欧米のラーメンファンをうならせる可能性! 日本の有名店冷凍ラーメンキットの越境EC

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世界的に見ても日本のラーメンは確かにうまく、中国料理の麺にはない深みやバラエティがあるし、ベトナムのフォーとも全く違ったうまさだ。これに世界が気付き始めている。特に先進諸国の大都市でブームになっている。
欧米では研究熱心なラーメン通も増えており、ラーメンレストランの市場規模も高成長が続いている。
ここでは日本のトップレベルラーメンの欧米向け越境ECのポテンシャルについて考えてみたい。

欧米のラーメンファンをうならせる可能性! 日本の有名店冷凍ラーメンキットの越境EC

著者:デビッド・イマ
公開日:2022年2月21日

日本のラーメンはうまく、外国人ラーメンシェフも日本に研究にやって来る

2018年にロンドンにしばらく滞在した時に、東京で言うと丸の内のブランド店が並んでいるエリアに、高級レストランっぽいラーメン屋が出店してあるのを見て驚いた。1杯1,500円〜2,500円程度でロンドンでは中ぐらいのカジュアルな外食を提供している。
Shoryu – Regent Street <https://www.shoryuramen.com/stores/1-regent-street >

日本のラーメンは確かにうまく、中国料理の麺にはない深みやバラエティがあるし、ベトナムのフォーとも全く違ったうまさだ。これに世界が気付き始めている。特に先進諸国の大都市でブームになっている。

2018年に世界各国を回っていた時、小休止的に東京のシェアハウスに滞在していた。そこでドイツのボンでラーメン屋をやっているベトナム人シェフに出会った。家族でドイツに住んでおり、一家の稼ぎ頭としてラーメン屋を経営している。日本には毎年来て有名店を食べ歩き、ラーメンスープ(英語ではbroth)のトレンドを吸収するのだと言う。

そのように欧米には研究熱心なラーメンシェフが生まれている。それらの都市ではラーメン店経営が戦争になっているのだろう。また、舌が肥えているラーメンファンの層が分厚くなっていると推察される。

冷凍すれば著名店のラーメンを越境ECできる

最近、日本で、個性的なラーメン店のラーメン素材一式を冷凍にして宅配する宅麺.comという通販サービスがあることを知った。これが、海外で行けるのではないかと思う。海外で舌が肥えてきている日本のラーメンファンにかなり受けそうだ。

日本好きな欧米人は、何度か日本に来て、東京のうまいラーメン屋を経験している(筆者は東京のラーメン戦争は熾烈を極め、そのレベルは他都市を寄せ付けないと考えている)。自国に帰ってから大都市にあるラーメン屋を訪れてラーメンをすすってみるが、東京のレベルには到底かなわない。半ばがっかりして食べているのではないかと推察する。

そうした舌が肥えたラーメンファンに、宅麺.comの冷凍ラーメン通信販売は非常に受ける可能性がある。

以前に魚介類の冷凍輸出に可能性を感じて、周辺状況を調べたことがある。冷凍のコールドチェーンを出荷元から出荷先まで切らさないように維持するのがかなり難しいことがわかった。

しかしこれは小ロットで輸出する際の話で、中堅企業が一定量をまとめて冷凍機能のあるリーファーコンテナ1つを貸し切り、これで欧米大都市に送り、欧米大都市から冷凍コールドチェーンの発達している諸都市にデリバリーする形なら実現できると思う。

日本の食品を冷凍で海外に輸出する際の諸課題や解決の指針は、以下の農水省の勉強会報告書で詳しく論じられている。

農林水産省 GFP(農林水産物・食品輸出プロジェクト)輸出商社部会「コールドチェーン確保に関わる勉強会」報告書 2020年3月
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/gfp/attach/pdf/cold_chain-3.pdf

また、冷蔵・冷凍の輸出の基本については、以下の農水省の報告書が参考になる。

農林水産省 農林水産物・食品輸出の手引き 〜国際輸送の鮮度保持技術・事例を中心に〜 (2015年3月)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/torikumi_zirei/attach/pdf/index-6.pdf

日本の1/4の規模がある米国のラーメン店市場

欧米にはどの程度のラーメンレストランの市場規模があるのか?

