マレーシアのヘイズとデング熱:2023年の状況と対策

マレーシア

マレーシアでは乾季に「ヘイズ」と「デング熱」という2つの危険が毎年のように発生します。今年は特に注意が必要な状況となっています。本記事では、ヘイズとデング熱の現状や影響について詳しく解説します。マレーシアを訪れる予定の方は必見です。
ヘイズとデング熱への対策も紹介しますので、安心して滞在を楽しんでください。

マレーシアのヘイズとデング熱:2023年の状況と対策  

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年7月13日

最悪の事態に備えるよう

「Haze(ヘイズ)」は、気象用語で「煙霧(煙害)」と呼ばれ、マレーシアなどの東南アジアでは、毎年モンスーン(季節風)の時期である乾季(4月から10月)に発生し、大きな影響があります。

先日、シンガポールのシンクタンクであるシンガポール国際問題研究所が報告書を出し、マレーシアの保健省も警告を行っています。今年、東南アジアでは深刻なヘイズが発生するリスクが高いようです。

2019年に年次報告書を発表して以来、ヘイズに対して最悪レベルの「赤」評価を与えたのは初めてですが、汚染物質基準指数(PSI)が危険レベルに達した2015年ほどには深刻な状況にはならないと見込んでいます。

ただ報告書では、最悪の事態に備えるよう警告しています。

エルニーニョ現象による影響大

暑さと乾燥した状態をもたらすエルニーニョ現象が今後数ヶ月間にわたり発生する可能性が高く、近年に比べて激しい乾季が長期化して10月まで続くと予想されています。そのためヘイズの影響も大きくなると同研究所は発表しています。

(引用元:CNA :Singapore coordinating action plans amid higher haze risk
https://www.channelnewsasia.com/singapore/haze-risk-higher-dry-weather-el-nino-n95-face-mask-air-purifier-3524741

アプリで確認しよう

ヘイズが発生すると窓の外が白っぽく霞んだようになり、焦げ臭い匂いを感じます。そして身体にも重大な影響を及ぼし、目が乾燥したり、のどが痛くなったり、咳き込んだり、ひどくなると皮膚のかゆみや頭痛をもたらし、気管支炎を引き起こします。

この時期マレーシアに滞在する際には、ヘイズの値を確認できるマレーシア環境省のアプリ「MyIPU」をダウンロードして活用しましょう。私も毎日確認しています。
Androidでは10万以上のダウンロード数を誇るアプリで、マレーシアにおける大気汚染指数(API)を表示します。

デング熱、2022年より2.8倍

マレーシア保健局は、全土でデング熱の活動性が上昇しており、2023年は1月1日から5月29日の間ですでに4万5,100人以上の症例が報告され、昨年の同時期より2.8倍多くなっていると発表し、注意を促しました。

毎年デング熱(Dengue/マレー語では Denggi)は、数万人の患者が出ています。死亡者も出ており、全土で一年中脅威となっています。

通常、蚊の繁殖に理想的な環境条件になる 10 月から 3 月にかけて感染が最も多くなりますが、今年は感染者数が6万4,078人となった昨年の2倍以上のペースで感染者が増加しており、これをうけて、在マレーシア日本大使館も注意喚起をしています。

デング熱の症状は?

デング熱はウイルスを持つ蚊に刺されることにより発症し、主な症状としては、発熱(38~40℃)や頭痛、吐き気や全身の筋肉痛などがあります。

重症化率は低く、死亡に至るケースも1%未満ですが、デング出血熱という重篤な病気に至り適切な手当てがなされない場合には、40~50パーセントが死亡するといわれています。

また、コロナよりも症状が断然きつい、と経験者は口を揃えて言っており、正しい感染対策が必須です。

アプリで周辺状況の確認

マレーシアに滞在する場合、周辺のデング熱の感染状況をアプリで確認するといいでしょう。コロナの感染情報を登録するアプリ「Mysejahtera」で、自分の周辺半径200mのデング熱感染状況が確認できます。

また、フォギングと呼ばれる殺虫剤の噴霧が行なわれて、周囲全体が真っ白く覆われている場合には、周辺でデング熱患者が出た可能性がある(定期的に行う噴霧の場合もあります)ので、注意しましょう。

しっかりと対策を

「ヘイズ」も「デング熱」も、しっかりと対策をすればそこまで心配する必要はありません。

以前の記事や保健省などが発信している情報を参考にしっかりと対策して、マレーシア滞在をエンジョイしてください。

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