ポストコロナ:台湾のコロナ後はどう変化した?
世界中に広まった新型コロナウイルスですが、いち早く対策を打ち出し抑え込むことに成功した台湾。2021年5月には感染爆発が起きてしまいましたが、そこから約1年たって海外旅行ができるまでになりました。感染爆発が起きたコロナ禍と収まった今とでは、どういった変化があるのでしょうか。実際に台湾に2年住んで経験した筆者が、生活面や仕事面などの変化を記事にしました。
ポストコロナ:台湾のコロナ後はどう変化した?
著者:台湾gram fellow 井川 陽介
公開日:2022年12月13日
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生活面での変化
マスク着用に関して
コロナの厳戒態勢がしかれている時と今を比べても、マスクは原則常時着用になっているため使用率は変わらないように感じます。例外は以下の7つの場合のみ。
1.屋内及び屋外での運動
2.室内外での写真撮影(個人/団体)
3.自分の車やバイク、自転車の運転、車内の同乗者が同居家族である場合、また、同乗者がいない場合
4.ライブ放送、ビデオ撮影、司会、レポート、スピーチ、講演、講義など会話や談話に関する業務や活動の正式な撮影や進行
5.屋外労働者の野外(畑、養魚場、山林等)での労働
6.山林(森林レクリエーションエリアを含む)やビーチでの活動
7.温泉、冷泉、ドライタイプのサウナ、スパ施設、サウナ、スチームルーム、ウォーターアクティビティなど、マスクが濡れやすい場合
(引用元:日本台湾交流協会 新型コロナウイルスに関する注意喚起:マスク着用等の防疫措置の緩和(7月19日以降)
https://www.koryu.or.jp/news/?itemid=2945&dispmid=5287)
政府が制限を緩和してからは街中でマスクをつけない人も見られます。まわりから注意はされますが、警察が取り締まるということはなくなりました。市民の警戒心もかなり低くなっていることが分かります。
ちなみに筆者が台湾のマラソン大会に参加した際は試合開始前までマスク着用で、走り出してからは着用は自由でした。マスクをつけて走るのはやはりしんどいため、はずしている人がほとんどでした。
外食が増えた
台湾は朝ご飯専門のお店や朝市、夜市など外食できる場所が豊富にあります。日本と違い、元々自炊よりも外食する人がほとんどです。
2019年5月ごろに政府がコロナ警戒レベルを引き上げたため、市民はあまり外出をしなくなりレストランも営業停止に。ほとんどの食事は自炊をしたり、Ubereatsなどのデリバリーを利用する人が多くいました。自炊をするために、早朝の時間帯は食材を買いにスーパーや市場に人が殺到し密集していたこともあります。
外出を自粛するようになり買い物にもなかなか行けないので、フードデリバリーだけでなく生活用品もデリバリーできるようになりました。今までネットショッピングしたことない人も、コロナを期にデリバリーをするようになったという人が48%もいたようです。
(引用元:後疫情時代,零售業如何應對?https://www.ipsos.com/en-tw/how-retailers-react-in-the-post-pandemic-era)
現在はコロナ発生以前と同じように外食する人が増えましたが、食事をする時以外はマスクをつけなければなりません。
また、以前は商業施設での検温や消毒は義務でしたが、現在は体温計やアルコールが置かれていても自主性に任せるようなかたちで、あまり利用している人は見られません。
仕事面での変化
働き方の変化
多くの人がリモートワークをしていましたが、今はほとんどが以前のように戻っています。
筆者の親戚や友人は、会社からリモートワークを命じられ在宅勤務をしたり交代で出勤をしたりしていました。今はコロナ発生前と同じように会社に出勤するようになりました。
また筆者の家族が市場で働いているのですが、コロナの警戒レベルが高い時は市場も入場制限がかかっていました。身分証明書に書いてある番号が奇数か偶数かで入れる曜日が決まっていたのです。入り口には警備員が立って、身分証の確認とアルコール消毒、検温を1人1人行っていたので台湾は対策を徹底しているなと感じました。
観光業界は人手不足に
コロナの影響により、台湾でも多くの人がリストラにあったり企業が倒産したりしました。当時は人員を削減していましたが、現在は一転して人手不足に陥っています。
2022年10月13日に中央流行疫情指揮センター(CECC)は入境者の在宅検疫を廃止すると発表し、水際対策を緩和しました。
台湾交通部は海外からの訪台客を2024年にコロナ発生以前の1000万人までに回復させるという目標を発表しております。
(引用元:台湾観光再開/水際緩和 訪台客24年にコロナ前水準回復へ=交通部)
一方で、ホテル大手の晶華国際酒店は以前よりも回復はしているが労働力不足が深刻だといいます。清掃スタッフが500〜600人ほど足りず、宴会のスタッフも足りないため、目前に迫っている春節の忘年会イベントをやむなく断ったそうです。
(引用元:ホテル業界の人手不足深刻、「やむなく尾牙キャンセル」(トップニュース)/台湾 https://www.ys-consulting.com.tw/news/106085.html)
その他
ドライブスルーでのPCR検査は以前頻繁に行われていましたが、今は全くありません。
薬局で売られている政府推奨のPCR検査キットはさまざまなメーカーのものがあり、金額もピンキリのようです。
ワクチン接種も4回目が行われているようです。
台湾国内のコロナワクチンの接種状況は以下の通り。
1.1回以上接種率約94%
2.2回目接種率約88.6%
3.追加接種率(3回目)約74.2%
4.第二次追加接種率(4回目)約17.5%(2022/11/29最新)
(引用元:衛生福利部疾病管制署 COVID-19疫苗統計資料 https://www.cdc.gov.tw/File/Get/_6r9uT51o8X4v7Jq5ni54A)
まとめ
以上、コロナ後の台湾での生活の変化についてまとめてきました。
軽症でもまだまだ感染者は毎日たくさん出ていて、ウイルスが変異する可能性も捨てきれません。ですが水際対策も緩和されて、以前と同じような生活に戻りつつあります。
日本からの訪台客も増えていくと予想されますので、日本の企業が少しでも台湾にも進出できれば嬉しい限りです。