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中国大陸におけるEC市場を徹底的に解説:中国の人気ECサイトの特徴やビジネスモデル、主要セールイベント

越境EC

中国は現在世界一のEC大国で、巨大な市場を有することは言うまでもありません。では、中国のEC市場において上位にある主要なECモールはどのようなものがあるでしょうか。
この記事では、

・中国各ECサイトの特徴やビジネスモデル
・越境EC業務
・各サイトにおける日本の人気商品
・年間の主要セールイベント

について解説していきます。

中国大陸における越境EC市場を徹底的に解説

中国 ECモールランキング

以下のランキングは、アメリカのリサーチ会社Alexaのウェブサイトランキング、および中国のリサーチ会社iResearchのスマホアプリランキングによってまとめられたものです。

第1位:天猫商城(TMALL) https://www.tmall.com/

天猫(Tmall) 公式HPより

アリババグループが2013年にTaobaoを基に開設したショッピングモール型のBtoC-ECサイト。

ECサイトにおいて非正規品が流通していた中で、本物志向のニーズに応じて「100%正規品」を扱うのが天猫の最大の強みです。価格より質を重視する、比較的経済力のある都会の人々をメインターゲットとしています。

日本の楽天市場のように各店舗がTMALL に出店し、各自で発送するというビジネスモデルを採っています。また、TMALLが自社で商品を仕入れ、消費者に販売、発送するネットスーパー「天猫超市」(TMALLスーパー)や、海外ブランドが出店して産地直送をする形態をとって、海外のコスメ・健康食品・小型家電などを主な販売商品とする「天猫国际」(TMALLグローバル)があります。

TMALLで「日本」と検索してみたところ、予測ワードの1位は「日本 湿布・塗り薬」、2位は「日本 目薬」、3位は「日本 お菓子(スナック類)」でした。他にも、「即席麺」や「ドリンク」「風邪薬」など、第三類医薬品と食品類が人気でした(2021年8月10日調べ)。

第2位:淘宝网(Taobao)  https://www.taobao.com/

Taobao 公式HPより

アリババグループが2003年に開設したECサイトで、約5億人のユーザー数を有するTaobaoは、中国のECサイトの先駆者といっても過言ではありません。

開設初期からBtoC店舗とCtoC店舗の2種類がありますが、現在では大手のBtoC店舗はほとんどTMALLの方に移転し、小型BtoC店舗とCtoC店舗がメインになっています。TMALLに比べると、非正規品や偽物の流通が問題になることがありますが、比較的安い価格と品揃えのよさが魅力です。そのため、都会から農村地域まで、Taobaoのユーザーネットワークが中国全土に広がっています。

Taobaoで「日本」を検索すると、予測されるワードの上位には「菓子」「文房具」「酵素」「虫刺され薬」などが上がります。ブランド名には資生堂、Curel、 SK‐Ⅱ、POLAなど、化粧品ブランドがメインになります。なお、TMALLとも連携していますので、上位の検索結果はTMALLと大きく変わりません(2022年8月10日調べ)。

第三位:京東JD  http://www.jd.com/

京東(JD) 公式HPより

2004年に開設された総合ECサイトで、現在はアリババグループとともに中国のEC市場で大きなシェアを占めています。
各事業者に出店してもらうBtoCビジネスモデルもありますが、メインの事業は、自社で商品を仕入れて消費者に販売するセレクトショップです。1つ目の特徴として、ブランド直販店や自営店の商品がほとんどのため、安心して買い物できます。もともとはPCやスマートフォンなどのデジタル家電の取り扱いからスタートしたため、現在でも家電製品・PCや周辺製品の直販が強いイメージです。

そして特徴の2つ目として、アマゾンのように自社で倉庫や物流システムを保有しているため、当日配達・翌日配達を実現でき、他のECサイトと比較すると配達品質において大きな強みがあります。

また、輸入品専門サイトの「京东国际」(JDグローバル)もあり、ウォールマート、楽天、サムズ・クラブなどが出店しています。それ以外に、海外ユーザー向けのグローバルサイト(日本語・英語対応)や、ロシア、インドネシア、スペイン、ベトナム向けのそれぞれの専用サイトも完備しています。
中国国内のみならず、グローバルに事業を展開しているイメージがあります。

JDで「日本」の予測ワードには「湿布」「目薬」「シャンプー」「フェイスマスク、クリーム」「自転車」などが上位にあり、Taobaoよりも美容系のワードが検索されています。(2022年8月10日調べ)

第四位:阿里巴巴 1688  https://www.1688.com/

アリババ(1688) 公式HPより

アリババ1688は、アリババグループによって運営されるBtoBのECサイトです。

Taobaoとの大きな違いは、Taobaoよりも安い価格ロット販売の2点になります。Taobaoで出品される商品の中には、アリババ1688で購入されたものが多いです。
アリババ1688はTaobaoよりも早くから存在しており、Taobaoの原型ともなるECサイトです。
今でもBtoBのECサイトとして人気なアリババ1688ですが、近頃注目され始めたキッカケとして、若い購入者層の台頭が挙げられます。Taobaoで気になった商品をアリババ1688で検索し、仲間同士で共同購入するやり方が流行っているためです。(単価は低いがロット購入しかできない為)

日本からの出店には、中国での法人登録と中国での口座開設、並びにアリババの決済サービス「アリペイ」を利用していることが条件になります。ハードルは少し上がってしまいますが、出店代行業者へ依頼するというような方法があります。

