F1シンガポールグランプリ3年ぶりの開催

シンガポール

2022年シーズンのF1シンガポール・グランプリ(Formula 1 Singapore Grand Prix 2022)が、F1シリーズ第17戦として、10月2日(日)マリーナベイ市街地コースで3年ぶりにナイトレースで開催されます。
市街地をマシンが爆走するスリルたっぷりのレースです。
今回の記事では、F1シンガポールGPについて解説します。

F1シンガポールグランプリ3年ぶりの開催

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2022年9月29日

F1初のナイトレース

F1シンガポールGPは2008年から開催されているF1レースです。
シンガポールの市街地を巡るコースとなっており、コースの大半が一般道を使用しています。またF1初のナイトレースです。
グランプリのためのコースは毎年設営され、コースを60周以上疾走するレースカーを見ることができます。サーキットの常設されたコースよりもマシンまでの距離が圧倒的に近く、時速300kmのF1マシンが間近を駆け抜けるスピード感と迫力がシンガポールGPの最大の魅力となっています。
さらに毎年レース前に有名アーティストのライブも開催され、今までにはBon Joviや日本からはSEKAI NO OWARIも参加しており、ライブはチケットを持っていれば無料で見ることができてとってもお得です。
シンガポールGPは2008年からコロナ禍前の2019年まで行われ、これまでに約55万人の観戦客が国内外から訪れており、観光収入は15億シンガポールドル (日本円で約1,200億円)にものぼる一大イベントです。

3年ぶりの開催

新型コロナウイルスの影響で2年間中止となっていましたが、今年は3年ぶり、9月30日〜10月2日の3日間で開催予定です。
シンガポール政府観光局は、F1シンガポールGPの開催契約を今年から2028年の7年間延長契約で合意したと発表しており、契約更新を行うのは4回目です。

F1の経済効果

シンガポールGPは観光客誘致の目玉とされており、経済効果は毎年約100億円と算出されています。シンガポールが活気ある革新的な都市であるというイメージを世界に発信していることはもちろん、レースがもたらす経済効果も莫大です。 開催費用の60%をシンガポール政府が負担していますが、シンガポールGPは地元企業にとっても絶好のビジネスチャンスとなっていて、レース関連事業の90%以上をシンガポールの企業が下請けとして担っています。
観光業はもちろん建設からエンジニアなど様々な分野のビジネスを支えており、会場では準備から開催まで、約30,000人の人々が業務に従事しているそうです。
世界に放映されるテレビ中継の時間帯としても、欧米に有利な時間帯で生中継できるナイトレースは、経済効果でもダブルのメリットが期待できます。

小国の覚悟す

資源を持たない小さな島国であるシンガポールは、外国から資本や技術、人材等を導入することによって発展し、さらに前進を続けるため、常に新しいことに挑戦しています。その一つが世界初の夜間街頭レースであるF1のシンガポールGPです。その後もカジノ2ヵ所を同時に開業させたり、ユニバーサルスタジオの開業などが話題になりました。
政府も「この国は立ち止まることが許されない、いつも走っていなければ倒れてしまう」と述べています。
このように変化の速い社会がシンガポールの魅力であることは間違いないでしょう。
その変化の速さには小国としての覚悟が強く感じられます。

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