ペナン州を訪れる観光客数   中国が急増 

マレーシア

2025年1月以降、ペナン州を訪れる観光客数において、中国からの観光客数がシンガポールを抜いて2位になったと発表されました。

クアラルンプール経由や陸路での訪問者を含めると、ペナンを訪れている中国人観光客の総数はさらに増える見込みです。

今回は、ペナン州やマレーシアの観光動向と今後について解説します。

ペナン州を訪れる観光客数   中国が急増   

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2025年8月15日

昨年と比べて118%増

2025年2月のデータによると、国際便でペナンに到着する中国人観光客の数は33,151人に達していて、昨年の2月と比較して118%の大幅な増加を示していることが、ペナン観光創造経済委員会のウォン委員長の発表で明らかになりました。

ペナンは中国の別の大都市からも新たな直行便が就航予定で、中国のメーデー、ゴールデンウィークの旅行ピーク時に開業すると、委員長は述べています。

8番目の直行路線に

現在ペナンは、中国の上海、香港、深セン、重慶、西安、広州、厦門の 7つの都市と直行便で結ばれていて、この新しい航路は8番目の直通路線となる予定です。

ウォン氏は「これが観光、ビジネス交流、文化交流に新たな活力を吹き込み、国際的な観光地としてのペナンの地位を強固にするだろう」と付け加えました。

香港便は激戦

今年、キャセイパシフィック航空は週8便、エアアジアは週7便、香港エクスプレス航空は7便で、香港からペナンへの直行便の総数は昨年の週7便から週22便に増え、激しい競争によりこの路線は激戦市場になっています。

マレーシア全体の観光客動向

2024年、マレーシアは目標の訪問客数2,730万人には届かなかったものの、前年の2,014万人から24.2%増の2,501万人の国際観光客を迎えました。その内訳は、シンガポール(910万人)、インドネシア(365万人)、中国(329万人)、タイ(164万人)、ブルネイ(114万人)でした。 ​

中国からの旅行者の状況

2024年の中国からの観光客数は329万人で、前年の147万人から大幅に増加しました。​特にペナン州では、中国人観光客数が12万245人に達し、2019年の6万6,854人を大きく上回っています。

ペナンの特性

ペナン州はマレーシア北西部に位置していて、以下のような観光特性を持っています:

歴史的遺産:州都であるジョージタウンはユネスコ世界遺産に登録されており、植民地時代の建築や多文化が融合した街並みが特徴で、欧米人を中心に大変人気があります。

自然景観:ペナン・ヒルやペナン国立公園など豊かな自然環境が広がり、エコツーリズムの拠点となっています。

医療観光:高品質な医療サービスを手頃な価格で提供し、医療観光のハブとしても知られていて、2024年上半期にはマレーシアの医療観光収益の45%をペナンが占めました 。

観光業の経済的役割

観光業はペナン州の経済において重要な役割を果たしています。

サービス部門は州のGDPの49%を占めており、その中でも観光業は主要な成長産業のひとつです 。

2023年には1,312万人もの観光客がペナンを訪れ、前年の1,000万人から大きく増加しました 。また、2024年には海外からの観光客も大幅に増加し、中国、タイ、台湾からの訪問者が急増しています。

また前述の通り、医療観光収益の45%をペナンが占めています。金額にして約11億5,000万リンギットに達し、観光の柱として期待されています。

今後の展望

ペナン州の観光業は今後さらなる成長が期待されています。

ペナン・ヒル・ケーブルカー計画など新しい観光施設の開発が進行中で、さまざまな新規プロジェクトが訪問者体験の向上を可能にするでしょう。

自給自足やエコツーリズムの推進により、持続可能な観光地としての地位を強化しています 。

また、2025年1月から「Not the Penang You Know」キャンペーンが開始され、アジア、中東、ヨーロッパ市場をターゲットに観光促進が図られています 。

これらの取り組みにより、観光業は今後もペナン州の経済成長の主要な推進力となり、地域社会への貢献も期待されています。

Malay Dragon

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マレーシア・シンガポール在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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