海外のお風呂事情:タイ南部編

お風呂事情

海外在住日本人及び海外長期旅行者の日本人が高確率で恋しがるもの、それはお風呂ではないでしょうか。マサイ族が戦闘民族ならば、我々日本人は銭湯民族です。
「真冬でもシャワーだけで一向に平気な日本人は海外生活に向いている」と、筆者は割と本気で思いますが、仕事や家族の都合などで向く向かない関係なしに海外生活に突入してしまった人達も少なからずいらっしゃいます。
タイをはじめ東南アジア諸国では、近年の急速な経済発展でエアコンや冷蔵庫が普及した結果、知らず知らずのうちに身体が冷え切っています。熱いお湯に浸かったりサウナで汗をかくのが健康にいいと、もっとタイ人にも知ってもらいたいですね。

▶︎実は温泉天国!タイ北部のお風呂事情

海外のお風呂事情:タイ南部編

   著者:タイgramフェロー フェルスマン伊緒奈 
公開日:2023年1月23日

タイ南部ではサウナを目指せ!

タイ南部のパタヤには、観光客や長期滞在者向けのサウナ施設がたくさんあります。改めて検索してみたところ100件以上出てきましたが、そのほとんどが宿泊客にのみ解放しているサウナ施設であったり、フィットネススタジオやマッサージ施設に申し訳程度についているささやかなサウナばかりでした。
今回は運動にもマッサージにも興味がない人でも使えて、もとい純粋に温浴施設のみをビジター利用できる2つの施設を紹介します。
どちらの施設も水着着用義務があるので気を付けてください。

▶︎実は温泉天国!タイ北部のお風呂事情

Q SAUNA

値段が220バーツとリーズナブル。こぢんまりした男女兼用のフィンランド式サウナ、スチームサウナ、シャワー、プールがあって、男女別の18℃前後の水風呂と41℃前後の湯船があります。プールが小さめなので、泳ぐより湯船とサウナ利用メインならこちらのほうが良いでしょう。

Mari-Jari Sauna and Spa

2012年にできたサウナ施設です。値段は380バーツとやや高額になりますが、男女兼用のロシア式サウナ、スチームサウナ、水風呂、シャワーがあって、男女別の湯船があります。温度計がないので正確な温度がわからないのですが、お湯はかなりぬるいです。もしかしたら日本人には物足りない温度かもしれません。
ロシア式サウナの前にはヴィヒタ(白樺の枝葉を束ねたもの。身体をパタパタはたいて血行促進します)も置いてあります。
プールが広くてゴージャスなので、泳ぎも楽しみたいならこちらの施設がオススメです。

タイ南部の一般家庭のおふろってどうなってる?

タイ南部でも一般家庭、高めのホテルですら湯船がついていないことがほとんどでした。
やっと見つけた一般家庭の湯船のメーカーを調べてみました。
American Standard社さんです。
アメリカに本社のあるメーカーさんのようですが、HPにはLIXIL、INAX、TOSTEM、など日本の水回りで有名なメーカーさんの名が連なっていてそしてさらにドイツのGROHEも……というか、American Standard社さんはLIXIL社さんが買収したようですね。

とはいえこちらのメーカーの湯船、日本のLINUXが買収したとはいっても、湯船は欧米諸国によくある浅くて長いタイプなので、筆者のような身長154cmの『やや小柄な日本人女性』は、何とか体勢を工夫したらギリギリ肩まで浸かれますが、標準以上の日本人男性には浅すぎて物足りないのではないでしょうか。
そうなってくると、ポータブルバスタブを購入するか、サウナ施設に行くしかありません。

タイ人もサウナに行くの?

サウナ施設での客層は主に外国人ばかりで、タイ人はあまり見かけません。
熱いお湯に浸かって身体を休めたり、熱いサウナで汗を流したりすることが健康の秘訣と信じている民族にとって、サウナや湯船はもはや生死に関わるレベルで必要不可欠な存在です。
これは汗をかいたら冷水を浴びるだけで済ませていたタイ南部人の方々には、あまり理解してもらえない感覚なのかもしれません。
南国に暮らす人たちは、冷えが身体に悪いことをまだ知らないことが多いです。日本人は銭湯民族です。もっとタイ人はじめ色んな国の人に向けて、お風呂の良さを啓蒙していきましょう。

まとめ

タイ南部パタヤには、観光客や長期滞在者向けにサウナがありますが、タイ人の利用者数はそこまで多くありません。また、一般家庭ではシャワーだけで済ませる家がほとんどで、ホテルですら湯船のついていないタイプが多いです。
湯船はAmerican Standard社さんのもので、浅くて広いから肩まで浸かるのが難しく、またお湯もすぐに冷めてしまいます。そもそもアメリカのバスタブはシャワーの水はね防止のためのもので、お湯を溜めるためのものではありません。日本式の深い湯船は今回の調査では見つけることができませんでした。
タイをはじめとした東南アジア諸国は、急速な経済発展でエアコンと冷蔵庫が一般家庭に普及した結果、知らず知らずのうちに人々の身体は冷え切っています。
タイ人が身体を温めることの有用性に気づいてくれれば、タイのおふろ業界ももっと活気づいてくるのではないでしょうか。

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