海外のお風呂事情:ニュージーランド

オセアニア

海外在住の日本人が声を揃えていうのが、日本のお風呂が恋しいという意見です。色々な国からの移住者が多いニュージーランドではシャワーだけで終わらせる人が多く、なかなか共感できる人は少ないのです。しかしニュージーランドの家の写真を見ていると、バスタブ付きの家がほとんどであるもののバスタブを使っている様子はありません。

ニュージーランドのお風呂事情の背景にはどういったものがあるのでしょうか。

海外のお風呂事情:ニュージーランド

   著者:ニュージーランドgramフェロー 河本 梨奈
公開日:2023年1月09日

「バスタブが必要ない」という意見が増えてきている

ニュージーランドのお風呂ではシャワーを使って体を洗うのが基本なので、バスタブをわざわざ使うという人は少ないです。典型的な欧米スタイルで、在住日本人同士でもお風呂に浸かる機会があるという人には羨ましいとの声があがります。筆者もニュージーランドに住み続けて3年半になりますが、ニュージーランドに来てから一度もお風呂に使っていません。お風呂に浸からないことには慣れてきますが、お風呂に浸かった後の体がほぐれる感覚は恋しいなと思います。

ニュージーランドの人たちにとってはお風呂に浸かることはあまり日常的ではありません。ニュージーランドでは家を保有してはフラットメイトを募集、部屋を貸し出し、ハウスメイトで家賃をまかなっています。シャワーをシェアしてもバスタブにためたお湯をシェアするような話は聞かないです。そんなこともあり、2014年に実施されたアンケートでは23〜34歳の39%の人たちから「家にお風呂がなくてもいい」という意見がでています。

バスタブが家にあっても放置されているのが事実

過去に多くの家に住みましたが、ニュージーランドのバスルームは以下のスタイルがメインです。

・シャワールームのみ
・シャワールームとバスタブが別の位置
・バスタブ内にシャワー

お風呂の給湯システムが日本と異なり、お湯をいつでも沸かすシステムではなく、一定時間かけてお湯をタンクに貯めていきます。そのため、お湯のストックがなくなると新しいお湯が貯まるまで、冷水でしかシャワーを浴びれなくなるという事態になるのです(この場合、キッチンで使うお湯も含まれます)。

お湯のタンクの大きさは家によって異なりますが、全員がシャワーを浴びれるように10分以内にシャワーを終わらせる傾向にあります。バスタブにお湯を貯めるとなるとかなりのお湯を一度に使ってしまいます。水道代が高くなるため大量の水を使うことも難しいです。バスタブがあっても使われることが少ないのは、以上の理由からだといえます。

お湯に浸かりたい場合は「ホットプール」「温泉」でまかなうことも

ニュージーランドの癒しスポットのひとつとして、ホットプールや温泉が挙げられます。日本と違うのは水着を着用しないといけない点です。ホットプールは温泉と違ってミネラルといった自然の健康要素はありませんが、気軽に楽しめる場所として親しまれています。

ニュージーランドは日本同様火山帯に位置しているため各地に温泉スポットが散らばっており、ロトルアでは本格的な硫黄の匂いが街中で感じられます。お湯に浸かることが、日常の一部ではなく休みの日の贅沢として過ごすのがニュージーランドスタイルです。

まとめ

ニュージーランドでは、給湯システムによるお風呂事情からシャワーのみの家庭がほとんどです。お湯に浸かることが好きな人はホットプールに行ったり、水に浸かりたいニュージーランド人は冷たくても海で泳ぐ人がいます。

日本人にとってはお湯に浸かれないことが辛いかもしれませんが、ホットプールの存在だけでも少し救いを感じるのではないでしょうか。

引用

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