サラワク州のセカンドホームビザ申請者数が激増|マレーシア

マレーシア

サラワク州の産業・芸術相は、同州の2022年のマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(以下MM2Hとする)プログラムの申請者数が411人、前年比1422%増であったと報道しました。
同プログラムはサラワク州独自の条件で、2007年から導入されている制度です。
今回の記事では、サラワク州の独自のMM2H(S-MM2Hと一般に表記)について解説します。

サラワク州のセカンドホームビザ 申請者数が激増  

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年9月14日

独自の自治権

サラワク州はマレーシアで一番面積が大きな州で、東マレーシア(マレー半島側ではない、ボルネオ島の北西部側)に位置しています。
州都であるコタキナバルは、マレーシアの国民には広く「KK」の愛称で知られています。

人口の半数以上をイバン族やビダユ族といった先住民族が占め、独自の文化を持ち、独自の自治権を有することを認められている、特徴ある州です。

MM2Hについても独自の条件で募集しており、制度が始まって以来、すでに2093人の承認者がいます。今年もすでに、8月までに406件の承認が降りています。

ゆるい条件

サラワク州のMM2Hは、マレーシア連邦政府のMM2Hの申請条件よりもかなりゆるいです。2021年の10月に条件の厳格化が行われて以来、政府のMM2Hの取得を諦めてサラワク州で申請する人も増えていて、私の周囲だけでも結構な人数になります。

産業相は応募者増に対して「州にとって有益で、基準をダイナミックにしたことにより多くの人が申請している」と語っており、また、首都に比べて生活費が安くすみ、生活ペースもゆったりとしているので、「サラワク州のMM2Hビザの取得者は、サラワクの美しい風景に惹かれた退職者がほとんどだ」と述べています。

S-MM2Hの申請条件

S-MM2Hビザの申請資格は年齢により条件が異なりますが、すべての年代で共通する条件は、

経済的証明として、      
 ①マレーシア国外での年金を含む収入が、単身では月にRM7,000以上で、夫婦の場合にはRM10,000以上あること
 ②銀行口座にRM50,000(単身)、RM100,000(夫婦)以上の残高があること
 ③母国の銀行で、RM50,000(単身)、RM100,000(夫婦)以上の定期預金を組んでいること

上記の①~③のいずれか1つを満たすこととなっています。

また、サラワクでの定期預金として、サラワク州にある銀行にRM150,000(単身)、RM300,000(夫婦)以上の定期預金を組むことが義務付けられています。

無犯罪証明書を警察署で発行してもらう必要があり、さらに滞在義務として、年間合計30日以上の日数をサラワク州で滞在する必要があります(更新のため)。

ビザの有効期間は5年で、承認されると州政府の承認がある場合に限り州内での就労やビジネスが可能になり、この点でも政府のMM2Hとは大きく条件が異なります。

ウォーターフロント

サラワクは観光にも最適な地で、中でもクチンウォーターフロントは、クチンの中心部を流れるサラワク川沿いに約900mにわたって遊歩道が整備されています。旧宮殿のアスタナや、ユニークな傘型の屋根で有名なサラワク州議会議事堂などの歴史的な建築があり、散歩しながら眺められます。

ゆったりと川沿いの景色を楽しむならサンセットリバークルーズがおすすめで、毎日実施されていて、日没の時間帯に90分かけて観光船で川沿いの景色を眺められ、民族芸能のショーや軽食も楽しめ、本当に心から満足の行くツアーで、私にとっても人生で見た夕日の中で間違いなくベスト3に入る美しさでした。

マレーシアの奥の深さを体験

サラワク州は同じ国にありながら、独自の自治権が認められているため、マレーシアの国内からの移動であっても、サラワク州に入るときにはパスポートが必要(マレーシア国民も身分証明書が必要)になります。
退職後などにマレーシアへの移住を考えておられる方、資産や収入面のハードルが低く、独特の文化を保持しているサラワク州でご家族で住むのもいいかもしれませんね。

サラワクの魅力にどっぷりと触れるのも楽しいですよ。

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