大麻産業は欧州で合法化!290億円市場が拡大中!中毒成分のない部位を使用する大麻草ビジネスが注目される

イタリア

大麻草は日本では違法だが、欧州では嗜好用大麻の使用が合法化され、大麻草産業に2億ユーロ(約290億円)の市場ポテンシャルがあると見込まれている。
CBD(カンナビジオール)を含む製品の世界市場は、10年で7〜8兆円規模を見込んでいる。イタリアでは大麻草製品の取り扱いで1万2千人の雇用があり、年間の売上高は1億5000ユーロを超えている。CBDを使用した化粧品が人気で、2023年には大ブームが来るとされている。展示会「カナパ ムンディ」には、出展250社、来場者25,000人が集まった。大麻草を利用した衣料や服飾品産業、食品業など、中毒性がないCBDを含む製品の産業化が進む。
今回は、カンナビス(大麻)とヘンプ(産業用大麻)を合わせて大麻草とし、中毒成分のない部位を使用するビジネスがスタートアップとして注目されていることをご紹介したい。

大麻草産業が雇用創出!イタリアでは年間売上高15億円超!

著者:イタリアgram fellow 伊田里アネ
公開日:2023年3月21日

イタリアで使用できる大麻草

イタリアでは、中毒性が高く違法性が認められる成分THC(テトラヒドロカンナビノール) が0.2%から0.5%を超えない大麻草が産業利用ができる。

大麻草はおおまかに茎、種、花、葉、に分解され、向精神薬的で中毒性の高いTHCを含有する葉と花は違法となる。なので、THCを含まない茎と種が産業化されてきている。

ここで注目されるのは、大麻草の成分であるCBD(カンナビジオール)だ。

(参考: https://www.wired.it/attualita/politica/2021/09/27/cannabis-referendum-legalizzazione-comuni-firme/

イタリアで見込まれる大麻草の経済規模

日本の厚生省のレポートによると、CBDを使用したサプリメントや化粧品などの世界市場は、これからの10年で7〜8兆円規模を見込むだろうと報告されている。

厚生労働省 PDF: https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000995180.pdf

イタリアにおいては、2016年から合法化されている大麻草製品を取り扱う産業で、平均年齢35歳の1万2千人の雇用が実証されている。そして年間の売上高も1億5000ユーロが見込まれていたが、その見込みも超えた結果となった。

2022年イタリアではCBD含有商品だけでも2億ユーロ(約290億円*)の売上高であり、数年後にはその2倍の売上高が予測される。

(参考: https://www.insidemarketing.it/startup-cbd-quante-sono-trend/#FootNota

イタリアで注目される大麻草の実用事例

アメリカをはじめとする国々に注目されるCBD有効成分を使用した商品は、鎮静作用、抗酸化作用、しわ防止作用などの効果があるとして人気が高い。

イタリアでCBDを使った化粧品の人気は、今年2023年に大ブームがくるとされている。

2023年2月15日にローマでヘンプの展示会「カナパ ムンディ」が開催され、第8回目の今回は3日間で出展250社、来場者数25,000人だったという。

産業についていえば、大麻草の茎を利用し、字の通り麻を使う繊維素材のヘンプの衣料や服飾品産業、スーパーフードともいわれるヘンプシードの食品業。さらに中毒性がないとされるCBDの有効成分を利用したサプリや化粧品産業までも広がる。

(参考: https://www.lastampa.it/cronaca/2023/02/20/video/

イタリアで大麻草商品の展開がどのようになるか

テキスタイル素材となる大麻草の需要、CBD有効成分による化粧品やサプリだけ以外にも、今後イタリアでは大麻草商品が発展していく気配がある。

成長の早い大麻草は二酸化酸素の吸収率が樹木の2倍もあり、1ヘクタール栽培するだけでも年間8~22トンの二酸化炭素を吸収するという研究結果があることから、大麻草の栽培はSDGsも実現しているということだ。

合法化されている製品使用で、一般消費者は大麻草の正しい知識を身につけることができる。これにより、大麻が合法になった時には闇市場の壊滅が期待できる。

ただ大麻というワードで、悪ふざけで揶揄されることもある昨今。
消費者意識の啓蒙とその実用性が敵えば、新しい市場が開かれるのも遠くはない未来だ。

*レート換算 1ユーロ=145円。数字は丸めて計算

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