シンガポールの商業の中心地 「オーチャードロード」
オーチャードロードは、発展を続けるシンガポールを代表するショッピングエリアです。
約3km続くオーチャード・ロードには、大型デパートや日系のデパート、ショッピングモールが通りの両サイドに建ち並び、世界の有名ブランドが大集結していてウインドウショッピングを楽しめます。
今回は、シンガポールに来たら一度は訪れたいショッピングエリア「オーチャード・ロード」を紹介します。
シンガポールの商業の中心地 「オーチャードロード」
著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年 10月6日
ショッピング天国
ドビーゴート駅からサマセット駅を抜けオーチャード駅、そしてその先のタングリンロードあたりまでが、オーチャードロードと呼ばれています。
シンガポールを、というよりアジアを代表するショッピング街がオーチャードロードです。
数多くのショッピングモールがありますが、その中でもおすすのスポットを紹介します。
「アイオン(ION)オーチャード」
オーチャードロードとスコッツロードの交差点にあり、オーチャードロードのアイコン的な建物です。
MRTのオーチャード駅の真上にあり、波打ったような曲線の外観が個性的で特徴的なショッピングモールです。店舗数が約330とトップレベルの店舗数の多さで、名だたる高級ブランドがすべて入っています。オーチャードを一望できる地上56階にある人気の展望台「アイオン・スカイ」もおすすめで、午後3時~6時まで無料で開放されています。
「タングス(Tangs)」
「アイオン」の向かい側にあるのが、1932年創業のシンガポールで最古のデパートのひとつで、紫禁城に似せて作った東洋建築風なショッピングモールです。アジアの雑貨や個性的なお土産物のお店が揃っています。
「高島屋SC」
オーチャードロードの真ん中あたりに建ち、赤いレンガ色の外観が目を引く重厚な建物がシンガポール高島屋SCです。
紀伊国屋やベスト電器など、日本人には馴染みのあるお店も多く入っていて、多種多様なレストランもあり、利便性抜群のモールです。
オーチャードロードの歴史
元々は19世紀の英国植民地時代にあったナツメグやオリーブなどの果樹園(オーチャード)と邸宅が並ぶ通りで、このことからオーチャード(果樹園)という名前がつけられたといわれています。その頃は小さな市街地で、裕福なヨーロッパ人や中国人の広い庭をもつコロニアル様式の邸宅がある高級住宅地で、その周りに果樹園が広がっていました。
1980年代に、当時のリー・クアンユー首相がオーチャードロードを一大ショッピング街にすることを唱えて再開発が進み、果樹園や屋敷が消え、代わりに巨大なホテルが林立し、世界のブランドを集めたショッピングモールが建てられました。東エリアのドビーゴード駅の辺りにはプラナカン建築物が残り、1887年に建てられたシンガポール最古で、白亜の外観が美しいシンガポール国立博物館もあり歴史をたどる散策に向いています。
2025年までの再開発計画
シンガポール都市再開発庁が2025年までに、オーチャードロードの車道の一部を閉鎖して遊歩道に変更し、周辺の緑化を行うと発表しました。
今回再開発されるのはドビー・ゴートエリアで、イスタナの公園から、モールの「プラザ・シンガプーラ」、そしてコンコルドホテルまでの500m区間が大きく生まれ変わることになりました。「Urban Green Corridor (都会の緑の回廊)」というコンセプトのもと、家族の憩いの場所として、大人と子どもが自由に遊べる場所へと再開発が行われる予定です。これに伴い、この500m区間は遊歩道となり、車が通れなくなります。
サステナブルエコシティ
シンガポールには年間約 1,910 万人の来訪者(2019 年)があり、アジアでも有数の観光大国で、年間の観光収入は約2.7 兆円で国内総生産の約 5.5%に達しており、主要産業のひとつになっています。
歴史的建築物などの観光資源が他のアジア諸国と比べても豊富ではないにもかかわらず、観光客が増加したのは、国を挙げての徹底した観光振興策の成果です。
今回のシンガポールのアイコンエリアの再開発にも、観光資源の活用を念頭に置いたサステナブルな街つくりに対するシンガポールの本気度が表れています。