道路が突然陥没!マレーシアの道路事情
マレーシアの首都クアラルンプールで陥没事故が起きました。
8月23日の朝、インド人の女性の旅行者が家族と歩いていたところ、歩道の一部が突然陥没し、この女性が陥没穴に落ちた様子が近くの防犯カメラに映っていて、非常に大きな話題になっています。
この事故の詳細を紹介しながら、クアラルンプールの道路事情について解説しようと思います。
道路が突然陥没!マレーシアの道路事情
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2024年10月24日
人が消える
道路の陥没が起きたのはクアラルンプールの中心地で、ジャラン・マスジド・インディアと呼ばれるエリアです。
観光中のインド人女性が、歩道に突然現れた陥没穴に落ち、その映像がX(エックス)などで発信され話題となりました。女性が行方不明となってからすでに1週間(執筆時8月28日時点)経っています。掘削機を使った大規模な捜索救助活動が行われていますが、まだ発見されていません。
8メートルの穴
女性が落ちた陥没穴の深さは、何と8メートルもあります。
ビデオを見ると分かりますが、本当に女性のまわりだけ、突然スポッと穴ができ、女性が消えるように落ちてしまっています。
陥没穴ができたのは、クアラルンプールにある2つの主要河川であるクラン川とゴンバック川にまたがるダンワンギ地区で、この地区の一部では前日に豪雨による鉄砲水が発生し、河川が氾濫したということで、その影響があったと考えられています。
私の通勤路も
私の通勤路も7月に大規模な陥没があり、3車線道路の2車線が使えなくなり、通常1時間かかる通勤が2時間近くかかることがありました。
1ヶ月以上たった今でも工事は終了しておらず、一度埋めて舗装した車線が最近では再び沈み始めています。
主要道路にも大きな穴がボコボコと
マレーシア、特に首都のクアラルンプールの道路はひび割れや舗装の不良が多く、車を運転していると驚くほど多くの穴を見かけます。
これらの穴は、雨による浸食や大規模な建設プロジェクトの影響、古くなった地下の水道管や排水管の破損、さらには重い車両の通行による劣化が原因で発生していると考えられています。
道路の劣化による多くの穴により、スリップやタイヤのパンク、そして事故のリスクが高まっていて、特にバイクを利用する人々にとっては大きなリスクとなっていて、この穴が原因による死亡事故も絶えません。
道路脇にある側溝のカバーも落ちているものが多く、夜間に溝に落ちてけがをするケースも絶えません。
市民や観光客への影響
クアラルンプールの道路事情の悪さは、市民の生活のみならず観光客の移動にも大きな影響を与えています。
排水管の老朽化やメンテナンスが不十分な場所は地下に大きな空洞を作り出していて、陥没事故を引き起こす要因となっています。さらに、大雨により洪水が発生しやすくなっており、事故のリスクが増大しています。
今後の課題
政府は短期的な修繕だけでなく、長期的な視野でインフラの整備に投資する必要があります。特に排水システムの改善や、道路の再舗装計画を見直すことは喫緊の課題です。
公共交通機関の拡充や道路整備で交通量の分散を図り、道路の負担を軽減することも必須です。
クアラルンプールにはマレーシアの人口の約4割が集まっていて、マレーシアの経済や政治のほとんどを担っています。
さまざまな対策を通じて、クアラルンプールの道路事情が改善されることを期待したいところです。