街中にマーケットがあふれるラトビア

エストニア

首都リガにはヨーロッパ最大規模の市場があり、観光客だけでなく地元民も訪れ、大変活気がある。リガのマーケットは市内に複数存在している。スーパーマーケットでも食材は手に入るが、より新鮮なものであったり、イベントだったりを楽しみにマーケットへ向かう。リガに存在する様々な種類のマーケットを紹介する。

街中にマーケットがあふれるラトビア

著者:ラトビアgram fellow さえきあき
公開日:2024年10月23日

貿易都市として栄えたラトビア(リガ)

海や河川に面する都市は貿易都市として栄える。バルト三国の真ん中に位置するラトビアの首都リガも海沿いにあり、貿易に重要な拠点として長く栄えてきた。

13世紀にドイツの都市同盟であるハンザ同盟に加盟したことで、ロシアとヨーロッパをつなぐ重要拠点として栄えた。荷を積み込み、荷解きが行われる場所であるためマーケットが栄える土壌が昔からできていた。中世後期の時点ですでにマーケットが河口付近にあることが示されており、1572年の文献でもマーケットの存在が確認されている。

世界遺産・旧市街横の中央市場

観光ガイドなどにも紹介されており、この中央市場だけでもかなり楽しめる。ソ連時代に作られた建築物でもとは飛行船の格納庫として使用されていた。5つ並んだ建物はジャンル分けされており、鮮魚、肉、野菜はもちろん洋服まで取り揃えられている。

そして、市場は建物の外でもたくさんのものが売られている。夏場は様々な種類の農作物の収穫時期ということもあり、山積みにされたイチゴやブルーベリー、さくらんぼをよく見かける。産地や販売者によって価格設定が異なるため、見極めながら買うことが重要だ。

地元民に聞いたところ、質のいい果物を買いたければ列に並んだ人を見ればいい、と言っていた。お年を召した女性たち、いわゆるオバちゃんが並んでいる店舗のベリーやさくらんぼは総じて美味しいらしい。

屋外市場では鉢物や花束も売られており、屋内・屋外と合わせて回ると充分すぎるくらい食材を手に入れることができる。

中央市場の裏側のナイトマーケット

中央市場は17時頃に閉まるのだが、17時頃から深夜までオープンするのが中央市場から少し離れた場所で開かれるナイトマーケットだ。ラトビア中から集まった農家が通りの両脇に商品を並べて深夜まで営業する。

中央市場と比べると規模は小さいが、仕事終わりの地元の人が新鮮な果物や野菜を求めて集まるため混雑している。アジア圏の国だとナイトマーケットといえば食べ歩きをする場所という認識がなされているが、ここリガのナイトマーケットは食材が中心に売られている。

川の反対側のマーケット(Kalnciema Quarter Market)

観光でラトビアに来る人はほとんどの場合、旧市街のある東側に滞在し、観光をそこで終える。川の西側にもいくつか観光地はあるのだが、土地のほとんどが住宅地として使われている。この西側にあるマーケットで売られているのは食料だけでなく、ハンドメイド商品も売られており様々なカルチャープログラムが組まれている。地元のアーティストの作品販売も行われており、地元密着型である。既存のマーケットという枠組みにとらわれずに若い人や家族が楽しめるイベントを開催しているのがこのマーケットの特徴だ。

まとめ

市の中心部には有名で大きなマーケットがあるが、それ以外にも小規模なマーケットが市内各地で開かれている。スーパーマーケットでも野菜、果物、たんぱく質等、十分なクオリティのものを手に入れられるが、マーケットを好んで利用する地元民も多い。用途によって店を使い分ける昔ながらの方法が、農家などの個人事業主を支える源泉になっているのだろう。

これらのマーケットは昔の建築物をリノベーションしたり人通りのない場所を利用したりと、今ある資源を有効に使おうとしている。旧市街に留まらず古い建築物がたくさん残されているリガならではの取組だろう。

【参考】
◇neighborhood:
https://neighborhood.lv/en/real-estate/rigas-centraltirgus/

◇LIVE RIGA:
https://www.liveriga.com/en/13287-summer-in-riga-1

◇Kalnciema Quarter:
http://www.kalnciemaiela.lv/en/

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さえきあき

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エストニア在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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