プロが教えるソーシャルリスニングの基本:ロイヤルカスタマーをどう探すか?
マーケティング業界で今ソーシャルリスニングが話題である。
ソーシャルリスニングとは何のことを指すのかといえば、「ソーシャル」を「リスニング」=傾聴する、ということであり、一般的には、TwitterやInstagramなどのSNSを見て、その定量的・定性的な傾向を分析して、ある課題に役立てるというような手法である。
では、ソーシャルリスニングにおいてロイヤルカスタマーをどう探すか?それは、そのブランドに対して好意的に書き込んでいる人を見つける作業となる。今回は、ソーシャルリスニングでのロイヤルカスタマーの探しかたを事例を交えながら解説します。
ソーシャルリスニング:ロイヤルカスタマーをどう探すか?
著者:gram 福田 さやか
公開日:2021年6月10日
頻出単語から実際の投稿をチェック
例えば、以下は去年1年間(実際には2020年5月1日~2021年4月30日)マクドナルドについて調べたときのワードクラウド(頻出単語集)である。
この中で一番大きい単語「食べ」で実際の投稿を見ていくと、多数のマクドナルドファンが見つかる。
ペルソナづくりとほぼ同じ作業
ロイヤルカスタマーを探す場合には、こうした書き込みをした人たちがどのような人物(年齢、性別、職業)で、普段どのようなところに行き、どのようなものを消費し、どんな生活をしているのか、また、マクドナルドを普段どのくらいの頻度で利用し、マクドナルドに対してどう思っているのか、を同じ人の一連の書き込みを見ながら探っていく、という作業が必要になる。
これはつまり、ペルソナ(サービス・商品の典型的なユーザー像)づくりとほぼ同じ作業ということになる。
すなわち、対象となるブランドや商品に対して、愛のある書き込みをしている人を探し出し、その人の人となりを徹底的に洗い出すという作業である。
これができると、その対象ブランドや商品がどのような人たちに受け入れられているのかが判明するため、新商品開発やマーケティング戦略に使えるデータとなると思われる。
例:メーカーA商品からメーカーB商品に切り替えた消費者のケース
仮に、別のブランドからスイッチしてきた場合などは、そのきっかけなどを探ることができる場合もある。
例えば、以前筆者が行った紙おむつのソーシャルリスニング調査では、メーカーAを使っていた消費者があるときBに切り替えた事例があったが、その時の理由を細かくリスニングして、「漏れないのが気に入っていたが、赤ちゃんの肌がかぶれたので肌に優しいということを売りにしているBに切り替えた」ということが判明している。その後Bを継続的に利用していることが窺え、この人はBの商品のロイヤルカスタマーとなったということで、そのペルソナを作るための情報を詳細に集めた。
このようにして、ロイヤルカスタマー探しとペルソナづくりは行うことができる。
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