何か変だよ!台湾の衣類用防虫剤(ナフタリン)
今のこの冬の時期、特に北部の台北ではシトシトと雨の日が多く、カビの恐怖が非常に高まる時期である。盆地という土地柄と地域的な気候も影響するのか、湿気が多く、一年を通して湿気取り商品の需要が高い。
日本から着物を持ってきたいのだが、大切な着物が湿気で傷むのが不安や、タンスの服がカビそうで怖い、という声を台湾に在住していた日本人から以前聞いたことがある。それだけに湿気取りツールは欠かせないものとなっている。
だが、代表的な湿気取り商品である衣類用防虫剤(ナフタリン)も台湾に来るとまた台湾スタイルになっていた。
何か変だよ!台湾の衣類用防虫剤(ナフタリン)
著者:台湾gram fellow
公開日:2022年1月28日
日本人もビックリのその形態
普段私たち日本人が見慣れた衣類用防虫剤(ナフタリン)は、必ず薄い紙の様な袋に包まれた状態になっている。これがご存知のスタイルだと思うのだが、なんと台湾ではナフタリン自体が個包装無しで直接大袋に入れられ、普通に日用雑貨屋で売られている。
初めて見た瞬間の衝撃は今でも忘れられない。トイレにある丸い物と見間違えたのかとも思い、注意深く再度見てみたが、ちゃんと袋にナフタリンと表記されているし、服用という文字も何とか読み取れる。
忘れた頃にはいつの間にか消えて無くなっているか、小さくなっている、アレである。
日本人の常識ではどのように使うのか全く見当も付かなかった。
素手で触っても良いのか?毒ではないのか?
そもそも日本で流通している衣類用防虫剤(ナフタリン)は、まず中身がそのまま裸の形で入っている、というのは多分無いのではないだろうか。かなり強力な臭いを放って、虫を寄せ付けない(入れても虫は来る)という便利さで受けている。自身も幼い頃から見てきたが、見てわかる通り直接口に入れるな、という一種の毒物なので、小さい頃は特に注意された事がある。そんな物を個包装のない素の状態でどう使うのか?
一度、不織布でできていて、個々に袋のようになっているお茶の葉を入れるお茶パックを利用して使えないだろうか…と筆者は考えた。が、その際、手袋をしていても必ずナフタリン本体に触れる事になるのは避けられない。それに、結構な数があるのに、ナフタリンを自身で一つずつお茶パックに詰めるという作業は、キツイ…
上記の理由から、台湾のナフタリンを使用することを諦めた筆者。
もし、現地の五金百貨の様なお店で日本式の個包装のナフタリンを売っているのを知っている方がいたら、是非教えて頂きたい限りである。
台湾での使用法とは?
こうなると一番気になるのは使用方法。
一体、素のナフタリンをどうやって使うのか?と台湾人に聞いてみると、「そのまま服の上に直置きする」との事。恐れていたが、やはりその使い方が台湾ではポピュラーらしい。実に、所変われば…という感じであった。
この使用方法は一部の台湾人にしか直接聞いていない。しかしこのナフタリンをめぐる衝撃について、実は当初フェイスブック上でも写真と一緒にアップしていたのだが、他の台湾人の反応は特に驚いたりしておらず、至って普通という感じだった。その点からも、こちらではナフタリンは服に直置き、というスタイルらしいという事が予想できる。
なぜ日本で販売されているタイプが現地に無いのか…?
台湾式直置き衣類用防虫剤(ナフタリン)の現状について少々ご理解いただけたかと思う。
だが、なぜ日本式の個包装スタイルが無いのか?という率直な疑問が払拭できない。
大袋に直入れされた所から取り出して、という使い方より、個包装されていた方が出す時も使用する時も直接手に触れない。さらに、個包装であれば、残った場合も保存しやすいと思うのだが…。
台湾の人達も日本人同様、入れたナフタリンが自然に小さくなるという事はちゃんと理解している。
それとも、その他の使用法が台湾にはあるのだろうか…?
もし、日本式の個包装のナフタリンが台湾でも登場すれば、その新鮮さや利便性、そして日本発という観点から現地でも受けるのではないかと筆者は強く思う。