であると私は考えます。

坂井 聡佑

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gram マネージャー 1991年愛知県生まれ。一橋大学卒業後、2015年4月、株式会社クロス・マーケティングに入社。主に大手自動車メーカーや情報システム会...

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