シンガポール:観光分野での雇用が拡大

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シンガポール労働省(MOM)の2022年第2四半期の労働省統計によると、世界的な旅行の再開や国内のコロナ規制緩和、消費者向けサービスの需要増加に伴い、航空、飲食、宿泊の各分野で採用が進んでいて、追跡したすべての分野の中で最も高い数値を示しているとの発表がありました。
入国規制も緩和された今、さらに観光分野での雇用強化が進んでいくと思われます。
そこで今回の記事では、シンガポールの観光分野での雇用の拡大と、観光政策について解説します。

シンガポール:観光分野での雇用が拡大

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2022年11月18日

コロナの影響大

シンガポール政府観光局は、コロナ禍で2021年にシンガポールを訪れた外国人観光客数が33万人と過去最低だったと発表しています。通年で270万人が訪れた2020年より88%減少で、コロナ前で過去最高だった2019年の1910万人と比べると98%減でした。
2021年の観光業収入は19億シンガポールドル(約1600億円)と、2020年比60%減でした。
小さな島国であるシンガポールの観光資源は限られていますが、地理的な優位性を活かし観光を発展させてきました。
毎年、人口のほぼ2倍にもなる1000万人以上の国際観光客を迎えていて、観光客数はこの数年は毎年2桁成長していました。

コロナ禍からのいち早い回復

今年4月からは、新型コロナのワクチン接種を完了していることを条件に、全ての国・地域から、短期滞在者を含む渡航者の入国を受け入れています。4月の外国人入国者数は29万4,300人となり、前年同月比で11.4倍、前月比で2.4倍と急増。新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来最多を記録しました。
また、シンガポール入国の玄関口となるチャンギ国際空港の5月の利用者数は、4月の193万人を大幅に上回る247万人となりました。急増する需要に対応するため、航空産業に従事する労働者の数を、2022年末までにパンデミック前の85%から90%まで取り戻す考えを表明しています。

観光戦略

シンガポールには、有名ホテルのマリーナ・ベイ・サンズ、ウォーターフロントに位置する庭園ガーデン・バイ・ザ・ベイ、ユニバーサルスタジオもあるセントーサ島やナイト・ サファリに加え、チャイナタウンやアラブストリート、リトルインディアといった民族の伝統や文化を残す地域があります。大型商業施設や免税店等が立ち並ぶ世界でも有数のショッピング街オーチャー ド・ロードなどもありますが、周りの国と比べると観光資源が豊富とは言えません。
それにも関わらず観光客が増加しているのは、シンガポール観光局(STB)を中心に国を挙げた観光政策によるものです。観光業は重要な国家収入の柱として位置付けられており、チャンギ空港のアジア地域のハブ空港化などの戦術も傑出していて成功を収めています。
現在は以下の4つのポイントを重点においてます。
「持続可能性」:シンガポールは自然があふれる都市で、緑豊かな自然の景観や美しい庭園、緑の静かなオアシスが点在しています。未来に向けてこの特性を持続させることで旅行客を魅惑し続けていきます。
「都会の楽園」:シンガポールは眠らない忙しい街ですが、その中でもリラックスして活力を取り戻す機会を見つけることができます。
「食の楽園」:先進的な新しい飲食店、世界的に有名な屋台料理があり、食の楽園としての評判を得ています。街を探索すると、進化し続けるさまざまな料理を見つけることができます。
「新たな可能性」:豊かな緑の中をハイキングしたり、にぎやかな通りで新しい都市のサブカルチャーを発見したりと、シンガポールは斬新さと興奮を楽しむのに最適な都市で、常に新しい可能性を生み出し提供しています。

楽しみ満載

シンガポールに到着したその時から、食欲をそそる伝統的な味や新たな味、想像力をかき立てる体験や心身を活性化させるような素敵な体験を絶えず感じることでしょう。
小さな島国に溢れる楽しみをたくさん発見してください。

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