2024年 50万人以上のマレーシア人が日本を訪問

日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2024年のマレーシアからの訪日者数は前年と比べて21.9%増の50万6,800人、過去最高を記録しました。
2024年12月の訪日者数も、前年同月比で17.8%増の7万1,600人で過去最高でした。
この記事ではマレーシア人の訪日者数が増加している要因などについて解説します。

2024年 50万人以上のマレーシア人が日本を訪問
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2025年4月17日
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過去最高

日本政府観光局の発表では、2024年12月に日本を訪れた観光客数は273万人で過去最高を記録しました。さらに、2024年通年の訪日外客数は前年比の47.1%増の3687万人で、過去最高であった2019年を上回りました。
旅行消費額も増加傾向
日本を訪れるマレーシア人の旅行消費額は2023年には931億円と、コロナ前の水準を上回る大幅な増加を見せていて、2024年はさらに増えたと予想されます。訪日マレーシア人の一人当たりの旅行支出も、2023年には約22万4,013円と大幅に増加しています。 支出の内訳では宿泊費が最も大きく、次いで買い物代が占めています。
月別の訪日者数では12月が最も多く、次いで3月から4月の春が人気となっています。
マレーシア人の訪日数増加の背景
マレーシア人の訪日数が増加している要因としては、経済的な要因、ビザ政策、観光ブーム、航空路線の発展、文化的要因などが複合的に影響しています。
以下、それぞれを詳しく説明します。
①経済的な要因:
マレーシアは近年安定した経済成長を続けており、訪日旅行が可能となる富裕層や中間層が増加しています。
2000年代以降マレーシアは着実な経済成長を遂げ、GDPも成長を続けています。その結果中間層が拡大し、 海外旅行への関心も高まり、旅行を楽しむ余裕がでています。
最近では円安とリンギットの安定化の影響により、マレーシア人にとって日本旅行がより手頃なものになっています。
②ビザ免除:
2013年7月、日本がマレーシア人に対する短期滞在ビザを免除していて、これにより日本旅行の手続きが簡略化され、個人旅行の増加につながっています。
さらに2010年代からLCCが急成長し、訪日旅行のハードルが下がっています。
③訪日ブーム:
マレーシアでは日本人気が1980年代から継続しており、日本文化への関心もますます高まっています。近年では「ワンピース」や「鬼滅の刃」などがマレーシアでも非常に人気となり、アニメの聖地巡礼を目的とした旅行も増加しています。
また相変わらず日本食文化への関心は高く、本場で味わいたいという熱意も需要も増えています。
④新しい体験への需要:
日本の四季を体験することが特別な魅力となっています。最近では、特に冬の雪景色を楽しむ旅行が人気で、北海道や長野・東北のスキー場が人気を博しています。
私の友人たちも、定番の春の観光を済ませていて、マレーシアでは体験できない極寒のシーズンや、日本の伝統的な文化や習慣が残っている地方を目指す人が増えています。
⑤ムスリム向けの対応強化:
日本のハラール対応の食事や礼拝スペースの増加、さらにはムスリム向けの観光パンフレットの増加など、ムスリムフレンドリーな施策が訪日数増加を後押ししています。
今後さらに増加する可能性が高い
訪日外国人4,000万人目標という日本政府の観光政策と連携し、さらなる受け入れ環境の整備が進んで円安が続けば、訪日旅行はさらに魅力的なものになります。
マレーシア国内の経済成長が続けば海外旅行への支出増加が期待され、マレーシア人に人気の観光地日本を訪れる人はさらに増加するとみられます。
今後は地方観光のさらなる促進と、オーバーツーリズムの問題にどう対応するかが日本側の課題として問われています。