久しぶりの帰国から見えた!在ベトナム日本人とベトナムの関係
今年の夏は、ベトナム在住の日本人の多くが念願の一時帰国を果たしました。コロナ禍で一時帰国が出来ずにいた人達にとっては3年ぶりの日本。久しぶりの日本の生活のから気付いた日本とベトナムの関係について考察いたします。
久々の日本への一時帰国。新たな視点から気付いた自分とベトナムの関係。
著者:ベトナムgramフェロー Saigon A
公開日:2022年11月6日
ベトナムから日本へ一時帰国。浦島太郎の気分「キラキラの日本」
この夏日本へ一時帰国した日本人の何人かに、久しぶりに帰ってどうだったかを聞いてみたところ、ほぼ全員が「浦島太郎の気分だった」と話していました。
実際に挙がった声をまとめてみました。
すべてがキレイすぎる=ベトナムは清潔感に欠けている
・なんてきれい(清潔)なのだろう!(清潔さを実感)
・どこを見てもゴミが落ちていない!(ベトナムではあらゆるところにゴミが捨てられています)
・トイレがキレイ、お札が皺くちゃでも汚れてもいない(ベトナムはトイレもお札も決してキレイではありません)
・空港に降り立った瞬間から、視界に入るすべての景色やモノが、キラキラして見えた
買物で興奮しつつも戸惑う自分
日本のコンビニやスーパーの品揃えは素晴らしく、端から端まで買いたくなってしまうほどすべてが魅力的でした。ようやく買う物を決めてレジに行くと、そこにあったのは見慣れない支払いシステム。
もはや現金で買い物をしている人はいないのではというくらい、誰もが当たり前にカードを「ピッ」とかざしたり、差し込んだりしています。レジに表示されている支払い方法の種類の多いこと。背後に並んでいる他のお客さんの視線が気になってしまいます。袋は有料なのか、マイバッグとやらを用意しなくてはならないのか。購入した商品を袋に入れるのは自分なのか、店員さんなのか。母国でありながら、冷や汗をかきながらの買い物体験でした。
ベトナムでも様々な支払い方法がありますが、お客さんが支払いのために複雑な操作をするようなやり方ではありません。購入した商品は店員さんが袋に入れてくれます。ちなみにベトナムでは2026年以降、使い捨てのビニール袋を提供するスーパーや商業施設に対して罰金が科される方針であるといわれています。
交通ルールが当たり前に守られている日本
ベトナムにおいては、交通ルールは有って無いようなものです。最近は信号を守るようにはなってきていますが、どこでも車がUターンしたり、バイクが逆走したりと危険な場面が多々あります。歩行者優先で、歩行者が渡り終わるまで待ってくれる日本のドライバーが神のように思えます。歩道に乗り上げてくるバイクなんていないし、そもそも、バイクの数がそんなに多くありません。
多くの日本の企業が地下鉄、ビルや橋などの建設に技術をベトナムに提供している中で、現地の人々が交通ルールを守れるような安全な街を作り上げてもらえればと願うばかりです。
日本からベトナムに戻って。「物価が安いベトナム、はウソ?」
現在日本では原材料の高騰などにより様々な商品の値上げのニュースが飛び交っており、食品メーカーや大手有名チェーン店の人気商品が値上げを発表し、消費者が悲鳴をあげているのをニュース等で見かけます。その一方で、この夏久々の一時帰国を果たしたベトナム在住日本人は「日本って、色々と安い」と声を揃えて話しています。
確かにベトナムのローカル店での食事は、日本での外食よりもずっと安く済ませることができますが、スーパーなどで売っている商品についてはどうでしょう。食材や日用品は日本よりも高いのではと感じます。1袋98円で買える野菜や洗剤やティッシュペーパーなどの日用品は、ベトナムで売られているものの方がクオリティが低く、値段が高いのが実状です。子どもたちの大好きなお菓子は、「美味しくて、種類が豊富で、こんなに安くていいの?」と興奮せずにはいられません。
ベトナムに住む日本人の今
曖昧に水際対策を緩和させていく日本とは対照的に、ベトナムは早々に”withコロナ”に向けて動いていきました。海外からベトナムへの入国に際し、コロナ関連で提出すべき書類や条件は無く、一刻も早く観光客を呼びこみ、経済の活性化を目指すことに尽力し始めていました。その結果、夏休みの期間中には、コロナ禍で滞っていた日本人駐在員や帯同家族の赴任も一気に増える形となりました。
以前は日本に一時帰国した際には段ボールに何箱もの物資を抱えてベトナムに戻る、というのが通例でしたが、ベトナムにおいて日本の商品を購入できる店舗や商品の種類が広がったことで、以前よりも少なめの荷物で帰ってくる人が多いように感じました。
まとめ
この夏の一時帰国をした在ベトナム日本人の多くが、日本を母国や故郷というより、初めて訪れる国のように感じていました。在ベトナム日本人にとって、今の“ホーム”はベトナム。ベトナムの空港に降り立った瞬間にホッとしているのが、すべてを物語っていると感じています。