コロナの影響でも、世界で唯一経済成長を維持する中国。

中国

2020年7月16日、中国国家統計局は中国2020年第2四半期のGDP成長率を発表した。
同期間のGDPは前年同期比+3.2%となり、第1四半期(前年同期比-6.8%)からプラスに転換した。今回の発表結果では、市場予想(前年同期比+2.8%)を上回り、市場にポジティブなサプライズを与えた。

今回プラスの要因は主に2つ。

1.中国政府主導の支援政策
景気政策として、中国の人民銀行、財政部、証券監会など5つの重要な機関は新型コロナウイルスの影響に対する多くの経済対策を打ち出した。金融市場への資金提供(流動性)や中小企業に対する融資支援、個人に対する各補助金やローン返済の支払延長など政策の支えによって中国経済が大きく落ち込むことを回避した。

2.速やかな経済活動の再開。
2020年第1四半期、新型コロナウイルスの影響で多くの企業は生産活動を中止し、GDP成長率は前年同期比-6.8%と大きく落ち込んだ。しかし、医療崩壊を避けるために都市封鎖や人民解放軍の医療スタッフの投入など、中国政府が様々な対策を打ち出した結果、4月には状況が一旦落ち着き、多くの経済活動が再開した。

新型コロナウイルスの影響で世界第1位の経済国である米国のGDP成長が落ち込むと予想されるなか、中国の対策が功を奏し成長を維持するのであれば、世界第1位の米国と第2位の中国の戦いはあらゆる場面でさらに激化すると思われる。そのため、今後グローバル経済活動を行う皆さんにおいては米中の貿易や政治など様々な動向を注目しなければならない。

著者:gramマネージャー Adrian Poon 
公開日:2020年07月27日

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