米中の対立、政治問題、リスクの中でも強さを見せる香港株式市場。

海外ビジネスニュース

著者:Adrian Poon
公開日:2020年7月27日

地域概要情報 香港(Hong Kong)

2020年、新型コロナウイルスや米中間の貿易問題などをうけ、世界経済が大きく落ち込み、3月に世界の株式市場も大幅に下落した。しかし、各国政府の緊急対応や金融市場に対する支援策により、世界株式市場が大幅に回復している。

その中、香港はさらに政治問題に加え、「香港国家安全法案」の導入などにより、国際金融市場として今後の変化に注目が集まっている。2020年、香港株式市場の状況をみてみよう。

2020年1~6月、香港株式市場(HKEX)の新規上場企業数は59社、IPO(株式公開)の調達資金は871億香港ドル(約1.2兆円)、世界第3位となった。
同期間、世界市場で新規上場の調達資金の1位は上海証券取引所(Shanghai Stock Exchange)である。

地域別では、HKEXに新規上場59社企業のうち、香港・マカオの企業は13社、東南アジア地域の企業は10社、中国企業は40社となり、中国企業の社数は68%程度を占めている。また、100億香港ドル以上資金調達した企業は2社のみ、うち中国ネット通販2位の京東集団(JD)は約300億香港ドル(約4,200億円)、中国オンラインゲーム大手企業の網易(NetEase)は約243億香港ドル(約3,400億円)と、それぞれ資金調達を行った。

香港は国際金融センターとして、世界多国から豊富な投資資金が集まっている。多くの中国企業は資金調達のために、香港株式市場に上場している。また、米中の貿易戦争や諸々政治問題により、米国は米上場の中国企業に対する引き締めにより、米市場に上場している中国企業がが米国株式市場から香港株式市場に移る動きがさらに活発すると思われる。

一方、香港・中国の政治問題が悪化すれば、米国からはじめ、世界各国からの投資MONEYが減少すると懸念され、今後香港の政治や経済の傾向を注目したい。

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