ケープタウンで大人気のラーメン店｜南アフリカでの日本食の普及

2024.03.06

アフリカ

ケープタウンでは日本の製麺機を使い、日本産の小麦粉で作った本格的なラーメンショップが人気を博しています。
高価格にもかかわらず、南アフリカでは若い世代を中心に日本食への需要の高まりが感じられます。

南アフリカにおける日本食の普及にはどういった背景があるのでしょうか。

この記事の内容

ケープタウンで大人気のラーメン店｜南アフリカでの日本食の普及

ケープタウンで大人気のラーメン店｜南アフリカでの日本食の普及

　　　著者：南アフリカgramフェロー　植松りな
公開日：2024年 3月6日

南アフリカで大行列ができているラーメン店

南アフリカでは平均の食費は1日あたりR305（2,380円）とされ、外食の場合でも1食R120（940円）ぐらいで食べられます。
モールなどでは国際色豊かな食事を楽しめますが、日本食というと中華レストランが提供する洋風寿司が一般的で、味や見た目も日本のお寿司とは少し違うものでした。

ラーメンはベトナムのフォーを感じさせる牛や鳥のあっさりとしたスープで、日本のラーメンと思えるものに出会えたことはありません。

そんな南アフリカでも近年、日本の漫画やアニメで育ってきた若い世代を中心に、メディアを通し日本食が広まりつつあります。ケープタウンに旅行した際、建物の外に行列が出来ているレストランを発見しました。

ケープタウンのラーメン店の実態

2020年のコロナショックで南アフリカの景気は大きく悪化しましたが、2021年に急回復し、2022年も景気回復傾向にありました。インフレ加速による中銀利上げや、計画停電の深刻化、大規模洪水被害などもあり低調ながらも、確実に成長率は伸びています。

そのような背景でケープタウンは290万人の人口を抱え、アフリカ全体でも3位の経済圏であり富裕層が多い地域でもあります。
この裕福な都市で行列のあるレストランは珍しく、基本的には予約を入れるか混んでいたら他のお店に行くので、並んでまでは食べません。

そんな中、高級豚骨ラーメン店『Ramenhead』は、お店に入るまで1時間かかるほどの行列ができる日本式ラーメン屋さんでした。

店内に入るとお洒落なインテリアとカウンター席があり、オープンキッチンには湯切りをするスタッフの姿が。
ラーメンを注文すると、黒人のスタッフさんが運んできてくれました。

南アフリカでの日本食の課題

日本食と日本産食材の関心は高まっておりケープタウンでは「おにぎりショップ」や「和菓子カフェ」など日本関連のお店がオープンしています。

ただ南アフリカでは生魚に対する抵抗感や強い味を好む傾向があり、日本の繊細な味には慣れておらず、本格的な日本食、食材の本来の味を楽しむ文化を理解してもらうことが課題と感じました。

日本のコンセプトと食材を大切にしながらも、現地人の舌に合う味と料理法を追求し続けていく必要がありそうです。

まとめ

これからケープタウンをはじめとする南アフリカでは更なる日本食の普及が進んでいくと見込まれます。
若い世代を中心に日本食への需要の高まりが感じられるが、独自性や南アフリカ人の味覚に合わせた調理法の更なる追求が必要とされていると感じました。

※R1=7.8円換算

【引用】
◇Average Cost Of Meal In South Africa – 2023/2024 (safacts.co.za)：
https://safacts.co.za/average-cost-of-meal-in-south-africa/

◇広がりが続く日本食、「現地の舌」になじむ工夫がカギ（南アフリカ共和国） | アフリカにおける日本食ビジネスの可能性 – 特集 – 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ (jetro.go.jp)：
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2021/0501/a3257b0dc58b813a.html

◇第一生命経済研究所：
https://www.dlri.co.jp/report/macro/161909.html

◇The world bank data：
https://data.worldbank.org/indicator/NY.GDP.MKTP.KD.ZG?end=2021&locations=ZA&start=2011