シンガポール、生活費ランキング1位獲得!一体なぜ高いのか徹底解説!

シンガポール

スイスの資産管理会社である「ジュリアス・ベア・グループ」の2023年の「グローバル・ウェルス&ライフスタイル・レポート」調査で、ぜいたくな生活をしたい人にとって、シンガポールが世界で最も贅沢な生活費がかかる都市に選ばれました。

そこで今回の記事では、ビジネス人材を世界から引き寄せる人気の都市国家シンガポールの生活費の実際について解説します。

贅沢な生活に最もお金がかかるのはシンガポール

   著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2023年 7月28日

最もコストの高い都市

シンガポールは、2022年の5位から躍進し、アジアで上位についていた上海と香港を抜き、世界で最もコストの高い都市になりました。上海と香港はそれぞれ2位と3位となり、地域別ではアジアが4年連続で最もコストの高い場所となりました。東京は15位となり、アジアの中では比較的低コストな都市となっています。4位がニューヨーク、5位にロンドンがランクインしています。欧州・中東・アフリカが地域としては最も低コストとの結果が出ています。  

富裕層対象に調査

この調査は、投資可能な家計資産が100万ドル(約1億4,200万円)以上の富裕層を対象に、2023年の2月から3月にかけて実施されました。

この調査では、「ライフスタイル・インデックス」として、住宅用不動産や車、ビジネスクラスの航空券、ビジネススクールや豪華ディナーなど、ぜいたくにかかる費用を分析して世界の都市を格付けしています。

コロナ禍における各種の制限が解除された影響が表れ、旅行や娯楽の需要が高まっており、ホテルのスイートルームやビジネスクラス航空券の値上がりが大きくコスト高に影響している結果が出ています。

駐在員生活でも高コスト

外国人駐在員にとって最も生活費が高い都市のランキングにおいても、シンガポールは家賃の急騰が影響して2023年の調査では5位に急浮上しています。

贅沢をしなくても、シンガポールは非常にコストがかかる都市であることは明らかになっています。

なぜシンガポールの生活費は非常に高いのか?

ではなぜ、シンガポールの生活費は高くなるのでしょうか?

その理由の一つとして、国土の狭さからくる土地不足があげられます。シンガポールの国土面積は 733.1 km²で、東京23区の面積と同じくらい。総人口は 566万人で人口密度は世界第 3 位になります。

シンガポールは、外国人の人口が増加しているため、土地の有効活用が重要になっています。

したがってシンガポールで土地は非常に貴重品で、人口増加の結果、不動産の需要がますます増加しているが供給は限られているため、不動産価格が上昇しています。 HDB (政府の制度によって建築された集合アパート)の中央価格は 495,000 シンガポールドル(約5,200万円)で民間のコンドミニアムでは 1,467,778 シンガポールドル(約1億5,500万円)と非常に高価格です。

車の所有コストが世界で最も高い

国土が狭いため、シンガポールでは国民全員が車を所有すると、道路が渋滞し、駐車場が足りなくなる恐れがあるため、政府は自家用車の所有を制限し、「COE(Certificate of Entitlement)」と呼ばれる「車の権利証明書」制度を採用しています。その結果、シンガポールは世界で最も車を購入するコストが高い国になっています。

たとえば、トヨタ カローラ クラスの新車価格は約16万 5,000 シンガポールドル(約1,720万円) となっており、過去最高額になっております。

稼げる都市?

コストが高いのは事実ですが、シンガポールは相変わらずグローバルにビジネス人材を引き寄せていることもまた事実です。

以前この記事でもお伝えしたように、シンガポールでは外国人のビザの規制が強化されていますが、外国人の高度人材の雇用は加速しています。

生活費が高コストのわりに、シンガポールでの所得は一般的に非常に高く、さらに個人所得税は最高税率は22%(2024賦課年度より24%)と比較的低いままのため、富裕層を中心に稼げる都市として、香港などの他の人気都市に比べても人気を保っています。

関連記事一覧