マレーシアでもお得感を刺激する景品付き商品の販促マーケティング
日本同様、マレーシアでもスーパーや小売店舗で購入した商品に、企業ロゴの入ったノベルティやおまけがついてくることがある。また、1本買うと1本タダ(buy one get one free)、商品を買うとサンプル商品がついてくるいわゆる「プロモーション(販売促進)」は日常的に行われる。
今回お伝えするのは消費者向けのプロモーションについてだ。
特に力が入るのが、マレーシアの中心となるマレー系、中華系、インド系の新年、またはそれに準ずる祝日およびクリスマスとなる。
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マレーシアでもお得感を刺激する景品付き商品の販促戦略
著者:マレーシアgramフェロー 逗子マリナ
公開日:2023年8月4日
グローバル企業ネスレ系のプロモーション
世界最大の食品・飲料会社のネスレ。マレーシアでも20種類以上の飲料や食料品ブランドを展開していて、そのどれもが消費者の認知度が高い。
ネスレ商品で人気なのが、「実用的で、すぐに使える」景品を商品につけるプロモーションだ。その中からいくつかご紹介する。
常夏のマレーシアではあるが、クリスマスシーズンに展開されたのが、インスタントコーヒー200g×2本+保温タンブラーで販売価格はRM88(約2640円)。
200gのインスタンドコーヒーの店頭価格はRM40(約1200円)前後であるため、通常価格をやや上回るが、保温タンブラー込みの価格であればと好評だった。
ただし商品展開は外国からの駐在員、移住者、地元の中間層以上向けのスーパーに重点を置いていたようで、ローカルスーパーチェーンでは扱っていないところが多かった。
休憩タイムや旅行時のスナックとして人気のキッカットは、ご当地フレーバーや地域、期間限定品など種類が多く人気がある。特に日本でのみ販売されている商品はマレーシアでも「日本みやげ」の定番として人気なだけではなく、SNSでもアップされるなど話題となっている。
そのキットカットには、スクールホリデイ(日本でいう小中学生の夏休みや冬休みの長期休み)の時期に帰省や旅行向けの旅行ポーチをつけた。こちらは子どものみならず、その実用性から大人にも好評だった。一口サイズのキットカットが8つ入った袋が2つとポーチでRM13(約390円)。
マレーシアの消費者のペルソナについて
東マレーシアに位置するサバ州コタキナバル在住の312人の消費者を対象に商品購入に関して調査が行われた。消費者の購入モチベーションには値下げ、試供品付き、特典などが関係していることがわかった。また教育レベルなどは消費活動には大きな関係性はないと判明した(※1)。
よく見られる割引クーポン自体は商品の売上増にあまり影響を及ばすことがなくメリットが少ないとの結果となった。
同じ商品を買うのであれば、次回に使える割引よりも、購入時に手に入るお得さにメリットを感じるのがマレーシアの消費者の特徴であるようだ。