シンガポールのコーヒー文化:フラッシュコーヒー5000万ドル資金調達

シンガポール

シンガポールに本拠を置くフラッシュコーヒーが5000万ドルの資金調達を果たし、急速に成長しています。グラブ・アンド・ゴーのスタイルやロボットバリスタの導入など、テクノロジーを活用したユニークなアプローチでアジア全土にプレミアムコーヒーを提供しています。また、シンガポールのコピティアムでは1ドルで楽しめる美味しいコーヒーが人気で、その文化は新旧が混合されながらも継承されています。
今回は、あらたな波「フラッシュコーヒー」について、またあわせてシンガポールのコーヒー文化について紹介します。

(引用元:フラッシュコーヒー https://vulcanpost.com/780570/ceo-flash-coffee-singapore-growth-plans/

シンガポールのコーヒー文化:フラッシュコーヒー5000万ドル資金調達

   著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2023年 7月7日

「グラブ・アンド・ゴー(grab・and・go)」スタイル

フラッシュコーヒーはシンガポールに本拠を置き、2020年1月にはジャカルタにインドネシア1号店をオープン。現在は6つの国と地域(インドネシア、タイ、シンガポール、台湾、香港、韓国)で合計250店舗以上を展開しており、2021年12月には表参道に日本1号店もオープンしました(現在は撤退しています)。

その特徴は「コーヒー業界のIT化」で、専用アプリで事前に注文し、並ぶことなく購入して店を出ることができる「グラブ・アンド・ゴー」スタイルで、テクノロジーの力でアジア全土の消費者にプレミアムコーヒーを広げるという使命を掲げています。  

ロボットバリスタ

時間に追われ忙しい通勤者や、コロナ禍以降、非接触が依然として続く企業のオフィスなどに、コーヒーや持ち帰り用の食べ物を提供するのに導入されています。 

2022年4月、ロボットバリスタの「ELLA」を運用するクラウンデジタル社は500万シンガポールドル(約5億円)の資金を調達し、シンガポールのMRT駅などへの展開だけではなく、アジア全域での展開を加速する予定です。

日本でも、2021年12月にJR東日本の東京駅と横浜駅構内でロボットコーヒーバリスタ「Ella(エラ)」のテストマーケティングを行い、その後の展開を予定しています。

コピティアム

シンガポールに 3,000 軒以上あるといわれるコピティアム と呼ばれる地元のコーヒーショップでは、コーヒー1 杯がわずか1シンガポールドル(約101円)、キリニー・コピティアムなどの有名チェーン店では1.50ドルでおいしいコーヒーが飲めます(現地ではKopi コピと呼ばれており、マレー語でコーヒーを意味します)。

シンガポール人はコーヒー好きで、毎年約 15,000 トンのコーヒーが消費されており、これは1人当たり約 2.7キロ飲んでいることになります。

時間があれば、友達に会えばコピティアムでコーヒーを飲んでいて、若い人から年配の方まで、コーヒーが生活の一部という人が多いという印象です。

シンガポールのコーヒー文化

シンガポールを含むマレー半島の全域では独自のコーヒー文化が根付いており、ホーカーセンターやフードコートには必ずコーヒー店があります。
それらの場所で飲まれているのが「コピ」と呼ばれる、コーヒー豆に砂糖やバター、マーガリンを加えて焙煎したローカルコーヒーで、豆がキャラメル化されて独特の香りがあります。

シンガポールのコーヒーは、19世紀に中国系の人により最初のコピティアムが開店されたことに始まります。コピティアムはヨーロッパ系移民の労働者のカフェインの補給の需要を満たすために設立されました。 

現在では、スタバのような「セカンドウエーブ」から、スペシャルティコーヒーを出す「サードウェーブ系」のカフェが主流になっています。

新旧が混合

シンガポールのコーヒー文化の多様さは、この新旧のコーヒー店がうまく混合されて利用されている点にあります。健康志向の強まりから甘みのある「コピ」は若い世代では敬遠されがちで、最新トレンドを支持し、新しいコーヒーカルチャーを生み出していますが、TPOでうまく使い分けしているというのを実感します。

以前この記事でも紹介しましたが、2020年12月には、シンガポールのホーカー文化がユネスコ無形文化遺産に登録されています。

コピ文化も長く受け継がれていくことと思います。

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