エストニアのスーパーマーケットの様子
日々の生活に欠かせない食料品、日用品を手に入れるのに欠かせないスーパーマーケット。エストニアのスーパーマーケットも機能的には他国とさほど変わらないが、ヨーロッパという陸続きの特性から国内企業だけでなく外資系スーパーも多く存在している。エストニアのスーパーマーケット市場を紹介していく。
エストニアのスーパーマーケットの様子
著者:エストニアgram fellow さえきあき
公開日:2023年12月4日
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エストニア企業のスーパーマーケット
ヨーロッパでは陸続きの国が多いことから、小さい国は外資系のサービスの進出により自国企業があまり育たないケースがある。エストニアも若干その傾向があるのだが、エストニア国内のみでみられるスーパーマーケットがいくつかある。以下2つは国内全体に分布しているエストニア産スーパーマーケットだ。
1つ目はCoop
圧倒的な店舗数でエストニアのスーパーマーケット市場において常にトップ。Coop運営のスーパーマーケットは世界中どこにでもあるため、あまり珍しくはない。価格も安すぎず高すぎずで使い勝手のいいスーパーだ。
2つ目はSelver
デパートや小売店を複数運営するエストニアの企業によるスーパーである。他のスーパーに加えて全てのものが少し高い。エストニアの高級スーパーといったところだろうか。10年ほど前はラトビアにも数店舗あったらしいが、経営が難しく数年で潔く撤退してきたという過去を持つ。
エストニアの外資スーパー
市場の人口が約130万人ともなると、自国のスーパーだけでなく近隣諸国にある巨大企業のスーパーがエストニアへと進出することも普通である。
エストニアにある外資系スーパーで、街の中心地にも郊外にも、ある程度どこへ行っても見かけるスーパーマーケットにMaximaとRimiがある。
Maximaが青と白色のスーパーで、Rimiが真っ赤なスーパーだ。どちらの店舗もエストニア国内に広く分布している。
Maximaは、リトアニアのスーパーマーケットでバルト三国だけでなくリトアニアのもう一つ南の国、ポーランドとそしてバルカン半島の国、ブルガリアにも展開する計5ヵ国にまたがる大企業だ。
一方、赤いカンパニーカラーRimiはラトビアに本社を置くスーパーマーケットで、さらに複雑なことにその親グループはスウェーデンにある。しかしながら展開はバルト三国だけに留まりスウェーデンにはRimiは1店舗もない。
各スーパーマーケットの市場支配力
調査は2022年9月に行われ、15-74歳の1669人が参加した。
1番になっているのはCoopで23%、次いで2番はMaxima。3番はSelver、4番はRimiとなっている。
最も大きい割合を占めているCoopは、エストニアのスーパーマーケットの中で他社より抜きんでて店舗数が多い。その数は約280店舗。次いで店舗数の多いMaximaとRimiがそれぞれ約80店舗を展開していることを考えると、2倍近くの店舗数がある。
グラフを見ると、上位4つのスーパーマーケットで他に大差をつけて大きなシェアを占めており、そのうちの2つは上で紹介した外資系のスーパーである。
最後に同率5位でランクインしたフィンランドのPrismaとドイツのLidlであるが、注目すべきはLidlである。
Lidlはドイツのディスカウントスーパーで、2022年3月に初めてエストニアに進出した。今はエストニアの主要都市に数店舗ずつ進出している。調査が行われた9月はまだ進出してから半年も経過しておらず、その時点で市場シェアに割り込んできているというのは驚くべき事実である。
昨今の物価高が影響しているのか、安く買えるというのは購買者にとってを魅力的な要因となっているのだろう。
(画像引用元・参考:Statista :Top supermarket chains by market power Estonia 2022 | Statista
https://www.statista.com/statistics/1405505/supermarket-chains-by-market-power-estonia/)
(引用元:err :First Lidl stores opening in Estonia this Thursday | Economy | ERR
https://news.err.ee/1608514817/first-lidl-stores-opening-in-estonia-this-thursday)
(引用元:ヘルシンキ経済新聞 https://helsinki.keizai.biz/photoflash/18/)
まとめ
エストニアのスーパーマーケット界は、国内外のスーパーマーケットが競合する多様な市場だ。インフレの中価格に敏感な消費者の支持を受け、外資のディスカウントチェーンが急速にシェアを拡大している。これは人々がコストを重視している明確な証拠だ。豊富な選択肢は消費者にとって利点だが、国内外企業の健全なバランスがエストニア経済の持続的な発展には必要だろう。