日本関連のホットワードとしては、「虫刺され薬」「日本厚手Tシャツ」「美白化粧品」「歯ブラシ」「かき氷機」などがあります。(2022年8月10日調べ)

第五位:小紅書  https://www.xiaohongshu.com/

小紅書 app画面

小紅書は、中国で有名なSNS型ECアプリです。

トレンドに敏感なユーザーが多く、インフルエンサーも多く利用しています。初めはSNSアプリとしてスタートした小紅書ですが、徐々に記事スタイルの口コミサイトとして機能し、現在ではEC機能も導入されています。
最先端にいるインフルエンサー達が自身の経験を元にした記事やレビューを投稿しているので、それを参考に多くの若者が調べものやショッピングに小紅書を利用しています。
小紅書に出店するには、公式アカウントマークが付く「品牌号」の開設が必要です。
小紅書のユーザーは女性が多くの割合を占めており、「化粧品」「ファッション」「小物雑貨」がヒットしやすいですが、場所などのタグ付も可能であり、飲食店や観光地のPRなど様々なシーンで活用することが出来ます。

ソース:https://www.tmogroup.com.cn/more/other/26559/ 

必見!中国ECの主要セールイベント

中国のEC業界におけるセールイベントは祝日にちなんだものもありますが、セール範囲が広く影響力も高いイベントは、間違いなくECサイトのTMALL・JDが作った2つのオンラインショッピングフェスティバルです。ここでは、年間で最も有名な2つのECセールスイベントをご紹介します。

【618セール】5月後半よりスタート 上半期最大のセールイベント

もともとはJDが創立記念日を祝うために始めたセールイベントですが、その後アリババグループもJDに対抗してこの日にセールを展開するようになりました。現在は中国のEC業界において、毎年開催される上半期最大のセールイベントに進化しました。
2022年の618セールにおける全体の売上は6959億元(約13.7兆円)に達し、京東JDの売上は3793億元と、前年の3438億元に比べ約10%増加しました。
2022年618セールにおいて、京東JDの人気商品1位は電化製品で879億元の売上があり、全体の12.6%を占めました。続いて、2位にスキンケア商品(307億元)、3位に屋外スポーツ用品(249億元)となりました。その他にも、「シャンプー」や「香水」、「調味料(油・醤油など)」が上位にランクインしています。

2020年、2021年に続き、ライブコマースでの売上が急速に伸びています。2022年の京東JD618セールにおけるライブコマースによる売上は1445億元にも上り、前年比約24%増となりました。また、京東JD618セールのライブコマースでは、中国のショート動画アプリ「快手」「抖音」が活躍しました。

ソース:https://www.chyxx.com/industry/1118721.html

【W11セール】10月中旬からスタート 年間最大のセールイベント

いわゆる「独身の日」に由来し2009年に始まった、中国EC市場における年間最大のセールイベントです。最初は11月11日当日のみのセールイベントでしたが、近年は10月中旬から始まる先行予約・前払いと11月初頭から11月11日までの後払いの2段階に分け、約1ヶ月の期間で展開しています。
2021年の「W11セール」の総取引額は約8894億元(約17.5兆円)で、内訳はTMALLが(5403億元、約10.6兆円)・JD(3491億元、約6.9兆円)における取引です。2021年も引き続き、ライブコマースが圧倒的に多くなり、重要な販促手段となりました。
2021年の独身の日セールの特徴として、TAMLL ・京東JD両者とも中小出店者への支援と環境PRが目立ちました。TMALLのW11セールでは、29万社の出店者がいましたが、そのうち65%が中小出店者でした。

2022年のW11セールがいつ開催されるのかはまだ公表されていません。2021年を基準に考えると、10月20日〜11月11日前後に行われる可能性が高いです。

ソース:

http://www.tccaijing.com/news/20211112/1225945.html

中国ECイベント一覧

その他のECセール

「618セール」と「W11セール」以外にも中国のEC市場におけるセールイベントは多数あり、1年365日にわたりセールを行っているといっても過言ではありません。
ここでは、2021-2022年の主なアリババのセールイベントとイベントの期間を以下の表にまとめていますので、ご参考ください。

中国ECセールイベント年間カレンダー(2022年は8月10日時点)

むすびに

今回は、中国における主要なECサイトとセールイベントについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

中国のEC市場はTaobaoの開設から始まり、約20年間かけて今や世界最大のEC市場に成長し、毎年劇的な発展や新たなトレンドを見せています。
中国市場に進出する際には、現地での市場調査、規制調査はもちろん必要不可欠です。調査してすぐに商品をECサイトに出品しても、集客は難しいと考えられます。特に中国においてまだ認知度の高くないブランド・商品については、まず消費者に知ってもらうことが最も大事です。

そのため、今勢いのある中国ECのニュートレンド、インフルエンサーとライブコマースを利用して宣伝するのがひとつの手として考えられます。自社の商品をSNSでテキストや動画、ライブ配信の形で紹介してもらう、あるいは実際に使用してもらい、レビューをSNSでテキストや動画形式で投稿してもらうことのです。また、フォロワーを集めるために定期的に行う「抽奖」(SNSでやる福引)に、自社商品を景品として出すということも考えられます。さらに、コロナの状況が好転すれば、インフルエンサーに日本に来てもらい、会社ツアー・工場ツアーなどの動画を撮ってもらって宣伝することも可能になります。

規制や集客面での難しい点はありますが、そこに巨大な市場が待っているのは間違いないです。
中国で事業を展開しようとお考えの方は、まずはECサイトでの出店をご検討されてみてはいかがでしょうか。

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