フォーのブームに続け!まだまだあります、ベトナムの麺
ベトナム料理といえば?と問えば、米粉でできた麺の「フォー」と答える方が多いのではないでしょうか。今や日本のコンビニやスーパーでも、インスタント麺やカップスープタイプ、アレンジされた味付けのものなど、様々なフォーが販売されています。「ベトナムの国民食=フォー」と認識されていることが多いですが、ベトナムで暮らしてみると、日本でのフォーの認識とのギャップを感じます。
フォーのブームに続け!まだまだあります、ベトナムの麺
著者:ベトナムgramフェロー Saigon A
公開日:2022年7月9日
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実はフォーがNo.1ではない
私が住んでいるホーチミンの街を歩いていると、路上の屋台やローカルのお店から炭火で肉を焼いている香りや、ぐつぐつと煮込まれたスープの香りが漂ってきます。麺料理を提供しているお店の看板を見てみると…「Bún(ブン)」と書かれているお店のなんと多いことか。日本で最もポピュラーなベトナム料理「phở(フォー)」のお店は「Bún(ブン)」と比べると圧倒的に少ないのです。
「Bún(ブン)」とは、どんな麺?
ブンはフォーと同様に米粉から作られている麺ですが、製法が異なり、生地をカットしてできる平たい麺のフォーに対して、ブンはところてんのように押し出して作られるため、細目のものが多いです。
ブンは汁麺としても、汁なし麺としても食べられていますが、「具材」としても使われています。
たとえば、日本のご家庭で作る方も多い生春巻き。ベトナム本場の生春巻きと大きな違いがあります。ベトナムでは生春巻きの具材としてブンを用います。むしろ、ブンが入っていない生春巻きなんて…というくらい、生春巻きには欠かせない食材です。
いよいよブンの出番?
日本におけるベトナム料理の人気No.1であるフォーに代わって、ついにブンが日本のTVで登場しました。ベトナムのフエ市の名物である「bún bò huế(ブン・ボー・フエ)」という麺料理が、フエ市の友好都市である愛媛県西条市の給食で提供され、その様子は日本国内での放送だけでなく、ベトナムのネットニュースでも配信されました。
Tuoi treニュース:https://tuoitre.vn/bun-bo-hue-vao-bua-trua-cua-tre-em-nhat-hoi-cay-nhung-rat-ngon-a-20220428203243913.htm
ブンは日本のコシのある麺とは対照的で、柔らかく、高齢の方や子どもでも噛みやすく、食べやすい食感です。お米で作られているという点においても、小麦などのアレルギーがある方にはとても有難い食材ではないでしょうか。
ブンは日本のコメ問題の救世主となり得るか?
海外に住んでいると、日本のお米の美味しさを改めて実感します。最高の美味しさと高いクオリティを持ち合わせているにも関わらず、日本ではお米の消費量が減っており、大量に廃棄されるお米があるというのは大変悲しいことです。廃棄米を減らすための取り組みも進んではいるようですが、簡単ではないようです。
フォーが様々な形で製品化されることにより日本人にとってもポピュラーで身近な食材となったように、ブンも続いていけるのでしょうか?
①日本の高い技術があれば、日本国内においてもブンの生産は可能
②廃棄されてしまうお米がブンに変身すれば、誰もがハッピー
③ベトナムで最も食べられているブンの食べ方は無限大。汁あり、汁なし、合わせる具材も多種。ベトナム料理の食材は日本の家庭料理に使われているものと似ているので、ベトナム人が食べているレシピを幅広く公開することで、簡単に作れる。夏休みのお昼ごはんに悩むお母さんたちのレパートリーが広がる
④2021年12月末時点で、在日ベトナム人は韓国籍を抜いて、中国籍に次いで2番目に多い。ブンが日本国内でメジャーな食材となれば、在日ベトナム人も故郷を懐かしむことができる
まとめ
常に新しいものを求める日本人にとって、ベトナム食材は東南アジア諸国の中でも受け入れやすいでしょう。特に、お米が日々の食のベースとなって、ベトナムのコンビニにおにぎりが販売されていること、日本のコンビニにフォーが販売されていることは、互いを認めている食の友好関係だと感じます。