【越境EC 第5回】東南アジアの越境EC大国『シンガポール』を簡単解説!

越境EC

今回はシンガポールの越境EC事情を取り上げていきます。
近年、東南アジアのEC市場が拡大の一途をたどっていますが、海外資本が入った越境EC企業が台頭し、急成長を続けているのがシンガポールです。そんなシンガポールEC市場の傾向や現状、主要なプラットフォームを3つご紹介いたします。
 ECを活用して海外へ拡販を行いたいとお考えの方は、是非参考にされてください。

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【越境EC 第5回】東南アジアの越境EC大国『シンガポール』を簡単解説!

シンガポールのEC事情~市場規模編~

シンガポールには、2019年時点で312万人のEコマース利用者がおり、2021年には人口約560万人に対して411万人もの人がECを利用する見込みが立てられています。

ソース:Singapore eCommerce Insights | 4.11 Million Online Shoppers By 2021

また、有名な市場統計サイト「statista」のデータでは、シンガポールのEコマースの市場収益は2021年に約27億9300万ドル、日本円に換算すると約2800億円(2021年1月6日レート  1USD=102.9JPYで換算)にのぼると予測され、その市場規模の拡大速度、規模は期待できるものがあります。

「Digital 2020」のデータによると、シンガポールのECプラットフォームで特に購入されている商品のカテゴリは、

1.「ファッション&ビューティ」2億9,600万ドル(約300億円)

2.「おもちゃ&DIY商品」2億300万ドル(約209億円)

3.「家具&生活用品」1億3900万ドル(約143億円)

4.「ビデオゲーム」1億2,100万ドル(約125億円)

となっており、美容や洋服、趣味といったカテゴリの商品が多く買われていることが分かりました。
このように、シンガポールは東南アジアの他国に比べて可処分所得が高いため、QOL(Quality of life)を上げるような目的でオンライン消費がなされています。

ソース:eCommerce Singapore

シンガポールのEC事情~インターネット、EC普及率編~

東南アジアの一部の国では、日本ほどインターネット、スマートフォンが普及しておらず発展途上ですが、各国の様々なインターネット状況をまとめた「Digital 2020」の調査によると、シンガポールのインターネットの利用率は人口の88%と高水準であり、そのうちの93%の人がスマートフォンを使用しています。

また、シンガポールの90%の人がオンラインストアを訪れたことがあり、2020年において約74%の人がオンラインで買い物をしたことがあるというデータがあり、インターネット普及率に比例して、シンガポールの人々はECサイトへの関心が非常に高いことが分かります。

ソース:DIGITAL 2020: SINGAPORE

新型コロナウイルス感染拡大による越境EC市場の変化

シンガポール統計局の情報によると、2020年4月の小売業全体の売上高は21億シンガポールドル(約1,650億円)と、前年同月比40.5%の減少となり、部門別で最も下げ幅が大きく、時計・宝飾品で前年同月比87.8%減、衣料品・靴が85.3%減、百貨店が84.6%減でした。

このように、コロナ禍で小売業全体の売上高が減少していますが、その需要の方向性はEC市場に向いていると考えられます。ロックダウンや外出自粛の流れによる「巣ごもり需要」によって、消費者がパソコンやスマホを利用して商品を購入する傾向が加速し、4月は売上全体の17.8%がオンラインでの販売となりました。

2020年4月の小売売上高であった21億シンガポール・ドル(約1,650億円)のうち、ECの占める割合は、コロナ禍でのオンラインによる購入の流れを受け、前年同月の5.4%から17.8%まで拡大しました。また、EC比率が高かった部門は、コンピュータ・通信機器で70.6%、次いで家具・住宅機器が50.4%、スーパー・ハイパーマーケットの7.7%と続きました。

関連記事の【越境EC 第2回】越境ECでどう日本製品を売っていくか?https://global-biz.net/b-column/cross-border-ec-20201230/
にも記載がありますが、実店舗での小売り事業が停滞する一方で、ECといったオンラインでの買い物に人々の需要が移行していく現象がシンガポールでも確認されていることが分かります。

ソース:Statistics Singapore

シンガポールの三つの主要越境ECプラットフォーム

では、シンガポールの主要越境ECプラットフォームには、どのようなものがあるのでしょうか。以下、3つのプラットフォームをご紹介します。

1.LAZADA https://www.lazada.sg/

LAZADA(ラザダ)は、シンガポールだけでなくベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイにも展開している、東南アジア最大のECモールです。2012年にRocket Internetという会社によって設立されましたが、中国の大手企業の Alibabaグループが同社を1000億円で買収したことにより、現在はAlibabaグループの傘下にあります。

ラザダはモバイル機器やパソコン、家電、美容品、ファッション、玩具といったほぼすべてのカテゴリの商品を網羅しており、その商品の豊富さやサービスの幅広さ、そして購入者・出品者ともに便利で使いやすいモールとなっているため「東南アジアのAmazon」と呼ばれています。シンガポールでの物流の弱さを改善するため、「Seller Center」という専用システムを使って商品の管理や配送を行うのが特徴で、ラザダ内の決済システム「Payoneer」への登録も必要となっています。

2.Qoo10 https://www.qoo10.sg/?__ar=Y

Qoo10(キューテン)は、韓国のGMarket社がアメリカのeBay社とのジョイントベンチャーという形で生み出した越境ECサイトです。シンガポールのEC市場にいち早く登場し、ファッションや健康食品、ダイエット商品、デジタル機器、家電などの商品を幅広く扱っています。シンガポールでは登録ユーザー数が非常に多く、日本でも利用することができ、世界に拡大を続けているのが特徴です。

出店者は販売額とサービス評価によってグレード分けされるのが特徴で、これが上がるとサービスフィーが割安となります。なお、グローバルサイトに登録するには、日本のサイトへの登録が必須となっています。

3.Shopee https://shopee.sg/

Shopee(ショッピー)は台湾発のECモールで、東南アジア初の「ユニコーン企業」であるSea Limitedがシンガポールをはじめとする東南アジア計7カ国に展開しています。サービス開始からわずか1年で総流通総額18億円を達成し、東南アジア圏内での総売上は1兆円(2018年)を超えている、非常に勢いのある越境ECプラットフォームです。

もともとShopeeは消費者が出品して消費者が購入するCtoC型のビジネスモデルとして開始したサイトですが、現在はCtoCに加え、BtoC(企業が消費者に商材を売るビジネスモデル)も利用できるハイブリッド型の越境ECサイトへと進化し、LAZADAを上回る勢いで成長している企業の一つです。

Shopeeの大きな特徴として挙げられるのが、販売手数料とリスティング手数料が無料であることで、固定費や変動費がかからないことから、売り手はリスクを抑えながら東南アジア市場で越境ECの販売ができるところにあります。

むすびに

今回はシンガポールのEC市場の動向、主要なECサイトについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

 シンガポールのEC市場拡大や、新型コロナウイルス感染拡大によるEC化の加速など、今後もシンガポールのEC事情には期待できるものがあります。ご紹介した3つの主要越境ECプラットフォームは今後も市場拡大の一端を担っていくでしょう。

 シンガポールだけでなく、LAZADA(ラザダ)、Qoo10(キューテン)、Shopee(ショッピー)も事業領域を拡大している東南アジア各国への越境EC進出は、新たなビジネスチャンスになるかもしれません。



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