米国には日本のラーメンをレストラン展開するためのコンサルティング会社が存在している(日本人が多いロサンジェルスにある)。

Ramen support – Ramen Consulting
https://www.ramensupport.com/

ここが米国のラーメンレストランの市場規模を報告している。年々20%の高成長率が続いており、全米で2,000のラーメンレストランが展開。年間売上総額は15億ドル(1,700億円)に上ると言う。

Ramen support: What is the ramen market?
https://www.ramensupport.com/ramenbusiness

日本のラーメン店の市場規模はおおよそ6,000億円。https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/restaurant/food08.html
おおよそ日本の1/4の規模が米国だと考えれば良いだろう。それでもかなり大きい。GDP比で行けば英国はその1/7程度、約850億円と推察される。日本で新規事業を立ち上げるのに十分な市場規模は100億円だから、英国でもラーメンビジネスを立ち上げる余地はある。

米国では2008年に有名チェーン一風堂がニューヨークに店舗を開き、それ以来、日本のラーメン店進出が続いている。また、地元の経営者もラーメン店を手がける。ニューヨークでは、BatteryからCentral Park Southにかけて50ものラーメン屋がひしめいているという。

Eater: Just in Time for Winter, Three New Ramen-Yas Appear Downtown
https://ny.eater.com/2016/1/4/10705936/nyc-ramen-east-village-lower-east-side-gen-mr-taka-zundo-ya

アジア系の人たちが日本のラーメン屋をコピーして展開している例がかなりあるようだ。

2000年代にニューヨークに何度か出張で行った際、ボスが必ず連れて行ってくれたラーメン屋がMomofuku。現在は売れ筋のラーメンチェーンとなっている。経営者は韓国系アメリカ人だ。
ちなみに英国で日本食チェーンWagamamaを経営しているのは香港人であり、持ち帰り寿司チェーンWasabiを経営しているのは韓国人である。欧米の著名な日本食チェーンでは日本人以外の活躍が目立つ。

Momofuku Noodle Bar
https://momofukunoodlebar.com/

以下は東京でも麻布十番にありそうなシックな感じのラーメン屋Ramen Zundo-Ya。しかし、店舗案内を見ると経営者は日本人ではない。

舌が肥えた欧米のラーメンファンに日本の本物を冷凍でデリバリーする

欧米の大都市ではラーメン屋の競争が激しくなっており、それだけ舌が肥えているラーメンファンが増えていることは間違いなさそうだ。

こうした層に向けて、日本のトップレベルのラーメン店が制作した冷凍のラーメンキットは間違いなく受けると考える。
なぜなら、欧米の著名ラーメン店のウェブサイトを除くと、「キット」の通信販売ページをよく見かけるからだ。

ロンドン中心部ピカデリーサーカスそばにある高級ラーメン店Shoryuのキット販売ページ
https://www.japancentre.com/en/categories/11367-shoryu-diy-kits

ロンドンでチェーン展開をしているラーメンチェーンBone Daddiesのキット販売ページ
https://bonedaddies.com/shop/

ラーメンキットの通信販売だけでビジネスを行なっているRamen Hero(米国)
https://ramenhero.com/

このように、著名なラーメン店のキットを通販で購入して、家で本格的なラーメンを食べるニーズが出現している。

日本人ならではの勝ち方がある

日本人は海外のビジネス展開に関しては、やはり奥手だ。これは日本国内の市場がそこそこの規模があり、日本だけでやっていけるからだ。しかし現在はコロナもあり、国内市場は高齢化もあって、どの市場もだんだんとシュリンクしていく。やはり海外に目を向けるべき時だ。

ラーメン一つとっても、冷凍の越境ECが可能になれば、きわめて大きなビジネスになる。まして日本人以外の日本食チェーンが英国等で大々的に展開している訳だから、日本人経営者が日本人にしかできない高い品質と細やかなサービスで打って出れば、目覚ましい勝利を手にすることができるのではないか。

 

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