約30年続くマレーシアと東京都板橋区との交流 

マレーシア

2022年5月にマレーシアのイスマイル・サブリ首相とアブドラ外務大臣、アズミン国際貿易産業大臣、アズム青年スポーツ大臣、イドルスマレーシア駐日臨時代理大使ら一行が、板橋区役所を訪問しました。
マレーシアのニュースでは割と大きく取り上げられていました。
筆者は、両者の交流がすでに30年近く緊密に続いていることをこのニュースで初めて知り、正直びっくりしました。
今回の記事では、マレーシアと板橋区との交流について紹介します。

マレーシアと東京都板橋区との交流

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2022年8月31日

交流の経緯

マレーシアと板橋区との友好関係は、平成6年から始まった相互の植物園同士の友好提携から始まりました。平成6年に熱帯環境植物園(板橋区立)とペナン州立植物園との間で「友好提携に関する共同声明」が調印され、植物・種子の交換や技術交流などを通じた友好関係が開始しました。
それから交流を重ね、平成20年7月にはペナン植物園内での「日本庭園」竣工を記念し、公式訪問団と区民訪問団がペナン植物園を訪問するなど区民レベルでの交流も開始されました。
平成27年には、当時のマハティール元首相が来日時に板橋区役所を訪問しています。
平成29年には、板橋区中学生海外派遣事業(各区立中学校から1名が派遣)が開始され、以後毎年実施されています。
その後も毎年相互交流が続いています。

今回の訪問

今回(2022年5月24日)の訪問では、区内の企業らを交えた経済交流会を区役所本庁舎で行い、また翌日には、マレーシア側からの依頼により、板橋区の水害対策の説明をする場が設けられ、水害に関する情報交換が行われました。

歓迎セレモニー

区役所本庁舎で歓迎セレモニーも開かれました。歓迎セレモニーでは、志村第一中学校の代表が英語で歓迎のスピーチを行い「マレーシアに存在している、調和的な多文化主義は、世界のあるべき姿である」と述べ、会場が拍手に包まれました。
続いて区長がマレー語で挨拶をしたあと、植物園同士の交流から始まり着実に発展してきたこれまでの友好関係への謝辞を述べ、区内企業・大学をはじめとする多くの団体との一層の連携強化につながることへの強い期待を述べました。
それを受けて、サブリ首相が、両国の緊密な友好関係を示すセレモニーが開催されたことへの謝辞を述べたあと、
 (1)世界的なパンデミックに対する意見交換などからの学びに興味があること
 (2)志村第一中学校生徒代表のスピーチへの謝辞と、このような若者の社会参加が重要で
    あること
 (3)式典の後に行われたSDGsに関する署名セレモニーの意義は、「人類の原則を守りな 
    がら、世界をより平和に繁栄させていくことに向けた両国間の協力を示す」点にある
    こと
 (4)日本への称賛と、地域及び国レベルでSDGsの協力を行っていくとの考え
について演説しました。

SDGsの推進に関する文書の署名

クアラルンプール市長と、「SDGs未来都市」である板橋区の区長は、「経済・社会・環境の側面から板橋区とマレーシアが相互に学び、パートナーシップを大切にはぐくむことによって、SDGsの17の目標達成に取り組む」との文書に署名しました。

水害に対する板橋区との協力関係

年間平均降水量が東京の1.8倍近い約2,800ミリメートルとなるクアラルンプール市周辺では、多発する洪水の克服が喫緊の課題となっており、板橋区の水害対策である「洪水ハザードマップ」 や「タイムライン防災」にマレーシアは強い関心を示し、情報共有を行いました。

小さな交流が実を結ぶ

植物園同士の交流からスタートし、緊密な交流によってその関係性は着実に育ち、マレーシアと板橋区との間には強固な信頼関係が築かれてきました。
個人や民間レベルの小さな草の根の運動や交流が人々の間に根を下ろし、より大きな運動へと発展していく良い例だと強く実感しました。
不穏になっている世界の現在の状況の中で、非常に心強く感じさせてくれるニュースでした。


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