エアアジア「世界最高のLCC」15年連続受賞|その秘訣と業界への影響

マレーシア

エアアジアが15年連続で「世界最高のLCC」に選ばれた背景には、革新的なビジネスモデルがあります。わずか2機から始まり、アジア第4位の航空会社へと成長したエアアジアの戦略は、ビジネスパーソンに多くの示唆を与えます。徹底したコスト効率の追求、デジタル技術の活用、そして「誰もが飛べる」という明確なビジョン。これらの要素がどのように組み合わさり、競争の激しい航空業界で圧倒的な優位性を築いたのか。
エアアジアの成功事例から、業界の常識を覆す革新的なアプローチと持続可能な成長戦略を深掘りいたします。

エアアジア 「世界最高のLCC」15年連続受賞  

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年11月11日

エアアジアの成功の軌跡:2機からアジア第4位の航空会社へ

エアアジアは、ASEAN地域で、より多くの人が「低価格でかつ便利に」飛行機の旅ができるようになることを経営理念としています。その機体にも「Now Everyone Can Fly !」と記されています。
同社は、アジアでの路線拡大を続けることで、観光業をはじめとする地域経済の活性化を実現している有数の航空会社と言えます。

徹底した低価格戦略

エアアジアは、ASEAN地域で、より多くの人が「低価格でかつ便利に」飛行機の旅ができるようになることを経営理念としています。その機体にも「Now Everyone Can Fly !」と記されています。

同社は、アジアでの路線拡大を続けることで、観光業をはじめとする地域経済を活性化を実現している有数の航空会社と言えます。

衝撃の登場!

エアアジアが登場したときの驚きは今でも覚えています。
当時私は、シンガポールに駐在して、マレーシアやタイ・台湾などに出張を頻繁にしていました。緊張しながら、はじめて会社を通さずに、インターネットで自身でエアチケットを注文し、まだ一般的ではなかった「格安航空(LCC)」を体験しました。
クアラルンプール空港の傍らにターミナルがありましたが、ほとんど倉庫と言っていいほどの簡単な建物で、コンクリートが打ちっぱなしのところに、多くの人々が群がってチェックインしており、そのわい雑さとものすごい活気には度肝を抜かれました!
「これは革命的だ!」と直感し、それ以降は、その成長度合いを確かめるように、頻繁に定期的に利用するようになりました。

エアアジアの成功戦略:15年連続「世界最高のLCC」の秘訣

エアアジアは、なぜ、15年連続で「世界最高の格安航空」の称号を獲得できるのでしょうか?
その理由には以下のことがあげられます。

エアアジアの最大の強みは、極めて効率的な運営を実現して、低コストを実現している点です。
よく知られていますが、エアアジアはエアバスA320シリーズを主力機材としており、単一機種に集中することで、保守や訓練コストを低減しています。
また、エアアジアは機体の地上滞在時間を極力短くし、1日に何度も飛行させることで利益率を最大化しています。長距離の路線でも、往復の運航となるよう運航スケジュールを調整し、機体を最大限活用することで、収益を増加させています。
さらに、機内飲食、荷物の追加料金などの追加サービスが必要な場合には、有料化することで、基本運賃を低く抑える戦略を採用しています。

エアアジアはデジタル技術を活用して、サービスの改善に注力しています。
とくに、モバイルアプリの普及を図り、チケット予約や座席選択、追加オプションの購入など、すべての作業が簡単にできるモバイルアプリを提供し、顧客満足度を向上させています。

エアアジアの革新:航空業界に与えた影響と今後の展望

エアアジアはこのような戦略により、格安航空のモデルを世界に示しました。その影響は計り知れないものがあります。
格安航空の概念を世界中に広め、多くの航空会社に影響を与え、航空産業全体にも、革新をもたらし、より安価で多くの選択肢を顧客に提供することが可能になりました。
今後のさらに成長を続けていくであろうエアアジアを見続けたいと思います。

Malay Dragon

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マレーシア・シンガポール在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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